すみれ荘ファミリア の商品レビュー
面白い 住民のそれぞれの悩みがまったりと解決されながら ずっと最後まで芥の真相にハラハラして楽しめ作品だった
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一言に、面白かった。 読了後の感触が本当に良かった。 知ってしまえば、知らなかったころには戻れない。(作中の言葉) まさにその通りで、本屋大賞受賞するのもわかる気がする。
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私が本の世界に入り込んだきっかけが凪良ゆうさんだったから読んだけどさすがって感じだった。優しすぎる一悟と感情表現が苦手な小説家の芥。独特な雰囲気が二人を包むその感じが言葉では言い表せない感じでとても好きだった。一悟が言った「夢もない。希望もない。きみの痛みがわかる、わかりたくない...
私が本の世界に入り込んだきっかけが凪良ゆうさんだったから読んだけどさすがって感じだった。優しすぎる一悟と感情表現が苦手な小説家の芥。独特な雰囲気が二人を包むその感じが言葉では言い表せない感じでとても好きだった。一悟が言った「夢もない。希望もない。きみの痛みがわかる、わかりたくないけれどわかってしまうのだ、と。」私は今まで、分かりたいけれどどうしたって君の思いは分からない、という言葉の方が聞いてきたからこの言葉がすごく綺麗で本を知らなかった私に戻ったみたいでどうしようもなくこのページから進めなかった。話の内容もアニメのような展開じゃなくてすごくリアルで、現実で人間って汚いなと思う反面、だから綺麗に見えるんだろうなとも思った。芥がどんなつもりで火事の中入っていったのかは分からないけれど、確かにそこには兄弟の愛があって、それに気づかないだけであってこれから知っていくんだろうなと思うとすごく嬉しかった。何を考えているのかわからない独特な雰囲気だからこそこの二人に吸い込まれていった。 美寿々の性格が自分の中では一番好きだった。女だからこその苦しさとプライド。それを全て曝け出した上で割り切って関係を持つ彼女がすごく綺麗だと思った。 人にはそれぞれプライド・考え方・愛があって、捻じ曲がることもあればまっすぐな人もいる。でもそれはいつ曲がるかも分からないし、もしかしたらそのまま枯れてしまうかも知れない。読み終わった後の表紙の絵が読みはじめる前の本と少し違って見えた。
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賄いつきの下宿、すみれ荘。大家である母親の代わりに、大家代理として、住み込みで食事を作っている和久井一悟とその下宿人たち。そして、一悟の自転車にぶつかってきて、手を怪我をしたから、小説を書く仕事を手伝って欲しいとすみれ荘で暮らし始めた芥は、本当は何者なのか。昔ながらの下宿での、一...
賄いつきの下宿、すみれ荘。大家である母親の代わりに、大家代理として、住み込みで食事を作っている和久井一悟とその下宿人たち。そして、一悟の自転車にぶつかってきて、手を怪我をしたから、小説を書く仕事を手伝って欲しいとすみれ荘で暮らし始めた芥は、本当は何者なのか。昔ながらの下宿での、一つ屋根の下の物語は、人情噺かと思いきや、意外にシビアな展開に。一悟も下宿人たちも、そして芥も、陰に何かを抱えている。それでも、ラストは明るい気分で読み終われて良かった。本作は、再文庫化に当たって加筆修正され、スピンオフ短編も収録。
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ヒトを愛しいと思っていても、 自分がいちばん大事だというケースはたくさんあるようで、 切ない祈りと暗い呪縛は本当によく似ている。
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そもそも闘うための武器が武器の形をしているとは限らない。人によっては甘い菓子だったり、宝石だったり、ぬいぐるみの形をしている。美寿々の闘いを自分の抱える諦観と同じにとらえ、簡単に同調した自分がひどく底の浅い人間に思えた。 あたしは最低な人間で、こんな自分が嫌いだけど、自己憐憫は...
