ブルーもしくはブルー 新装版 の商品レビュー

山本文緒(著者)

2023/02/08

NHKドラマの原作
立場が入れ替わっても、自分の本質や他人との関わり方を変えなきゃ、結局は幸せは掴めない

2023/01/03

2023.1.3 読了。
偶然立ち寄った博多で昔の恋人を見かけた蒼子が見たのは、彼に寄り添った自分そっくりの「蒼子」だった。名前も顔も同じなのに、ある時から別々の人生を歩む2人となり１ヶ月だけ互いの生活を入れ替わる試みをする。

グイグイと引き込まれ一気に読んでしまった。
色々な意味で怖い。
「もしもあの時〜」がの願いが叶い憧れの生活を互いに手に入れたように見える2人の蒼子だが、舞台の照明には必ず影ができると言わんばかりの結果が待っている。
2021年時点の現代社会の問題も踏まえつつ的確で秀逸な柚木麻子の解説も読み応えがすごくある。
この作品は男性読者と女性読者でも好みや心に残るところが変わってきそう。
自分を殺しながら生きることと自分を大切にしながら生き抜くことの難しさも描かれているように感じた。

自分を大切にしよう。そう感じる一冊。

2022/12/02

もしあのとき、選ばなかった方の人生はどうなっていただろう。
知る由もないそんなifを体現するこの小説。

誰もが羨む暮らしを送りながらも、夫に愛されず満ち足りぬ日々を送る佐々木蒼子は、昔の恋人・河見を偶然見かける。彼の傍には自分そっくりのもう一人の「蒼子」。
彼女の生活に興味と羨みが膨らみ、佐々木蒼子は河見蒼子に一ヶ月だけ入れ替わる提案をするが……

2022/11/30

無い物ねだりの主婦(愛人のいるハイスペ旦那と都内のタワマン住み)が、同じく無い物ねだりの自身のドッペルゲンガー(自分だけを愛してくれるDV男と福岡でひっそり暮らしている)と出会い、お互いの生活を入れ替えることになる。

人間全てを手に入れることは不可能なので、自分が本当に欲しているものは何なのか、それまでの人生に想いを馳せ今の自分の心に問いかけてみると良い。
意外ともう持ってたりするからね。
(この本の主人公たちはそもそもそれすらも持っていなかったわけだが、生活を入れ替えたところで手には入らなかった。だって入れ替わった相手が自分だもの。)

✏自分自身を正しく愛することは搾取から逃れる最良の手段であり、それはそのまま身近な場所にいるよく似た誰かの手を取ることに直結する。

2022/11/28

この人といたらどんな人生になるのかな、あの人といたらどんな人生になっただろうか、と一度は考えたことがあるけどいざ手の前にその、選択しなかった自分がいたらどんなに怖いだろうなって思いました。
いいところだけを見てしまうからきっと羨ましくなったり、失敗したなって思ったりもするんだろうなぁ。

2022/11/23

この小説の舞台って
少し前の時代の日本の話なんだけど
女性の生き方って、この２０年くらいで
自由になったよね…
出産育児介護で振り回されることはあっても
やり方をまだ「選べる」時代になった。
男性優位で振り回されても我慢するしかない
そんな時代が確かにあったんだな。。
解説にそんなこと書かれてて
はっとした。

納得して選んだ相手でも
やっぱり不満が出てしまうのは
いつの時代もおんなじ( ´-｀)

二人の蒼子の心理描写に共感して、
最後まで手に汗握る展開で面白かった。

蒼子が好きな事を思い出して
自分らしく羽ばたいていく未来だと
いいなぁ。

2022/10/28

何かを決め、選択する場面は日常に溢れている。そんな中で、人生の岐路の大選択は１、２度あるかないかでは？　

蒼子は満たされない結婚生活を送っていた。
選ばなかった男性との人生の方が、幸せになっていたのではないか⁈ そんな強い思いが引き寄せたように、もう1人の自分に出会う。

もしあの時…と過去を振り返る人は多いに違いない。私も然り(≧∀≦) 幸せな想像と妄想に浸っているだけのほうが正解のようだ。

初版は1996年、モラハラやDV、ネグレクト…大きく改善されていないことが悲しい。2021年新装版、解説:柚木麻子氏。

2022/05/22

あの時、もし自分が別の男性を選んでいたら…そんな彼女はある日、もう1人の自分に出会ってしまう。

ある意味SF
面白い〜

2022/03/26

視点を変えながら交互に進んでいく物語は続きが気になってなかなかやめ時が難しかったです。こういう物語（ホラーでありミステリー）は初めて読みましたが、面白かったです。どのような結末を迎えるのだろうと思いましたが、自分としては納得の結末でした。

2022/01/13

面白かった〜！
隣の芝生はどうしたって青いし、特に蒼子Bは足るを知らないとずっとぐるぐる何かを追う羽目になる。
初めて読んだテーマだったけどドッペルゲンガーについて興味を持った。