自分で名付ける の商品レビュー
ここまで強い想いではないから、私は名字を捨てたのでしょう。また、付帯物になってしまいたいという弱さがあったから。 でも思うところはわかる。わかるぞ。読まないと忘れてしまいそうな想いだけれど。
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『自分で名付ける』松田青子 松田青子さんの出産育児エッセイ!読まない手はない! ということでとてもよかった。最高である。 全ての悩める母親にオススメしたい。きっとスッキリする。そのパートナーの方にも。 * 妊娠出産はとにかく痛くて辛くてしんどいんじゃ、ということが初っ端か...
『自分で名付ける』松田青子 松田青子さんの出産育児エッセイ!読まない手はない! ということでとてもよかった。最高である。 全ての悩める母親にオススメしたい。きっとスッキリする。そのパートナーの方にも。 * 妊娠出産はとにかく痛くて辛くてしんどいんじゃ、ということが初っ端から綴られていて安定感抜群。つらくてしんどいということをもっともっと発信してほしい。 「母性」がわからない、とラストで語られていたけれど、子どもに対する姿勢がとてもフラット。エッセイ途中まで、子どもの三人称か「子どもの人」で進む。笑 全力で守り育てなければならない存在だけれど、その人間を形づくるのは自分だけではない。この先いろいろなものを吸収して大きくなっていく人間を、「保護する者」。 * 男らしさ、女らしさ、じゃなくて、その子らしさ。 * 松田さんはパートナーと結婚しておらず、事実婚だそう。結婚しない理由は、名字を変えるのが嫌だから。 病院で緊急時に病状を伝えられないとか、シングルマザーだけど男性と同居しているから児童扶養手当がもらえないとか、法的に家族でないことに起因するデメリットもたくさんでてくる。 本当に、既存の結婚制度は一度解体されないともうこの時代には合わないのだなと思う。 それでも結婚という枠組みにはまろうとする結果、誰かが嫌な思いをする。 * それにしてもこういう方がパートナーに選ぶくらいなんだから、この父親となる人はそれなりに諸々の事情について理解のある人だと思うんだけど、それでも妊娠出産期には理解不足からくる諍いがあって、なるほどそんなもんか、と思う。出産後にパートナーを嫌いになる女性が多くいるのも納得だ。 川上未映子さんのエッセイでも思ったけど、そういう違和感は言語化しないと伝わらないので、喧嘩してでも話し合っていく必要があるんだろうな。経験しようのない苦しみや痛みをただ想像しろ、察しろというのには確かに無理がある。 * 「自分で名付ける」松田青子 「きみは赤ちゃん」川上未映子 「ヨチヨチ父」ヨシタケシンスケ は私の中の三大出産育児エッセイです。 子どもを産み育てることになったらパートナーにはこの3冊をぜひ読んでほしい。必読課題図書。今のところ予定はないけど。
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これそう思ってた、そう思う! っていうことばかりで、改めて生きづらいことの多い世よ。 そんな中でも優しい人に出会えた時の喜びよ。 産んだ人も産む人も産めない人も皆読んでみて、考えてみて欲しい。 老若男女思うところはあるはず。
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彼女と異なることも多いが 同じ歳に息子を産んだという共通点もあり 考え方や感覚、世の中の常識に対しての疑いなど 8割ぐらい共感できる 数少ない子育てエッセイで 大変楽しく一気読みしました。
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著者の妊娠・出産・育児を、現在の日本社会の息苦しさを交えつつ軽快に語られてる。 きっと同じような状況の女性は共感しまくりなのではないだろうか。 私もそうであり、ここは違うなと感じるところもあり。 やっぱり都会と地方での子育ては違うので感じ方も違うのかな~ 最後のマンダロリ...
著者の妊娠・出産・育児を、現在の日本社会の息苦しさを交えつつ軽快に語られてる。 きっと同じような状況の女性は共感しまくりなのではないだろうか。 私もそうであり、ここは違うなと感じるところもあり。 やっぱり都会と地方での子育ては違うので感じ方も違うのかな~ 最後のマンダロリアンの話、同感。 あのベビー・ヨーダの乗ってるカプセル。あれ最高!
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結婚制度の不自由さ、無痛分娩のありがたみ、ゾンビと化した産後・・・など、妊娠、出産、子育てについて綴ったエッセイ。 普段生きている中で存在する理不尽さに、「それっておかしくない?」と違和感を覚える著者。 わかるわかる、と思いつつも、私は日頃そんな違和感に無意識に蓋をして生きてい...
