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ブルーもしくはブルー 新装版 の商品レビュー

3.6

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

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2024/09/03

自分と姿形が同じドッペルゲンガーと出会ったら‥ から始まる物語。 自身にベクトルを向けて生きる。 与えて欲しかったら、先に与えよ。 がメッセージかな? 隣の芝は青く見える(ブルー) とはこのことか。 個人的に印象に残っているのは 蒼子が自身の「殺意」に気づく場面。 人生の中...

自分と姿形が同じドッペルゲンガーと出会ったら‥ から始まる物語。 自身にベクトルを向けて生きる。 与えて欲しかったら、先に与えよ。 がメッセージかな? 隣の芝は青く見える(ブルー) とはこのことか。 個人的に印象に残っているのは 蒼子が自身の「殺意」に気づく場面。 人生の中で初めて誰かを殺したいと感じるまでの数行がリアル。 ここで理性が勝てなければ人を殺すという行動になるんだと感じた。 もう少し年齢を重ねてから読むとまた印象は変わりそう。

Posted byブクログ

2024/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブルーもしくはブルー 山本文緒 ∞----------------------∞ ドッペルゲンガーって同じ人物だというのを初めて知った。 自分の分身に会ったら、気味が悪いなぁ。仲良くなれるかは分からないけど、自分の深層心理を知れるかも。 でも究極の2択を迫られたこともないので多分居ない。 蒼子Aと蒼子Bは考えてる事はきっと同じで、自分の嫌なところが相手に見えてた。 男の見る目のなさももちろん共通してる。DVとかモラハラとかはもちろん酷いけど、最後に分かったのは2人とも愛されてるけど愛していないということ。それが夫達にも分かってそういう行動を導いてしまったから、悪いのは夫達だけでは無い。 なるほどなと思った。確かになぜ夫をずっと苗字呼びしてるのかも気になってた。 最後に蒼子Bは離婚を選択するけど、夫はそれを拒否し、逆に蒼子Aは離婚はしたくないが夫に迫られてる。ちょっと違う道を選んでるところが、同じ人とはいえ環境が違えば考え方が変わってくるのかなとも思えた。 2024/08/31 読了(図書館)

Posted byブクログ

2024/06/17

「君の顔では泣けない」 の瀧井朝世さんの解説に 君嶋さんが小説を書き始めるきっかけの本と紹介されていた 先日、ひまわり師匠が読書していると時折思ってみない繋がりがあるとかなんとかそんな事を書いていたと思うけど ほんとそういう偶然だか必然って時々ありますよね 私もつい最近「ブルーも...

「君の顔では泣けない」 の瀧井朝世さんの解説に 君嶋さんが小説を書き始めるきっかけの本と紹介されていた 先日、ひまわり師匠が読書していると時折思ってみない繋がりがあるとかなんとかそんな事を書いていたと思うけど ほんとそういう偶然だか必然って時々ありますよね 私もつい最近「ブルーもしくはブルー」を読んでいたんです♪解説読んでて ほおってなりました 1992年出版で30年前の作品 読み始めて山本文緒さんとしては思い切った設定に驚き タイムトラベルでなく 並行世界でもなく 自分が決めた結婚相手が違った場合の ドッペルゲンガー的if 自分の今に満足するかは、自分次第ということか 相手の男性達に当然否定されるべき事実があるにも関わらず、敵対していくのは、自分同士 女達の戦いになっていく ファンタジーにあらず、ですね 自分にわからない幸せに奔走していき瓦解していく 怖! 幸せは相手によるものだけでないというところだけど 高収入、愛人あり夫 vs 低収入、DV込深愛男 私は 前者で(*☻-☻*)

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2024/05/15

自分とそっくりのもう一人の「蒼子」が過去に選ばなかったもう一つの人生を生きてて、ある時その二人が出会い、互いにもう片方の生活を1ヶ月間生活していく物語。「過去に違う選択をしていたら?」という自分にないものを相手が持っていることに人は揺さぶられ、でも実際試してみると「やっぱり元の方...

自分とそっくりのもう一人の「蒼子」が過去に選ばなかったもう一つの人生を生きてて、ある時その二人が出会い、互いにもう片方の生活を1ヶ月間生活していく物語。「過去に違う選択をしていたら?」という自分にないものを相手が持っていることに人は揺さぶられ、でも実際試してみると「やっぱり元の方がいいや」となったりして、すごく蒼子という人物の感情が揺れ動く文章に惹かれた。相手に求めるが故に不満が大きくなりすぎて、与えてもらったことに感謝しないこと(当たり前になっている)がないようにしたい。

Posted byブクログ

2024/05/11

 佐々木を選んだ蒼子と河見を選んだ蒼子が出逢い、互いの生活を入れ替えるストーリー。2人の蒼子と河見、佐々木の嫌な部分が強烈に描かれており、特にDV夫・河見のクズぶりが酷い。ドッペルゲンガーという題材が懐かしく、終わり方も希望がほの見えて好き。巻末の柚木麻子さんの解説もまた良い。本...

