自分で名付ける の商品レビュー
初めて松田青子さんの文章を読んだ。最初は独特な言い回しやひとつの文にたくさんのことが詰められているのに慣れなかったけれど、読んでいくにつれ、とても魅力的に思った。自分に正直で芯もあるけれど、客観的に社会を見て、おかしいところはおかしいのでは?と言えるところとか。 育児で自分の時間...
初めて松田青子さんの文章を読んだ。最初は独特な言い回しやひとつの文にたくさんのことが詰められているのに慣れなかったけれど、読んでいくにつれ、とても魅力的に思った。自分に正直で芯もあるけれど、客観的に社会を見て、おかしいところはおかしいのでは?と言えるところとか。 育児で自分の時間がなくなっているということを感じず、子どもといる時間が面白くてそれが立派な自分の時間になっているというところ、いいなと思った。 妊娠、出産、子育てとそれにまつわる生活について綴られていて、今までの固定概念や社会の「当たり前」のようなものを、自分の経験をもって本当にそうなのか?という視点で問い直し、「自分で名付ける」というところにすごく清々しさを感じた。が、名字のところ。私は自分の名字に特に思い入れはなく、むしろ結婚して名前を変えられるなんて面白い体験!名字変えてみたい!みたいな好奇心を抱いていたので、名字を奪われて、それが恨めしくペーパー離婚した方のお話を聞いて驚き(´-`).。oOいろんな考えや思いがあって良いと思うしそれは当然のことだと思うけれど、自分にとっての普通や当たり前は他の人にとっての普通ではないのだなと思った(・・;) 最近見た、ドラマでも「母性」について描かれていたけれど私も「母性」というひとつの言葉で一括りにされるのは違うと思う。「母性」というもの自体を否定したいわけではないが、普遍的なものにされるのは違和感を感じるというような感じ。 ◎優先座席を必要としている人に席を譲れないくらい疲弊してしまうのが「普通」の仕事ならば、それはやはりそれを「普通」にしている社会構造がおかしいだろうということだ→納得。
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綺麗事を並べたくてもやはり経験者の立場や気持ちは、未経験者には到底分からない部分も多いのが素直なところ。 ただ、リアリティしかない文体は、私も一緒に妊娠出産するような気持ちになれた。これまでなかなか寄り添えなかった妊婦さんやお母さんの大変さに、少しかもしれないが理解が深まった。 ...
綺麗事を並べたくてもやはり経験者の立場や気持ちは、未経験者には到底分からない部分も多いのが素直なところ。 ただ、リアリティしかない文体は、私も一緒に妊娠出産するような気持ちになれた。これまでなかなか寄り添えなかった妊婦さんやお母さんの大変さに、少しかもしれないが理解が深まった。 「優しさは想像力」だなぁとしみじみ思う。
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後半の章から、共感と納得の嵐でした。 妊娠して、妊娠・育児エッセイが読みたいと思い手に取りました。 妊婦になって気づく些細な気遣い、人の優しさ、その反面人の冷たさ。 特に街に出たときの電車や公共施設ではヒシヒシと感じることが多く、 妊婦だから優しくしろ!というわけでもなく。 こ...
後半の章から、共感と納得の嵐でした。 妊娠して、妊娠・育児エッセイが読みたいと思い手に取りました。 妊婦になって気づく些細な気遣い、人の優しさ、その反面人の冷たさ。 特に街に出たときの電車や公共施設ではヒシヒシと感じることが多く、 妊婦だから優しくしろ!というわけでもなく。 この絶妙な感じを文章にしてくれ、すっきりしました。 優しくしてくれた経験を自分の中で集めていく事が大事。うんうん。 妊婦で大変な不安なことが想像以上に多いけど、それ以上に新しい価値観が増えて この感じを楽しんでいこうと思いました。
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‣ 私は自由に生きているつもりはなくて、いろいろ窮屈に感じていることのほうが多いし、真面目に生きている。制度や「普通」の枠に収まっていないから自由、とするのはちょっと違う ‣ 育児中の女性たちの経験や気持ちは、育児本や育児エッセイ含めて、当事者たちの間で止まりがちで、関係のない...
