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の商品レビュー

3.6

48件のお客様レビュー

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2024/05/12

「自分の記憶が自分のものでないなら、存在なんてまるで映像みたいだ」これは、あるラッパーの言葉だ。記憶は踏襲されるが、外貌や性別、名前が自在に変えられる生物がいたら、アイデンティティはどのように形成されるのか。 川上弘美っぽくない感じに読めたのだが、本著解説では、川上弘美はSF由...

「自分の記憶が自分のものでないなら、存在なんてまるで映像みたいだ」これは、あるラッパーの言葉だ。記憶は踏襲されるが、外貌や性別、名前が自在に変えられる生物がいたら、アイデンティティはどのように形成されるのか。 川上弘美っぽくない感じに読めたのだが、本著解説では、川上弘美はSF由来の作家と書かれていたので、そんなもんかな、と思う。 外貌が変われば、外部知覚が変わる。そうすると感受性が変わり性格も変わる。「自我」を形成するのは、記憶、それをも利用する内部知覚、見た目による外部知覚の三点か。記憶は保たれる前提の話。そんな観点では、面白く読んだ。 しかし、物語は、このメタファーなのか寓話やSFなのか分からぬ、自在に人間を模写する生き物がうねうねと名前を変え、ぬらぬらと主体性を変え、展開もくねくねしていて、まどろこしい。少なくとも、好きな川上弘美小説の雰囲気とは違った。ちょっと残念。

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2024/04/07

いつもながら設定が斬新でした。特に最終章の光と言う物語がいい。ひかりは曖昧に生きていたけれど、みのりを恋する事を選ぶ事で変化が出来なくり恋と言う感情を知り、曖昧な性格に彩りが生まれたところが好き。ひかりは恋をして自分らしく生きたんだと思う。

Posted byブクログ

2024/02/16

それぞれの人格への理解を深めていく自己分析自体は面白いと思ったけど、次第に内容が荒唐無稽になってきて、ついていけなくなっていってしまった。

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2024/01/23

人間ではない人間の形をした生き物を通して見る人間は、滑稽って、不思議で、おもしろい。 「愛する」とは何かを考えさせられたし、そこに行き着いた某の成長や姿に心を打たれました。

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2023/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【2023年114冊目】 大体あらすじを頭に入れずに読み出しちゃうことがほとんどなんですけど、いや〜不思議な小説でした。川上弘美さん、SFもお書きになるんですなぁと思ったけど、「蛇を踏む」もそうだったかもしれない。 主人公は突然この世に誕生した、というか存在が始まった、生命体。途中から、この生命体には個体名がつくんですけど、まあそれは置いといて。女子高生、男子高生、男性事務員とどんどんと変化していく主人公。変化する前の記憶は持っているのに、性質とかはがらりと変わるというのが面白いなと思いました。似通った性質を引き継ぐこともあれば、全く違った性質なこともあり。 確固たる己がない生命体の話だからこそ、物語全体を通してなんだか、ふわふわと包まれるような雰囲気があったのですが、かと言って話に芯がないわけではないのが、さすがでした。 マリあたりまでが生命体としては好きだったかな。 しかし、なんでこの生命体に対して殺意をもつ人間がいるのか、そこだけは説明がなかったのが残念でした。

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2023/09/20

主人公は、男でも女でもない、自分が誰かもわからない人物。 この人が色々な人物になるストーリーなのだが、特にスリリングな事があるわけでもなく、きっかけがあったりなかったりで人物が変化する。 ある時は高2の女子。 ある時は22歳の高校の事務員。 それが6人目まではなんとか読み進められ...

主人公は、男でも女でもない、自分が誰かもわからない人物。 この人が色々な人物になるストーリーなのだが、特にスリリングな事があるわけでもなく、きっかけがあったりなかったりで人物が変化する。 ある時は高2の女子。 ある時は22歳の高校の事務員。 それが6人目まではなんとか読み進められたが、途中で断念。 また時間が経過してから読み返すこともなさそう…記録として残します。

Posted byブクログ

2023/09/12

世界観は結構好き 初めの頃の某の不自然な口調がよかった 学生編がもう少し読みたい気もしたし、 途中まではスイスイ読めたけど後半がよくわかんなくなってしまった。 それと先生と水沢さんが自然にFOして寂しかった。哲学みたいな本でした。

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2023/06/19

ほかの誰でもない自分として存在するってどういうこと?とか、人を愛するってどういうこと?とか突き詰めて考えたくなる小説。ラストシーンに対する自分の解釈が固められずモヤモヤしているのは、まだその二つの問いに対する自分なりの考えを持ててないからなのかな?と思ったり。

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2023/06/10

誰でもない者、という架空の存在を題材にした作品。人間ではない存在が主人公であり、人を人たらしめるものは何かを第三者視点から理解することを試みる。 不思議な世界観に引き込まれます。

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2023/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「今の自分に納得いかなくて全く違う誰かになれたらいいのに……」「朝起きたら佐々木希になってますように……」「Twitterでの自分はキラキラOLで彼氏とも上手くいってて……」「転職先ではパリピとして振舞おう……」そんなふうに普段から思いながら生活をしているわたしにとって、とてもぴったりな作品でした。 そして、本当に愛する人ができた時に他の誰でもない自分でありたいと願ったり、その人のために生きたいとか命を投げ出したりとか、本当の愛について深く考えました。

Posted byブクログ