 佐々木を選んだ蒼子と河見を選んだ蒼子が出逢い、互いの生活を入れ替えるストーリー。2人の蒼子と河見、佐々木の嫌な部分が強烈に描かれており、特にDV夫・河見のクズぶりが酷い。ドッペルゲンガーという題材が懐かしく、終わり方も希望がほの見えて好き。巻末の柚木麻子さんの解説もまた良い。本書とドラマ版のラストの違いに対して感じられた違和感の正体。女性の不平等を礼賛するドラマ版は観ないでおこう。

Posted byブクログ

2024/05/03

もう一人の自分が、過去に自分が選択しなかった方の人生を生きていた、そして自分ともう一人の自分が期間限定で入れ替わって生活してみる、と言う設定がまず面白くて、内容も期待を裏切らないストーリー展開であっという間に読めた。 エンターテイメントを期待していた自分としては、もう少し入れ替...

もう一人の自分が、過去に自分が選択しなかった方の人生を生きていた、そして自分ともう一人の自分が期間限定で入れ替わって生活してみる、と言う設定がまず面白くて、内容も期待を裏切らないストーリー展開であっという間に読めた。 エンターテイメントを期待していた自分としては、もう少し入れ替わり期間中の様子、ハプニング、ドタバタ展開などがあったら良かったなぁと思ってしまった。 どちらかと言うと、しっかりとしたメッセージ性のある社会派小説といった感じかな。 人生に満足感を見出せるかどうかは気持ちの問題、隣の芝は青い、的なことなのかなとも感じだけど、解説を読むに、社会での女性の在り方など、社会的もしくは時代的背景といったもう少し大きな問題を取り扱っている様だった。

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2024/04/22

蒼子が入れ替わるまでは、あまり面白味を感じなかったけど、入れ替わってからはハラハラする展開で、結末も気になり一気読み。 身勝手でヒステリックな蒼子Aにかなりイラついた。 あの時あっちを選んでいれば‥も結局は、 隣の芝生は青く見えるというだけ。

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2024/03/07

主人公、自分勝手過ぎる。実父とかありえない…!DVは許せない。DVを諦めているのももどかしい!好きになれる登場人物が見事に一人もいない!! だけど、ミステリーやサスペンスのようなドキドキ、ハラハラがありストーリーは面白くて引き込まれた。最後の終わり方は主人公にもやっとしたけど、そ...

主人公、自分勝手過ぎる。実父とかありえない…!DVは許せない。DVを諦めているのももどかしい!好きになれる登場人物が見事に一人もいない!! だけど、ミステリーやサスペンスのようなドキドキ、ハラハラがありストーリーは面白くて引き込まれた。最後の終わり方は主人公にもやっとしたけど、そこも妙に現実的で良かった。

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2024/02/27

その昔、NHKでドラマをやっていた。覚えていたのはタイトルと主題歌の『元気を出して』で内容は全く覚えていなかった。 大人になって改めて原作を読んでみたが、結末が悲劇的だ。記憶の断片的には明るい幕引きだった印象がかすかにあったので、解釈違い?記憶違いだった。 ただそれも解説を読...

その昔、NHKでドラマをやっていた。覚えていたのはタイトルと主題歌の『元気を出して』で内容は全く覚えていなかった。 大人になって改めて原作を読んでみたが、結末が悲劇的だ。記憶の断片的には明るい幕引きだった印象がかすかにあったので、解釈違い?記憶違いだった。 ただそれも解説を読んで納得。結末が原作とドラマで違ったのだ。 『恋愛中毒』の時も思ったが、主人公の性格が必ずしも良くない分、等身大の生身の人間が描かれている、山本文緒の作品は。 自分を成り立たせているものは、本来の性格的な要素と今おかれている環境下での思考が多分にある。

Posted byブクログ

2024/01/29

人生において、「もしあの時、別な選択をしていたら? あの人を選んでいたら?」 それを知ることが、幸せなのだろうか? メビウスの輪のように表が裏で、裏が表になる自分自身への問いかけの物語。 自分と、もう一人の自分 そんな2人の主人公を通じて心を痛め、想いや後悔があればあるほど、つの...

人生において、「もしあの時、別な選択をしていたら? あの人を選んでいたら?」 それを知ることが、幸せなのだろうか? メビウスの輪のように表が裏で、裏が表になる自分自身への問いかけの物語。 自分と、もう一人の自分 そんな2人の主人公を通じて心を痛め、想いや後悔があればあるほど、つのる気持ち、、 そんな揺れる心の内を山本文緒さんは輝く言葉で描いてくれています。 「別な選択をした自分」それも紛れもなく自分自身、、「どうして、そんな事するの? 何で分からないの?」 その言葉はまさに自分自身に対してなのでした。 光の当たる方と影、自分の本当の気持ちが上手く表現できないからそこ、誤解があり、後悔があり、、 そして本当に大切なものに辿り着く2人の自分。 そこには小説の中の登場人物でありながら、自分自身であるように感情が移入してしまいます。 そんな素敵な作品を残してくれた山本文緒さんに、心から感謝です。

Posted byブクログ