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檸檬先生 の商品レビュー

3.4

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    3

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2024/08/05

在り来りな設定、在り来りな切り口。 独自性のかけらもない世間の一般論を、当世の共感を得るであろう形で書いただけの底の浅い作品だと感じた。読む価値なし。

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2024/08/04

表現が爽やかで文字たちの透明感がすごかった。 個人的には後半、疾走感のある終わり方だなと感じた。 少し謎が残るもやっとした終わり方だと思ったがこれもまた檸檬先生のミステリアスさを際立たせる。 少年報われて欲しい。

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2024/06/07

ラストシーンから始まるプロローグ。 その内容にただただ衝撃を受けた。 そしてそのラストシーンに向けて語られていく。 マイノリティに属する人間の生きづらさがひしひしと伝わってきた。 あまりにも切ない。

Posted byブクログ

2024/03/25

自由に書いている、という意味ではとても意欲的で挑戦的な作品だと思った。現代長編小説大賞?的な賞の受賞作とのことだけど、そのへんの秀作よりもこういう感じの小説が好まれるのかもしれない。 とりあえず自分の評価としては☆2つで決して高くない。 まずシンプルに読みにくい。文体は純文学よ...

自由に書いている、という意味ではとても意欲的で挑戦的な作品だと思った。現代長編小説大賞?的な賞の受賞作とのことだけど、そのへんの秀作よりもこういう感じの小説が好まれるのかもしれない。 とりあえず自分の評価としては☆2つで決して高くない。 まずシンプルに読みにくい。文体は純文学よりで、長ったらしい修飾語がだらだらとついていて情景が頭に入ってこない。文字や数字が色にみえてしまう「共感覚」を持った主人公ということで、なんとなく作者さんがやりたいノリは理解しつつも、よく言えば文学的、悪く言えば長ったらしいポエムみたいで苦手だった。 あとストーリーも短絡的だと思った。 共感覚、LGBT、ネグレクト……ザ「わたしって生きづらいんですよ?」的な要素を並べられてげんなり。『推し燃ゆ』、『コンビニ人間』しかり、話題になる純文学ってこういう要素で逃げる作品が多いから個人的にはあまり好きじゃない。 とはいえ、純文学をどれだけ愛しているかで本作の評価はけっこう変わると思う。詩が好きな人なんかも楽しんで読めるかも。 が、自分にはあまり合わなかった。というわけで☆2つ。

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2024/03/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 人とは違う共感覚を持ちその特異性故に虐められていた少年が、同じ悩みをもつ唯一の先生、檸檬先生に出会い、過ごす1年間の物語。  大人になれない先生と大人になっていく生徒の関係性は確かに、解説通り夏目漱石著の「こころ」を彷彿とさせる。  そういえば、どちらの先生も幽かに影を感じさせている描写があったりと思い出せば、共通項が幾つもあって面白い。それでいて結末に至るまでの道程が全く違うものになっているから尚更面白いところがある。  残念なことはひとつだけ、自分がこの本に出会うのに随分と時間がかかってしまったことだけだと思う。

Posted byブクログ

2024/03/01

少年の目線で語られる物語、なのに檸檬先生の生きづらさや悲しさ、嬉しさと孤独が痛いほど伝わる切ないお話でした。少年は先生に救われて上手に生きる術を身につけ彼女のもとを巣立ったのかもしれませんが、本当に救われたかったのは、ひと時でも救われていたのは先生の方なのでしょう。不自由ない裕福...

少年の目線で語られる物語、なのに檸檬先生の生きづらさや悲しさ、嬉しさと孤独が痛いほど伝わる切ないお話でした。少年は先生に救われて上手に生きる術を身につけ彼女のもとを巣立ったのかもしれませんが、本当に救われたかったのは、ひと時でも救われていたのは先生の方なのでしょう。不自由ない裕福な暮らしをしているように見えるあの人も、みんなが羨む美貌を持つあの人も、人とは分かち合えない息苦しさを抱えているのかもしれない。読了後、自分の周りの人達を見回して、改めて感慨気持ちになるような本でした。

Posted byブクログ

2024/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最期の叫び、鮮烈な赤、苦々しくも美しい檸檬色。 あんな場面にもかかわらず、脳裏に塗りたくられるこれらの色がとても美しかった。 共感覚というものの存在をこの小説を読んで初めて知ったが、主人公の語りを通して、こんな世界が見えるんだとまさに『世界観』を知ることができた。 音や色についてあんなに書けるなんて作者の語彙力というか技量がすごすぎる。 二人には他の人より共通点があったけど、違う人間同士だし、お互いを全く分かりきれない。だけど檸檬先生は自分だけを見てほしいと思っていた少年がまわりに馴染んでいく姿を見て寂しく思うし、まわりにも本当の自分を理解してくれる人がいないことに気づいていたし、何も作れないというか、残せないと思って最後の結末に辿りつくのがとても辛くてやるせない。少年の『好き』の意味を知れていたら結末は違ったかもだけど、でも檸檬先生はそもそも『好き』を知らなくて受け取れなかったのだからやっぱりこの結末に辿り着く。檸檬先生がやっと自分を全開にできたんだなって。 最後のセリフの一人称に心が震えた。 (2023.7.)

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2024/01/19

学校でいじめを受けている2人には、ある共通点があった。それは様々なものが色で見えるということ。 学校や家の複雑な環境で育った2人が、文化祭の展示を通して周りに、自分の見えている世界を伝えていく話。 他の人よりも色に敏感であったり、数字でさえも色で見えるというところが不思議であり、...

学校でいじめを受けている2人には、ある共通点があった。それは様々なものが色で見えるということ。 学校や家の複雑な環境で育った2人が、文化祭の展示を通して周りに、自分の見えている世界を伝えていく話。 他の人よりも色に敏感であったり、数字でさえも色で見えるというところが不思議であり、それと環境にもがく2人に素敵だけれど大変な世界を垣間見ました。

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2023/11/14

言葉が織り成す数々の色がとても美しい。 先生の檸檬色がとても魅力的だった。 冒頭が鮮烈なので、読み進めるなかで度々やるせない気持ちになった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第15回小説現代長編新人賞受賞作。 世界が、色づいている。 小説現代長編新人賞、史上最年少受賞! ...

言葉が織り成す数々の色がとても美しい。 先生の檸檬色がとても魅力的だった。 冒頭が鮮烈なので、読み進めるなかで度々やるせない気持ちになった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第15回小説現代長編新人賞受賞作。 世界が、色づいている。 小説現代長編新人賞、史上最年少受賞! 十八歳の作家が放つ、鮮烈なデビュー作。 私立小中一貫校に通う小学三年生の私は、音や数字に色が見えたりする「共感覚」を持ち、クラスメイトから蔑まれていた。ある日、唯一心安らげる場所である音楽室で中学三年生の少女と出会う。檸檬色に映る彼女もまた孤独な共感覚者であった。

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2023/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

共感覚の描写等の説明が多くて、色彩がつく世界を見るのを楽しむ小説と感じました。その中で、夏、秋は物語が進むので面白かったです。父がいい人で良かった。 描写の説明が官能的なシーンがあった為、ラストについてもそのような描写をするのではないかと思い、怖かった。素直なハッピーエンドでも良かったのではないかと思う。

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