わたしのいないテーブルで デフ・ヴォイス の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オーディブルにて。 今回も興味深く読めた。 ディナーテーブル症候群など、差別するつもりがなくても聾者にとっては疎外感を感じてしまうこと。そこに愛情があったとしても。 今回の話のように、今でこそ忘れられてきたが、コロナ禍では聾者は本当に大変だっただろうなと改めて思った。 次はスピンオフへ。
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自分のことばで話せ、ことばを伝えられる相手がいるのが当たり前ではない人もいるいうことを知る機会としての小説。物語だからこそ多くの人に伝えられることもあると思う。
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『デフ・ヴォイス』シリーズの第4作。コロナ禍で職を失った聾者の娘が聴者の母親を包丁で刺した傷害事件に荒井尚人が関わる。「ディナーテーブル症候群」のことは初めて知った。聾者にとって聴者の家族とはどのような存在なのかを考えさせる。本文中に繰り返し出て来る「私一人、家族であって家族じゃ...
『デフ・ヴォイス』シリーズの第4作。コロナ禍で職を失った聾者の娘が聴者の母親を包丁で刺した傷害事件に荒井尚人が関わる。「ディナーテーブル症候群」のことは初めて知った。聾者にとって聴者の家族とはどのような存在なのかを考えさせる。本文中に繰り返し出て来る「私一人、家族であって家族じゃなかった」という言葉に端的に表現されているように感じた。また尚人の家族や周囲の人たちにも変化が訪れ、特に尚人の2人の娘の成長と葛藤には目が離せない。このシリーズはまだまだ続きそうなので楽しみだ。(関係ないですがこの作品では何森刑事は活躍してません)
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オーディブルで聴きました。 この本のサブタイトルに繋がる「ディナーテーブル症候群」という言葉が出てきます。 ろう者が聴者の家族の会話に十分参加できず、疎外感を感じている状態を表すということです。もちろん初めて知りました。 この本のシリーズを読むたびに、新しい世界を知ることがで...
オーディブルで聴きました。 この本のサブタイトルに繋がる「ディナーテーブル症候群」という言葉が出てきます。 ろう者が聴者の家族の会話に十分参加できず、疎外感を感じている状態を表すということです。もちろん初めて知りました。 この本のシリーズを読むたびに、新しい世界を知ることができます。私の周りにはろう者はいないので、もしもいたなら、もっと内容がささるのだろうと毎回思います。 作者のろう者の置かれた現状を伝えようとする意気込みが伝わってきます。今回のはその思いがこれまでよりもさらに強い気がして、ストーリーよりも説明が多かったかな。 家族にろう者がいたら、いない家族よりも結束が強まりそうと思っていたけれど、実際は違うのかもしれない。たしかに、金銭的に余裕がなければ、家族を養うために働くことで精一杯で、手話を習ったり、ろう者の彼、または彼女の教育や将来のことを真剣に考える時間は取れないのかもしれない。聴者の家族であっても同じかもしれないけれど、やはりろう者とのコミュニケーションは、双方の努力が必須。 それにしても、手話を使うとバカになるなんて言葉を発する人が実際にいるのかは疑問。いるのかな。。 ひとみちゃんがこれからもつらい目にあわず、のびのびと成長してくれることを強く願います。
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人として生きていくのに一番必要なものは、何だと思う?と聞かれたトキ子が「自尊心」だと思うと答えた場面が心に残りました。「手話」によってその「自尊心」を持つことができたと。 言語の大切さは、音声言語も手話も同じだと思います。使う言語が違っても、孤独を感じない社会になればいいなぁ~。...
人として生きていくのに一番必要なものは、何だと思う?と聞かれたトキ子が「自尊心」だと思うと答えた場面が心に残りました。「手話」によってその「自尊心」を持つことができたと。 言語の大切さは、音声言語も手話も同じだと思います。使う言語が違っても、孤独を感じない社会になればいいなぁ~。 ぜひとも続編をお願いします。
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デフ・ヴォイスシリーズ第4弾。 ディナーテーブル症候群。 それが出てきて、この本のタイトルが「わたしのいないテーブルで」だった意味を知り、辛くなった。 わたしはいないわけではない。 いないものとして扱われている。 なんて孤独なのだろうか。。 とても辛い孤独。 それを感じながら成長...
