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批評の教室 の商品レビュー

3.9

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/09/24

 読み始めた当初はものすごく良い本かと思って読んでいたが、徐々に読む速度が落ち、ごく普通の本だという結論に落ち着いた。 第一章 精読する 第二章 分析する までくらいは結構参考になった。

Posted byブクログ

2023/06/29

ただ漠然と楽しむ楽しみ方もあるし、こうやって意識的に楽しむ方法もある。批評的に楽しむ面白さを、まったく肩肘張らず、軽やかな語り口で教えていただきました。それをアウトプットできるかは置いておいて…。 自分の中で、本も、映画も、それから音楽も、いろんな角度からさらに楽しめるようになり...

ただ漠然と楽しむ楽しみ方もあるし、こうやって意識的に楽しむ方法もある。批評的に楽しむ面白さを、まったく肩肘張らず、軽やかな語り口で教えていただきました。それをアウトプットできるかは置いておいて…。 自分の中で、本も、映画も、それから音楽も、いろんな角度からさらに楽しめるようになりそうだ、というわくわく感。

Posted byブクログ

2023/05/17

日々、本を読むたびに、つらつらと覚書をこのブクログに投稿してはいるけれど、はて、そもそも批評とはなんぞや、批評って自分にも書けるのかしら……?という興味から手に取った本書。 シェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評を専門とする研究者である著者は、「批評はコミュニケーションの一...

日々、本を読むたびに、つらつらと覚書をこのブクログに投稿してはいるけれど、はて、そもそも批評とはなんぞや、批評って自分にも書けるのかしら……?という興味から手に取った本書。 シェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評を専門とする研究者である著者は、「批評はコミュニケーションの一種」であるとする。 作品からどの要素を受け取り他のどの作品と関連づけるか考えること(対作品のコミュニケーション)、見出した要素から1つを選び出し批評を書き他者と共有・議論をすること(対人のコミュニケーション)、だろうか。 そして、基本的な批評の考え方や書き方を知る過程で、前提として膨大な作品のインプットと丹念な精読が必須であることも理解する。 いやー、プロの批評家の方々って、すごい。もちろんすごいと今までも思っていたけれど、1つの批評がどれだけの時間と労力をベースに成り立っているかを、この本を読んではっきり認識したことで、改めて尊敬の気持ちがわいてくる。 とはいえ、私を含めて作品を読むペースがゆっくりな人でも、他作品との比較や、書かれていないことを意識するなど、いくつかのポイントを意識するだけでも、本を読む時間がさらに豊かになると思う。 批評のこと、批評的な読み方のこと、もっと知りたいと思いつつ、読み終えた一冊でした。

Posted byブクログ

2023/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

批評をしたいというわけではないが、ただ面白いというところから一歩進んで、どんなところに着目すればより作品を楽しめるか、というヒントを求めて読みました。

Posted byブクログ

2023/04/18

自分としては、読書の記録を残したい以上のものではないんだけど、本ブログも批評の一種とはいえるのだろうし、となると本書からは何がしかえるものもなるのではと読了。紐解くと、”正しい解釈は無いが、間違った解釈はある”。なるほど。他に、”何度も出ているものをチェックし、どういう意味を持つ...

自分としては、読書の記録を残したい以上のものではないんだけど、本ブログも批評の一種とはいえるのだろうし、となると本書からは何がしかえるものもなるのではと読了。紐解くと、”正しい解釈は無いが、間違った解釈はある”。なるほど。他に、”何度も出ているものをチェックし、どういう意味を持つか考える”。確かに。また、”作者の意図、みたいなものを気にする必要はない”。それは忖度であって批評ではないですわな。今後の参考にしよう。

Posted byブクログ

2023/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なぜこの本を読み始めたのかは忘れた。 映画や小説など人の作品を「批評する」ことは自分にはあまり興味のないことと思って読み進めていったが、批評という一つの文学(?)のジャンルについて分かりやすく説明されていた。 最後の著者と教え子による2本の映画の実践批評の比較はおもしろかった。

Posted byブクログ

2024/02/29

よくここまで書き方を知ろうとせず書評を書いてきてしまったなと、厚かましいとも苦々しいとも思ってしまう。本書は2022年新書大賞で11位。 スカッと腑に落ちる経験をさせてくれる批評が好きで、自分でもそういう経験を人に提供できれば楽しいだろうと思っていたところ本書に出会い、本や映画...

