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の商品レビュー

3.6

48件のお客様レビュー

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2021/11/27

何者でもないものは特定の人になる度に生き方ががらっと変わる。 人間の生き方や個性って何者かを作り出す遺伝と言うものにとても大きな影響を受けているのだなあ。 どんな生き方をしても仲間と語り合うことを楽しみにしたり、趣味をもち、何かの成長を楽しみにしたりする。 理系(生物系)の...

何者でもないものは特定の人になる度に生き方ががらっと変わる。 人間の生き方や個性って何者かを作り出す遺伝と言うものにとても大きな影響を受けているのだなあ。 どんな生き方をしても仲間と語り合うことを楽しみにしたり、趣味をもち、何かの成長を楽しみにしたりする。 理系(生物系)の人はより感覚的に楽しめるかも。

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2021/11/22

「誰でもないもの」にまつわる物語。 わたしはマリの話が好きだった。 自分が「からっぽな存在」だと自覚したマリ。そしてそのマリと一緒に生きたナオ。 2人の、どこか満たされない悲しさが心に沁みた。 全体を通して、生きることや人間であることの苦しみや喜びを感じさせてくれる物語で、...

「誰でもないもの」にまつわる物語。 わたしはマリの話が好きだった。 自分が「からっぽな存在」だと自覚したマリ。そしてそのマリと一緒に生きたナオ。 2人の、どこか満たされない悲しさが心に沁みた。 全体を通して、生きることや人間であることの苦しみや喜びを感じさせてくれる物語で、面白かった。 川上弘美さんの持つ、不思議な世界観が好きだなぁと改めて思った。

Posted byブクログ

2021/11/14

人間のようで人間でない「誰でもない者」の話。 悪口じゃなく、むしろいい意味でよくわからない。 不思議。謎。 だけど、 “どうぞ、あなたの役を楽しんでください”という とんでもなく魅力的な 導入の一文に引っ張りこまれるように 400ページをほぼ一気読みしてしまった。 突如あらわ...

人間のようで人間でない「誰でもない者」の話。 悪口じゃなく、むしろいい意味でよくわからない。 不思議。謎。 だけど、 “どうぞ、あなたの役を楽しんでください”という とんでもなく魅力的な 導入の一文に引っ張りこまれるように 400ページをほぼ一気読みしてしまった。 突如あらわれた「誰でもない者」は 次々に別の人間へと変化していく。 SFチックな設定なのに なんだか薄ら寒いくらいリアリティーがあって、 自分を投影せずにいられないのはなぜだろう。 私の自我ってどこからきたの? なんのために生きてるんだっけ? 自分が自分である必要ってあるんだっけ? 死ぬって何?死んだらどうなるの? 僕は誰だ? そんなとりとめない、答えのない哲学的な問いを 考えずにはいられない。 SF設定は夢物語を描くためじゃなくて、 現実をより克明に描き出すために 存在してるんだと思った。 「誰でもない者」の人生への執着の薄さ、 自分のことなのに他人事みたいに冷静なとこ、 そうやって生きているうちは 死への恐怖も希薄なこと。 どこか、ゆとりとかさとりとか呼ばれる 我々現代の若者像を、 煮詰めて濃くした生物のように感じた。 ハルカになって春眠になってマリになって…… 筆者はなんのためにそうしたのか。 みのりが生まれた理由、ひかりが死んだ理由、 みのりと滅びゆく世界はこれからどうなるのか。 正直テーマもよくわからないし わからないことばかりが残る読了だけど、 だからこそ何度読んでも感じることが違いそうで、 新しい発見がありそうで、 むしろそのへんは読者に委ねられていそうで、 これはもしや、とんでもなく奥深い本なのでは? 現状初読は、 今はとりあえず自分の役を楽しむことにして、 いつか見つかるかもしれない 死ぬ理由=生きる理由を気ままに探し、 探すために人にも物にも好き勝手たくさん触れて、 なるべく多くのことを感じ取るようにだけ 努力しようと思ってる。

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2021/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

4.3 人が他人を必要とする理由が体感できたときに、「何者でもないもの」が「あるもの」になるのかななどと考えさせられた。 色々な人を経験していくことで、共感や他人を大事に思う気持ちを得ていく、主人公の変化を感じられた。 若干、変化する人が多すぎて、途中中だるみした気もした。

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2021/10/08

何者でもない者。 読み進めてみえてくる景色は、決して鮮やかなものではないけど、独特の空気に吸い込まれて行くように最後まで読み進められました。 次々に変化する主人公である某。 変化する度に似てないようで似ているところもあるし、アイデンティティや考え方が違かったりするのもこの作品の魅...