‣ 私は自由に生きているつもりはなくて、いろいろ窮屈に感じていることのほうが多いし、真面目に生きている。制度や「普通」の枠に収まっていないから自由、とするのはちょっと違う ‣ 育児中の女性たちの経験や気持ちは、育児本や育児エッセイ含めて、当事者たちの間で止まりがちで、関係のない人は一切知らなくてもいいことに分類されているように感じる ‣ 「マザーズバッグ」とは不思議な言葉だ。育児をするのは母親だけではないので、「マザーズバッグ」と名付けられていることに首をかしげたくなるところもあるし、実際に、育児を担っている人の多くが女性であることも直ちに伝わってくる ‣ もし男性が育児をする側だったら、もし男性が今の女性と同じくらい育児をしている社会だったら液体ミルクなんてとっくの昔にコンビニで買えるようになっていただろう ‣本来こっちが正しいんやと引っ張り返す強い磁力が「母乳」にはあり、女性はしっかり心を決め、気持ちを強く持たないと、その真ん中で戸惑い、引き裂かれてしまう ‣ 大変さを知っている人たちだけがそれぞれのネットワークを形成していて、子どもが生まれてからは、そのネットワークに触れられる機会が増えている。でも、本来、そのネットワークを社会全体で共有できたら、どれだけみんな安心できるだろう ‣ ベビーカー=迷惑、が社会通念であり、ベビーカーを押している者は常に申し訳ない気持ちでいて、だから割り込んでも誰にも咎められないし、先に行かせてくれるのが当然とでもいうのだろうか。冗談ちゃうぞ ‣男の子用も女の子用もなく、好きなおもちゃや好きな色を手に取って遊べる雰囲気づくりを我々大人たちが社会として、コミュニティとしてできたら、今のようにはっきりとわかりやすい線はきっとぼやけるはずだ。そのほうが可能性が増え、生きづらい人が減るだろう。男の子の色とか女の子の色とかなくなればいい ‣ 小さな集まりには家族という単語を当てはめなくてもいいけど、法的に家族になりたい人たちだってたくさんいる。みんな待っている。人の人生は一度きりなのに、有限なのに、こんなにも長きにわたって、人々のシンプルな願いに反対し、踏みつけ続けることができるなんて信じられない ‣ 何かと、うわーってなる、この絶え間ないいろいろな気持ちを、私の気持ちを「母性」にまとめられるって心外だ。知らんやろ、それぞれの人の、それぞれの気持ち ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 38歳で妊娠・出産した松田青子さんの育児エッセイ。 最近、甥っ子が生まれたのでなんとなく手に取ったのですが、 この本は、妊娠中や子育中の人に共感し、 勇気づけたり、励ましたりするだけの本ではありませんでした。 日本で生活しているすべての人に読んで欲しいと思える一冊です✨ 世間にはびこる当たり前を当たり前のこととして受け流そうとしない著者の視点に、 日本社会の有り方を考えさせられました。ホントに…
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仕事と育児だったら仕事の方が楽だと私は思っている。育児はしたことないけど、想像すればわかる。 だって育児には定時がない。育児の相手には話が通じない。育児の相手は一方的に要望してくる。育児の相手は私の状況を考慮したりしない。ところ構わず泣き叫んだりする。 今の私はたぶん耐えられない...
仕事と育児だったら仕事の方が楽だと私は思っている。育児はしたことないけど、想像すればわかる。 だって育児には定時がない。育児の相手には話が通じない。育児の相手は一方的に要望してくる。育児の相手は私の状況を考慮したりしない。ところ構わず泣き叫んだりする。 今の私はたぶん耐えられない。女性は妊娠期間中に身体の変化と共に準備をしていくのかもしれない。 男性は?
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2020年の出産・子育てのリアルが松田さんの感覚で率直に綴られた1冊。 エンタメや製品の固有名詞も度々出てきて、これよかったよと教えてくれるガールズトークを聞いているような気分にもなった。大変だったことだけじゃなくて、嬉しかったこと、楽しかったこともちゃんと書いてあって、出産関係...
2020年の出産・子育てのリアルが松田さんの感覚で率直に綴られた1冊。 エンタメや製品の固有名詞も度々出てきて、これよかったよと教えてくれるガールズトークを聞いているような気分にもなった。大変だったことだけじゃなくて、嬉しかったこと、楽しかったこともちゃんと書いてあって、出産関係の感覚は千差万別だろうけど、希望ももらえる。 この本、もし自分が産むことになったら再読したいし、夫にも読ませたい。
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妊娠、出産、育児エッセイだけれど、それらの出来事から何か感じ入ってまとめられているわけではなく、ただ次々と思ったこと、起きたことが次から次へと羅列されていて、ママ友とのマシンガントークのようなイメージだった。 私は夫婦別姓や無痛分娩について強い想いはないので序盤の主張の強さには少...