デフ・ヴォイスシリーズ第4弾。 ディナーテーブル症候群。 それが出てきて、この本のタイトルが「わたしのいないテーブルで」だった意味を知り、辛くなった。 わたしはいないわけではない。 いないものとして扱われている。 なんて孤独なのだろうか。。 とても辛い孤独。 それを感じながら成長をしていった人たちの気持ちを考えたら、とてつもなく辛くなった。 また、旧優生保護法にも触れており、こちらもかなり辛かった。
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第8章で泣いた。 これまでシリーズ全作を読んできて、主人公荒井とその家族のことを勝手に親戚のような想いで見ていた。 聴覚障害者の歴史と荒井の幼少期の記憶、娘の美和や瞳美のことやその母みゆきの気持ちを考えるとぽろぽろ泣けて堪らなくなった。 旧優生保護法の被害者は私の働く精神保健福...
第8章で泣いた。 これまでシリーズ全作を読んできて、主人公荒井とその家族のことを勝手に親戚のような想いで見ていた。 聴覚障害者の歴史と荒井の幼少期の記憶、娘の美和や瞳美のことやその母みゆきの気持ちを考えるとぽろぽろ泣けて堪らなくなった。 旧優生保護法の被害者は私の働く精神保健福祉分野にもいる。 義務教育も受けさせてもらえず、訳のわからないまま手術をされ、大人になって大切な人ができた時に初めて判明する自分の身体のことを自分以外の人が勝手に決めた事実。 決してあってはならないことが罷り通っていた。 しかもほんの数十年前まで。 私たち世代がこの事実をきちんと知り、2度と繰り返さないよう権利擁護に努めなければならないと強く思う。
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シリーズ4作目で、傷害事件がメインテーマになっているが、その周りに多くの問題が描かれている。私自身がこれまで接したことがない話なので、他人事でしか云えないのだが、少しでもこうした問題がなくなっていって欲しいと感じた
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デフヴォイスシリーズ。手話通訳士の荒井尚人は、子供達も大きくなり、連れ子の美和は高校受験、ろうの娘瞳美は聴覚障害者用の保育園に通っている。だが、コロナによって子供達は学校や園に通えなくなり尚人は仕事をセーブせざるを得ない。 そんな時新たに傷害事件の被疑者の通訳を頼まれる。それは母...
デフヴォイスシリーズ。手話通訳士の荒井尚人は、子供達も大きくなり、連れ子の美和は高校受験、ろうの娘瞳美は聴覚障害者用の保育園に通っている。だが、コロナによって子供達は学校や園に通えなくなり尚人は仕事をセーブせざるを得ない。 そんな時新たに傷害事件の被疑者の通訳を頼まれる。それは母親を刺したろうの娘の通訳だった。 相変わらず聴覚障害者に対する社会の不備の問題を扱っているが、今回は聴こえる家族と聴こえない子供との関係も描いていて、読み応えある。 聴者の家族の中で1人ろう者の子供が感じる理解されない事による孤独感。家のなかに居場所が無いなんて辛い事だと思う。 荒井の子供達がこれからどう成長していくのか続きが楽しみな一冊。
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帯の「私一人、家族じゃなかっだみたい」という言葉には胸に突き刺さっだ。 聴覚障害で「聴こえない」悩みよりも「ディナーテーブル症候群」の方が悩まされているんじゃないかな? この本の鍵となる人物はろう者だけど、「聴こえているようにしか思えない」と言われている補聴器ユーザーにも通ずる事...
帯の「私一人、家族じゃなかっだみたい」という言葉には胸に突き刺さっだ。 聴覚障害で「聴こえない」悩みよりも「ディナーテーブル症候群」の方が悩まされているんじゃないかな? この本の鍵となる人物はろう者だけど、「聴こえているようにしか思えない」と言われている補聴器ユーザーにも通ずる事なので、是非読んでいただきたいです。
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