よくここまで書き方を知ろうとせず書評を書いてきてしまったなと、厚かましいとも苦々しいとも思ってしまう。本書は2022年新書大賞で11位。 スカッと腑に落ちる経験をさせてくれる批評が好きで、自分でもそういう経験を人に提供できれば楽しいだろうと思っていたところ本書に出会い、本や映画の批評の方法を大いに学べた。私が書評を書く主な目的は、一つに書評の上達で、もう一つに知識の蓄積だ。著者の北村紗衣氏は、専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評で映画や小説の批評の指導もされている。 本書は、四つの章、①精読する、②分析する、③書く、④コミュニティをつくる(実践する)、から構成されている。批評の役割は、作品の解釈と価値づけで、さらにその批評を他人と楽しくシェアすること。 ①精読では、出てくる言葉の意味が全部わかっているのは最も基本的で、最も重要なこと。また読み終えた作品の数が増えると、自分独自の解釈を提示できるようになって、新しく読む作品が前より面白くなる。 ②分析では、面白いか面白くないかをその根拠とともに他の人と共有するのは、重要で楽しい価値づけのプロセスである。作品の受け手が作品を見てどういう経験をするかは極めて重要であり、少なくとも自分が批評をする時はその話をしなければいけない。作品のコンセプトがどのくらい達成されているか、受け手がどういう経験をもらえるか、の2つのことは批評をする時には考えないといけないこと。とりあえずはたくさんの作品に触れて、要素を抽出し、ネットワーキングできるところまで持っていかなければならない。 ③書く上では、まず作品情報で一段落、内容に関する説明で一段落。次に一つの切り口だけで書き、切り口に沿って要素を結びつけ、何を象徴しているのかとか、作中に出てきているこれはあれと類似するものと考えられるとか、そういうことを分析してまとめる。 「巨人の肩の上に立つ」はニュートンの言葉で、先行業績の積み重ねをふまえることで、ものがよく見え遠回りしないという意味。この表現を使って本書には「巨人の肩の上に立てる時は必ず立ちましょう。それにより、あなたにもアリストテレスを超えるチャンスが生まれるのです」。「巨人の肩になってくれるもののひとつが批評理論で、読み解きというゲームの勝ち方を探す戦略を決める理論」「クリエイターも批評家も、巨人の肩の上に立つ必要がある。」「既存の型を学び、たくさん練習、巨人の肩に乗れるくらいの訓練」と様々表現されている。このように、批評活動に含まれる、精読にも、分析にも、書いたり実践したりすることにも、全て巨人の肩の上に立つことが重要なのだ。現代自然と巨人の肩の上に立つような環境になっている状況は多いと思うけれども、巨人の肩の上に立つことにもっと意識的になってより遠くを見たい。

Posted byブクログ

2023/01/08

批評に関する入門書として面白かった。これまで批評というものを真剣に考えたことがなかったが、本書を読むことで批評家と呼ばれるような人たちが少しだけ身近になった気がする。 同時に、自分自身も自分の好きな作品について、しっかりと読み込んで批評なるものを書いてみたいと思うようになった。...

批評に関する入門書として面白かった。これまで批評というものを真剣に考えたことがなかったが、本書を読むことで批評家と呼ばれるような人たちが少しだけ身近になった気がする。 同時に、自分自身も自分の好きな作品について、しっかりと読み込んで批評なるものを書いてみたいと思うようになった。しかし、それはそれで、かなりの労力が必要になろうであることが本書を読んでよくわかった。 繰り返し読むことで本書の内容に対する理解を深めていきたいと思った。