妊娠、出産、育児エッセイだけれど、それらの出来事から何か感じ入ってまとめられているわけではなく、ただ次々と思ったこと、起きたことが次から次へと羅列されていて、ママ友とのマシンガントークのようなイメージだった。 私は夫婦別姓や無痛分娩について強い想いはないので序盤の主張の強さには少し辟易としてしまった。読みながら「これ、何の時間??」と。 でも育児パートが始まると、わかるわかる〜と共感が増えた。特に、育児グッズについて調べて選択することの大変さには首がもげるくらい頷く。ちょうど昨日は抱っこ紐カバーと頭ごっつん防止ヘルメット、今日はベビーモニターとセンサーを2〜3時間ずつ自分の時間を削って調べ、購入したところで、その間夫は携帯で自分の趣味のものを調べていてすっごく理不尽を感じたので「毎日調べて比較検討して決めることばっかりで、それがすっごく疲れるんだよね!!!」と受け売りの言葉を言ってみたが、余計空気が悪くなるだけだった。 あと、ベビーヨーダの映画見たい。
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語り口が軽妙で、読みながら自分の妊娠生活について思い出して共感したり、改めて言語化してもらったことでなるほどと納得したり、面白く読んだ。 わずか数ヶ月前まで当事者であった自分も、妊娠中、「妊婦」である自分を俯瞰的に見ていた。身体的な変化はもちろん、社会で妊婦はこんな扱いを受けてい...
語り口が軽妙で、読みながら自分の妊娠生活について思い出して共感したり、改めて言語化してもらったことでなるほどと納得したり、面白く読んだ。 わずか数ヶ月前まで当事者であった自分も、妊娠中、「妊婦」である自分を俯瞰的に見ていた。身体的な変化はもちろん、社会で妊婦はこんな扱いを受けていたのかと、世の中のお母様方すごすぎん?と、常に感じていた。 また、「子どもの人」が生まれてからの生活やパートナーに対する作者の考え方も、ああそれそれ、そうだよねと頷きたくなる部分が多かった。「子どもに関わることは、義務ではなく、権利」。我が家は育児を2人で行っている方だとは思うが、どうしても主担当・副担当という形になってしまっている。もっと面白みを感じながら主体的に参画するにはどうしたらいいのだろうか。(予防接種のスケジュールを調整したり描くスペースの足りない予診票をちまちま埋めたりといった作業に面白みを感じろというのもなかなか難しいのも分かる。) これを読む前から常々思っていたことだが、仮にパートナー関係にある2人のどちらが妊娠出産するか選べたとしても、私は相手に任せはしないと思う。 その理由は、産後すぐの頃までは、「こんなしんどい思いを相手にさせたくない、一生懸けても返せないとんでもない借りを作ることになる」からだったが、今では「こんなめったにない貴重な経験を逃したくない」という思いが強くなっている。 約10ヶ月の妊婦生活はとても長かったし、出産は人生で一番痛く、直後はかなり精神に異常をきたしてしまったけど、おなかちゃんが私の中にいてくれた日々はこの上なく愛しかった。(今でも、もう一度くらいお腹に戻ってくれてもいいのよ、と思うことがある。最も、もう7㎏を超えたこの子が入れるスペースも、出てこられるだけの道も私の身体にはないのだけど) 薄々思っていたことが、この本を読んで腑に落ちた感じがする。 私も、私たちの子どもの人と一緒に、この人を通して世界を見つめ直し、日々の成長を面白く感じながら育児をしていきたい。
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2024.1/24 文章が面白く一気読み。 フェミニズムを勉強してるのでしっくりくる言葉がたくさんあるけど、 最後の最後のエピソードが、他のママさんの悪口?って、少し不信感でした。。 ジェンダーを勉強してる人としてない人で、考え方は天と地ほど違う。 なので、「この人分かってない...
2024.1/24 文章が面白く一気読み。 フェミニズムを勉強してるのでしっくりくる言葉がたくさんあるけど、 最後の最後のエピソードが、他のママさんの悪口?って、少し不信感でした。。 ジェンダーを勉強してる人としてない人で、考え方は天と地ほど違う。 なので、「この人分かってないな」と批判するのは違うと思う。
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10数年前、私が二人目を妊娠中、当時時代劇にはまっていた小6の夫の姪に「二人目も女の子じゃにいに(夫のこと)は側室取らないとね」と言われたことを思い出した。 その姪に、女は跡継ぎ産んで一人前みたいな言われ方して、たいそうムカついたっけなぁ
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