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わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス の商品レビュー

4.3

62件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

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2022/03/19

「デフ・ヴォイス」シリーズの4作目。 コロナ禍初年に出版されたこともあり 作品にもその描写が出てくる。 個人的には1番グッとくるシリーズだった。 「CODA」である荒井の苦悩はこれまでにも 描かれていたけど、今作では家族の中で唯一 聴こえない「ろう者」の苦悩を知り その悲しい...

「デフ・ヴォイス」シリーズの4作目。 コロナ禍初年に出版されたこともあり 作品にもその描写が出てくる。 個人的には1番グッとくるシリーズだった。 「CODA」である荒井の苦悩はこれまでにも 描かれていたけど、今作では家族の中で唯一 聴こえない「ろう者」の苦悩を知り その悲しい現実に胸が痛くなった。 ネタバレになるので触れませんが 裁判での母と娘のシーンは思わず 涙しそうになった。 「ディナーテーブル症候群」かあ。 家族の中で孤立するほど悲しいことって ないもんなあ。 荒井家の家族がそうならない事を願いつつ 続編を期待します。

Posted byブクログ

2022/03/18

『デフ・ヴォイス』シリーズ第四弾。 コーダ(家庭の中でただ一人の聴こえる子ども)として育った手話通訳者の荒井尚人が刑事のみゆきと結婚してみゆきの連れ子の美和は中学三年生になり、荒井とみゆきの間に生まれた娘でろう児の瞳美は4歳になります。 今回のこの作品は2020年春から秋にかけ...

『デフ・ヴォイス』シリーズ第四弾。 コーダ(家庭の中でただ一人の聴こえる子ども)として育った手話通訳者の荒井尚人が刑事のみゆきと結婚してみゆきの連れ子の美和は中学三年生になり、荒井とみゆきの間に生まれた娘でろう児の瞳美は4歳になります。 今回のこの作品は2020年春から秋にかけてのコロナ禍の下、ろう者社会と荒井家に起きた出来事をドキュメント風に描いたものだそうです。 コロナ禍はろう者社会にもかなり深刻な影響を与えていることを知りました。 ソーシャルディスタンスの徹底や「人との接触をなるべく減らす」というのはウイルス対策としては正しくとも「他人の介助を必要とする者」たちにとっては相当の不便を強いるものだということです。確かにそうだろうなと思いました。コロナ禍ももう3年目に入っていて、一体いつになったら出口が見えるのかとただでさえうんざりしますね。 事件としては、ろう者の若い女性が自分の母親を刺すという事件が起こります。今回、荒井は事件の担当者の補佐役です。 瞳美はすくすくと育ち手話で話す学校の幼稚部に入園していますが、祖母の園子が口語を教えようとして、ひと悶着起こりますが、みゆきが園子に瞳美の世話を頼まないことで解決します。 荒井の母親の知人のろう者、長澤トキ子が「人間のもっとも大切なものは自尊心」「手話は私に自尊心を持たせてくれた、かけがいのないもの」と語るところは響きました。 第一弾から読んでいるシリーズなので、知っている家族にまた逢えて嬉しかったです。

Posted byブクログ

2022/02/25

02月-25。3.5点。 デフ・ヴォイスシリーズ。コロナ感染がはじまり、主人公も手話仕事できず。刑事の妻の理解も得ながら、母親を刺した聾女性の弁護士立会いに。 安定の面白さ。主人公が母親を見直すシーンはホロリときた。娘たちも順調に育って欲しい。次作も読みたい。

Posted byブクログ

2022/02/02

このシリーズが好きです。 事件に至るまでの動機や背景がいつも悲しくて切なくて色々と考えさせられます。 主軸となる事件の他に幾つかのエピソードがあって同時進行するけれど、ごちゃごちゃすることもなくとても読みやすいです。 ディナーテーブル症候群という言葉を初めて知りました。 家族に...

このシリーズが好きです。 事件に至るまでの動機や背景がいつも悲しくて切なくて色々と考えさせられます。 主軸となる事件の他に幾つかのエピソードがあって同時進行するけれど、ごちゃごちゃすることもなくとても読みやすいです。 ディナーテーブル症候群という言葉を初めて知りました。 家族に愛されているけれど孤独を感じている人達。 家族と縁を切りたい年配の女性。 家族には自分と違う言葉があると気付き始める、ろうの子供。 現実社会と同じコロナ禍のこととして描かれているのでリアリティがあります。 あとがきにもありましたが、ドキュメントとして捉えることができるところも多々あります。 荒井家の今後も気になるので、次が出たら必ず読みます。

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2022/01/21

家族が囲む食卓に、「私」は居るけど居ない。家族であっても、伝わらない。この世界に「私」は独りぼっちだ…。 コロナ禍で、社会は大きく変わってしまった。 世界全体が影響を受けたため、その一つひとつ、 一人ひとりに、どんな変化があったのか、知りようもない。 障害者の...