Posted byブクログ

2023/01/05

蝶のようには読めないよなぁ 毛虫の歩みで、蛹になり、、羽化して、飛んでっちゃいそうな・・・ そんなスピードですよ。

Posted byブクログ

2022/11/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「批評」という言葉を聞いて、なにそれ最高!という印象を持つ人は少ないと思う。 どちらかと言えばなんか映画や文学作品にあれこれと口を出す人、偉そうにジャッジする人というイメージを持つ人が多いのではないかと思う。 「批評」とは本来どういうものか、何のためにあるのか。それらを説明してくれる本だった。 1冊を通して批評に必要なことやしてはならないことなどを丁寧に説明してくれているけど、著者の北村紗衣先生の言葉のチョイスがおもしろくて楽しく読めた。 こういう新書系って当然と言えば当然なのだけど、小説と違ってエモさはあまりない。 人間の感情の揺らぎとかって書かれないし。いや書いてあったらそれはそれでまずいんだろうけど。 説明を読む感じで活字欲は満たされるけど、あまりおもしろいとかは思えない。 でもこの本は北村先生の言葉がおもしろくて、今までの新書系とは違った読書体験ができた。 一番おもしろかったのは第一章に書かれている精読のためにすべきではないことのところだ。 前提として北村先生は批評のためには精読が必要だと説いてくれている。精読とは以下のように本書で定義づけられている。 【こういう、対象をものすごくじっくり細かいところにまで気を配って読むやり方を「精読(クロース・リーディング)」と呼び、あらゆる批評の基本とされています。】『批評の教室』p21 そしてこれ以降の箇所で精読のためにすべきこと、すべきではないことを書いてくれていますがそのなかの精読のためにすべきではないことに書いてあるひとつが「ええ!?」と声を出してしまいそうなほど、なかなか見ない一文でした。 【とりあえず作者には死んでもらおう】『批評の教室』p59 これは精読をする際に作者は何を伝えたかったのかを考える人たちがいるが、そもそも古い作品は作者が不明だったり手を加えられていることもある。 また批評の対象は詩や小説だけではなく劇や映画などもあるが、そういった場合は監督や演出家、脚本家などのスタッフと意見を合わせて作っていくものでもあるし、詩や小説だって商業的な作品は出版者の編集者などが必ずあいだに入る。 「作者」という言葉のイメージから、孤独な天才という像と結び付けられがちだが、作品が世に出るまで複数名が関わっていることが多く、作者が何を伝えたいのかというテーマ設定は適切ではないとのことだ。 『とりあえず作者には死んでもらおう』という文字の並びを読んで、どういうこと!?と思ったけれど、こう書かれているとそれはそうだな…と納得してしまう。 たぶんこれは国語で再三「作者の気持ちを考えましょう」的な指導を受けるからだと思う。 あなたはどう考えた?みたいな問いかけをされることってあんまりないよなー。それこそ大学ぐらいまで。 何となく受けが良い答えというか暗黙の了解的なものがあって、こんな感じの答えなら教師からいい評価がもらえるみたいなのって薄っすらあるよねえ。読書感想文とか。 まあ読書感想文は感想文だから批評は違うのだろうけど。 でもアニメや漫画や小説でも、何かを解釈するときに自分の解釈が合ってるかどうかを気にする人って本当に多いなとSNSを見ていて思う。あと二次創作。 二次創作でもって自分の解釈が正しいということを評価という数字で欲しがる。自分の解釈って自分だけのものなのにね。 また精読のためにすべきことではこんなことが書かれている。 【自分に邪な性欲があることを自覚しよう】『批評の教室』p43 これ、けっこうぎょっとしませんか? でもこれも読んでみると納得する。これは自分の性的な趣味や嗜好を理解することが、いわゆるバイアスに関わってくるということ。 バイアスがあると何でもそうだけど冷静さが失われる。バイアスによって評価が高くなったり低くなったりする。批評に不要に影響を与えることになる。 しかし北村先生によるとこれも自分の性的な好みなどを把握し、自覚しておくことで批評に有利に使うこともできると書いてる。 好きな俳優さんが出てるからよかったとか、めちゃくちゃあるあるですよね。 この本は批評を実際にするかどうかに限らず、あふれるコンテンツをしっかりと噛み砕き、自分のなかに還元するための助けになる。 だから読書や観劇や鑑賞の体験をもっと深くしたいと思う人にはとても有用なんじゃないかなと思います。いつもただ読んだだけ、観ただけになっていて自分のものになっている気がしない…という方はぜひに。

Posted byブクログ