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批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く ちくま新書1600
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2021/09/09 |
| JAN | 9784480074256 |
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批評の教室
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商品レビュー
3.9
91件のお客様レビュー
三宅香帆『考察する若者たち』の批評の定義に違和感があって、こちらを読み直した。三宅さんは、批評とは「正解がない」「皆と違う感想を言っていい場」「人それぞれ世界の見え方は異なる、ということを教えてくれる」「自分の解釈を発言する営み」「世界の固有性を愛する行為」と書いているが、ここで...
三宅香帆『考察する若者たち』の批評の定義に違和感があって、こちらを読み直した。三宅さんは、批評とは「正解がない」「皆と違う感想を言っていい場」「人それぞれ世界の見え方は異なる、ということを教えてくれる」「自分の解釈を発言する営み」「世界の固有性を愛する行為」と書いているが、ここで奇妙に抜け落ちているのは「批判的視点」だろう。北村さんは、モハメド・アリの名言「チョウのように舞い、ハチのように刺す」になぞらえて、「チョウのように読み、ハチのように書く」ことが批評だと言っている。この定義こそが批評だと思う。 そういえば、「○○は批評ではない」という言い方はあるが、「○○は考察ではない」という言い方はない。「○○はクソみたいな考察だ」と言われるだけ。北村さんは、作品の内外を「調べる」、作品を「解釈」し、「意味付け」することが批評だと言っている。それなら、有吉の品川祐=「おしゃべりクソ野郎」とか、ベッキー=「元気の押し売り」だって批評だし、Twitter上のもっと低レベルな悪口だって批評だ。「それは批評ではない」じゃなくて「クソ批評だ」と言わなきゃ。「批評」の定義を狭めてるだけ。令和だろうがみんな批評してるのだ。 阿部幸大『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』では、フェミニズム批評を用いたアンパンマンについての論文がサンプルとして書かれていたが、こちらでは「なぜ、うなぎはこんなに美味そうなのか──美食文学としての『ごん狐』」という批評が書かれている。どんな作品が題材でも批評は書けると教えてくれている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本を読んだ後に感想以上のものを残せない人間なので、批評や考察するにはそもそもどうすればいいんだろう?と思って人に薦めてもらって読んだ。 そもそも批評と考察が全く同じテーブルのものではないことに気付き、確かに今のSNS社会で「考察」は数あれど、「批評」ってなかなか見ないというか、わざわざ叩かれる可能性あるものを公開する人あんまりいないよな〜と。だからこそ今ちゃんと批評できる人って実は少ないのかも。 ただ、批評するならやはり作品への愛が必要で、好きな作品を何度も楽しみつつ気になったことを深掘りしてみる、ってのは確かにやったらハマりそうだけど、私はどちらかというと死ぬほどつまらなかった作品について「なんでこんなにつまらないのか」を分析してみたいと思ってしまった。ただ、その場合そこに愛がないので、批評として成り立たず、たぶんただ自分の意見を連ねるだけになって全然ダメなわけですね… 絶対一生観ないと決めてるけど、批評のためなら「耳をすませば」の実写版見てみるのもアリかもしれない…いや見ないが。
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非常に読みやすい作りになっていて、初心者にも批評のおもしろさと難しさがよくわかる内容になっていた。 批評としての作品への接し方を知り、鑑賞時の楽しみ方が増えた。実際に批評できるかは別として、作品を深く理解するために使えるテクニックがいくつもあったように思う。 優れた批評をするには膨大な知識が必要なことがわかってくる。そしてそれをひけらかすわけではなく、不必要ならば書かないことの大切さ。なかなか難しいことでもあるけれど、著者の批評はテーマが絞られていてスッキリと読みやすく理解しやすいことからも、その引き算がいかに重要なのかがわかる。 けっこう大事なポイントとして、著者の文章には公平性があり、ご自身の考えの傾向まできちんと説明してくれるので、読者に偏向が起こらないようにしてくれていると思う。またほかの著作も読みたい。
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