家族が囲む食卓に、「私」は居るけど居ない。家族であっても、伝わらない。この世界に「私」は独りぼっちだ…。 コロナ禍で、社会は大きく変わってしまった。 世界全体が影響を受けたため、その一つひとつ、 一人ひとりに、どんな変化があったのか、知りようもない。 障害者の生活も、大きな波をかぶったのだと、 この作品で知らされる。 ひょっとしたら、ワタシたち以上の苦を強いられることが あったのかもしれない。 手話通訳士の荒井は、コロナの影響で仕事も減り、 子どもたちの学校が閉鎖されて、二人の面倒をみることに。 そうした中、女性ろう者が母親を包丁で刺したという事件の 弁護チームへの参加が依頼される。 何も「語ろうと」しない女性の心を開かせることができるのか。 女性の周辺に話を聞くうちに、さまざまな事情が浮かび上がってくる。 ディナーテーブル症候群、優生保護法の歴史、ろう者そしてコーダの孤独、 知らなかった、いや、知っておくべきことが、 次々に示される。 障害者の孤独は、その本人にしか分からない。 そして、その周辺にいる人の孤独も。 障害者だった母を亡くして、彼女の孤独を、 いっそう考えるようになった。 彼らの孤独をそのままにしてはならないのだろうが、 そのために、知識も力も持たないワタシができることとは、一体なんだろう。 母の孤独を嘆き、後悔するより、できることとは…。

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2022/01/14

コロナ禍の状況をふんだんに盛り込んだ内容。 家族との断絶の描写が印象的。聴者と込み入った内容や複数人での話をするのはさぞ困難だろう。

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2022/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作の短編集では手話の方言(アイランドサイン)が取り上げられたが、本作ではそれよりさらにローカルな限定的言語といえるスクールサインが重要な鍵となり、また聴者である家族が意図せずにろう者をディナーテーブル症候群に追い込むという悲劇的状況が語られ、解明できないと思われた謎がついに明らかになるという、聴覚障害者を取り巻く世界を描いてきたこのシリーズで初めて本格ミステリ小説として成立したと言える作品になっている。 とはいえども、障害者が抱える困難をカエルが訴える3・3宣言に引き寄せられた主人公がおもわず嗚咽するくだりこそがクライマックスではある。

Posted byブクログ

2022/01/01

2/100 あッという間に読み終えました。 聾者と健聴者の間にはやはり大きな「壁」があるのか…? それが家族の中にも… 「ディナーテーブル症候群」 「手話」は聾者にとって自尊心を持たせてくれる「かけがいのないもの」 自分を殺して自分の気持ちを出す事が出来ない それすら気付くことの...

2/100 あッという間に読み終えました。 聾者と健聴者の間にはやはり大きな「壁」があるのか…? それが家族の中にも… 「ディナーテーブル症候群」 「手話」は聾者にとって自尊心を持たせてくれる「かけがいのないもの」 自分を殺して自分の気持ちを出す事が出来ない それすら気付くことの無い人生! 作者には是非続きを書いて貰いたい!

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2021/12/07

健聴者の母を刺してしまったろう者である娘の弁護士を手伝う事になった荒井。親子でありながら意思の疎通が困難な2人にどんな行き違いが起こったのか…今回は『コロナ渦』『ディナーテーブル症候群』を自然に絡めており、シリーズのキモは健在。手話通訳者がマスクをできない理由はテレビで見て知って...

健聴者の母を刺してしまったろう者である娘の弁護士を手伝う事になった荒井。親子でありながら意思の疎通が困難な2人にどんな行き違いが起こったのか…今回は『コロナ渦』『ディナーテーブル症候群』を自然に絡めており、シリーズのキモは健在。手話通訳者がマスクをできない理由はテレビで見て知っていたが、今回も知らない事が盛り沢山だった。特に、健聴者ばかりの家庭で取り残されるろう者の孤独が沁みる。ラストでみゆきの言葉に肯けなかった荒井に心残り。やっぱり読み終わるたびに次も読みたくなる。

Posted byブクログ

2021/12/01

デフ・ヴォイスという言葉を初めて知りました。 シリーズ化されているようで、他のものも是非読んでみたいです。

Posted byブクログ