結婚制度の不自由さ、無痛分娩のありがたみ、ゾンビと化した産後・・・など、妊娠、出産、子育てについて綴ったエッセイ。 普段生きている中で存在する理不尽さに、「それっておかしくない?」と違和感を覚える著者。 わかるわかる、と思いつつも、私は日頃そんな違和感に無意識に蓋をして生きている側の人間で、むしろ理不尽さに対して声をあげ続けてくれた人がいて改善された部分にフリーライドしているような人間で、だからこそ共感する気持ちがありつつも、どちらかというと憧れに近いものを抱きながら読み進めていた気がします。 今年の7月に刊行されたばかりだけあって、液体ミルクのことやコロナ禍のことなどタイムリーな話題も含まれていて、より楽しめる内容でした。 液体ミルクや予防接種もそうだけれど、子育て業界は日進月歩で変化が激しいというのは子育てに目を向けるようになって私も気付いたところ。 保育園の3歳児以上の無償化も本当にありがたいし、10年前に出産していたとしたら随分子育て事情は異なるよなあと思う。 著者が指摘するように女性中心の分野だったからこそ我慢させられていた部分は往々にしてあると思うけれど、今後男性も育児をするのが主流になってきたら、より良い方向に変わっていくだろうか。本来、男性が、とか女性が、とかではなく、子どもも子どもを育てる人も大事にされる社会であってほしいのだけれど。 松田さんの本は初めて読んだけれど、他の本も手にしてみたい。違和感に蓋をしながら生きていると、正直おかしいなと思うことに対して反応する精度も落ちてくる。あれもおかしいし、これはどうなんだ、と思いながら生きることは一歩間違うとすごくしんどくて、心のバランスを取っていかないと病んでしまう。おかしさに気付き闘うことは強さだと思うけれど、それは生まれつきのものというよりも、筋肉のように積み重ねて身についていくものな気がしている。 これから生まれてくる子にとっても生きやすい社会であるように、蓋をしておしまい、ではなく、真っ新な目で社会に目を向けられるよう意識していきたい、と思わされた。
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もうすぐ出産というタイミングで読んだ。 ほんとにそう!!!と一緒に声をあげたくなったり、私自身どうであったかとハッとさせられたり、今読んでおいてとてもよかったと思うし、産後もまた読み返したい。 例えば、出産にかかる費用のこと。無痛分娩や液体ミルクが主流にならないこと。そんな社会...
もうすぐ出産というタイミングで読んだ。 ほんとにそう!!!と一緒に声をあげたくなったり、私自身どうであったかとハッとさせられたり、今読んでおいてとてもよかったと思うし、産後もまた読み返したい。 例えば、出産にかかる費用のこと。無痛分娩や液体ミルクが主流にならないこと。そんな社会がまだ当たり前になっていること。本当に腹立たしい。 妊娠、出産は病気ではないというやつ。本当腹立たしい。病気だろ!保険対象であり、手厚く保障されるべき病気だろ!って私も強く思う。悪阻で仕事控えたら給料減るって何なの!?しかもその分出産手当育休手当減るって何なのその仕組み!!と、私も妊娠してから初めて知った理不尽なことの山。 出産にこんなにお金がかかるとは… これじゃ少子化が進むわけだよ… お金がない人は産むなって言ってるようなもんだよ… 夫婦別姓の件もそうだ。なぜこんなに嫌な思いをしてる人々がいるのに選択させない! 児童扶養手当の、同居男性がいるだけで除外されてしまうことも初めて知った。生活保護なども同じで、不正受給を防ぐためなんだろうけど、理不尽なことばかり。こんなの本当におかしい! 読んでいて、著者と一緒に憤っていた。 あと、ハッとさせられたのは、「ベビーカーをただのものだと思っている」と言う言葉。いまならそんなことないけれど、なんか自分でも思い当たるような気もする。"こっちが普通で何か邪魔になってるものは迷惑な障害物"という認識が私にもあったかもしれない。 それは「お腹を無視する人」も当てはまる。 私も妊娠中、気遣ってくれる人がいたらすごく嬉しかった。しかし妊娠前の自分はどうだったか?たぶんそのお腹や抱っこされた子どもを無視する人だった。それが「その人の資質」。ショックだけど、それが私の資質だったのだと気付かされた。 また、著者が最後に書いている「子どもの人生を仮止めしているだけ」という言葉が良かった。 名前、性別、容姿、全て子ども自身のものなんだよな。今は仮止めだけど、好きに変えていいよって思っていたい。 最後に、妊娠中、出産、子育てのエピソードやその時考えたことなど、全体を通して著者の冷静で堂々たる姿勢が読んでいてとても清々しかった。 私もこんな風に、ありがたいことは素直に受け止め、逆に違和感を感じたのなら、自分の気持ちに正直に堂々としていたい。
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“もし男性が妊娠する側だったら、もし男性が今の女性と同じくらい育児をしている社会だったら、液体ミルクなんてとっくの昔にコンビニで買えるようになっていただろう。今よりもっと安い値段で。節約を考えて、結局粉ミルクを使うということがないくらいの値段で。”(p.99) “だいたい、あ...
“もし男性が妊娠する側だったら、もし男性が今の女性と同じくらい育児をしている社会だったら、液体ミルクなんてとっくの昔にコンビニで買えるようになっていただろう。今よりもっと安い値段で。節約を考えて、結局粉ミルクを使うということがないくらいの値段で。”(p.99) “だいたい、あらゆることが心配でうわーってなったり、日々進化していく様に感動してうわーってなったり、なにかと、うわーってなる、この絶え間のないいろいろな気持ちを、私の気持ちを、「母性」にまとめられるって心外だ。知らんやろ、それぞれの人の、それぞれの気持ち。”(p.238)
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