何者でもない者。 読み進めてみえてくる景色は、決して鮮やかなものではないけど、独特の空気に吸い込まれて行くように最後まで読み進められました。 次々に変化する主人公である某。 変化する度に似てないようで似ているところもあるし、アイデンティティや考え方が違かったりするのもこの作品の魅力のひとつかな。 ちょっと切ない場面もあるけどね。 この本を読み終えた後のスッキリ感を求めるならオススメはできない作品だけど、不思議な雰囲気を味わいたいなら、お勧めします。

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2021/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文庫でも表紙が変わらないんだ。この人の恋愛感覚とかセックスに対する姿勢とかが私にはなじみやすい。そのあたりは先生の鞄以来かなあ。

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2021/09/30

ある日突然発生した人の姿をした、某(ぼう) 時が経つと性別も年齢も変化させて別人となって 生きる某は、誰にでもなれるけど、誰でもない。 SF的な内容だけど、 変身を繰り返して生きる某たちは SNSのアカウントを変えて何人もの別人になりきれる 現代人のようにも思えるし、 変身を繰...

ある日突然発生した人の姿をした、某(ぼう) 時が経つと性別も年齢も変化させて別人となって 生きる某は、誰にでもなれるけど、誰でもない。 SF的な内容だけど、 変身を繰り返して生きる某たちは SNSのアカウントを変えて何人もの別人になりきれる 現代人のようにも思えるし、 変身を繰り返す某たちが変身をしなくなるときもまた、 人に重なるものがある。 始終、表紙のような灰色の静かな世界が 淡々と進む感じがとても好きな雰囲気でした。

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2021/09/26

この物語の主人公はなに者でもないモノです。 このなに者でもないモノは 姿かたち、年齢や性別を変えつつ、 世の中の片隅で生き続けます。 そんな彼ら彼女らの暮らしぶりが描かれています。 このなに者でもないモノは、 わたしたちの象徴であるような気がします。 自分がどんな人間であるかを...

この物語の主人公はなに者でもないモノです。 このなに者でもないモノは 姿かたち、年齢や性別を変えつつ、 世の中の片隅で生き続けます。 そんな彼ら彼女らの暮らしぶりが描かれています。 このなに者でもないモノは、 わたしたちの象徴であるような気がします。 自分がどんな人間であるかを 明確に答えられる人っているのでしょうか? 〝自分探し〟なんて言葉があるように、 多くの人は実は自分がなに者なのかわからないと 思っているのではないでしょうか? 自分がなに者であるのかを知ることが はたして必要なのかどうかもよくわかりません。 この物語に登場するなに者でもないモノたちは、 流されるように生きていて、 自分がなに者であるかなんて あまり気にかけないし、探ろうともしません。 もしかするとこれが人生を生きる正しい姿勢なのかも・・・ と思わせたところでラストシーンに突入。 死があるから命は美しい。 愛があるから生きていける。 これはそんな物語です。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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2021/09/19

「わたし」の記憶は病院の受付にいるところから突如始まる。 初めは単なる記憶喪失の女子高生の話かな、と思い、すぐに不穏な雰囲気に気づく。そうだった、この作者はいつも不穏なのだ、と。 ファンタジックなのに、読み手にさまざまなことを問いかける。 人は何のために生きるのか、人を愛するとは...

「わたし」の記憶は病院の受付にいるところから突如始まる。 初めは単なる記憶喪失の女子高生の話かな、と思い、すぐに不穏な雰囲気に気づく。そうだった、この作者はいつも不穏なのだ、と。 ファンタジックなのに、読み手にさまざまなことを問いかける。 人は何のために生きるのか、人を愛するとはどういうことなのか、そして死とは‥。

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2021/09/29

"綺麗事"としてよく聞く言葉。「人はいつでも、いつからでも、何者にでも変われるのだ。」 これが文字通り、変わることのできる生態系が存在したのならば? 某は確かに"何にでもなれる"けれど"何かになる"ことはきっとなかった...

"綺麗事"としてよく聞く言葉。「人はいつでも、いつからでも、何者にでも変われるのだ。」 これが文字通り、変わることのできる生態系が存在したのならば? 某は確かに"何にでもなれる"けれど"何かになる"ことはきっとなかった。誰になっても、何になっても、きっと自分が何者なのかはずーっとわからなかったのだと思う。個が個である理由はおそらく誰かに必要とされること。他者との関係を通して自分というものの存在意義を改めて考える機会になった。  

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