そもそも闘うための武器が武器の形をしているとは限らない。人によっては甘い菓子だったり、宝石だったり、ぬいぐるみの形をしている。美寿々の闘いを自分の抱える諦観と同じにとらえ、簡単に同調した自分がひどく底の浅い人間に思えた。 あたしは最低な人間で、こんな自分が嫌いだけど、自己憐憫はしないから。 いらないものを切り離したいだけなのに、必要なもので離れてしまう。 罪を犯した人間が、悪人であるとは限らない。罪は罪で、悪は悪で、愛は愛で、単純であってくれればらくなのに。 親子にだって相性ってものがあるんだよ。 すべての母親は無条件に子供を愛する、母性とはそういうものだという意見をよく見かける。素晴らしい。理想的だ。けれど行きすぎれば現実の方が居場所をなくす。聖母像からはみ出した母親が意思を投げられない場所がどこかにあればいいと思う。 読ませるなー、凪良さん!最初はあれ?と思ったけど、どんどん放り込んできたな。青子さん怖すぎ・・・と思いきや、みんながみんな色々あって怖いわほんま。結局美寿々だけがまだまともやったのでは?
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初読みの作家さん。 何気ない下宿の日常を描いたものかと思いきや、何やらキナ臭い方向へ物語は進んでいき… 「愛情」とは、かくも恐ろしきものかな。というのが率直な感想。 極端な愛は、毒にもなる。 そんな物語を見せつけられた後に収録された後日譚の彼女は、一変して無機質な印象。よく出来た...
初読みの作家さん。 何気ない下宿の日常を描いたものかと思いきや、何やらキナ臭い方向へ物語は進んでいき… 「愛情」とは、かくも恐ろしきものかな。というのが率直な感想。 極端な愛は、毒にもなる。 そんな物語を見せつけられた後に収録された後日譚の彼女は、一変して無機質な印象。よく出来たアンドロイドのようで、不気味さが読後感に漂う。 他の作品も読んで見たい。
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一つの事柄も、さまざまな角度、それぞれの視点から見れば、全く違うものになる。 なかなかキツイ話ではある。主人公の和久井さんが、どちらかというと深刻なタイプじゃないから、重苦しさはないけれど、事柄だけ並べたらかなりダーク。とりあえず丸く収まったような…。 にしても、ほんと色々なタイ...
一つの事柄も、さまざまな角度、それぞれの視点から見れば、全く違うものになる。 なかなかキツイ話ではある。主人公の和久井さんが、どちらかというと深刻なタイプじゃないから、重苦しさはないけれど、事柄だけ並べたらかなりダーク。とりあえず丸く収まったような…。 にしても、ほんと色々なタイプの人が一筋縄じゃいかなくて、それがもつれ絡み交わいぐちゃぐちゃになりながら解けていく様が、読む手を止められませんでした。
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すみれ荘という名の下宿。ほんわかとバランスよくうまくいっているようにみえる素敵な雰囲気のすみれ荘。でも実はそれぞれ抱えている闇や弱さがわかってくる。人はわからない。たくましくてしたたかで、でも複雑で弱くて悲しくて。それでもやっていくんだよ、関わりながら。優しさと悲しさと毒が共存し...
すみれ荘という名の下宿。ほんわかとバランスよくうまくいっているようにみえる素敵な雰囲気のすみれ荘。でも実はそれぞれ抱えている闇や弱さがわかってくる。人はわからない。たくましくてしたたかで、でも複雑で弱くて悲しくて。それでもやっていくんだよ、関わりながら。優しさと悲しさと毒が共存していて不思議と光もみえる。凪良さん、いいね。
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すみれ荘の管理人を勤める一悟は、入居者たちと慎まやかに穏やかな日々を送っていた。 そこに幼い頃、生き別れになった弟が現れて…。 タイトルから勝手にほのぼのとした下宿ライフを想像していた。 読み始めると「こ、怖い…!」 おばけよりも怖いのは人間。 怯えながらも読了。 行き過ぎた好意...
すみれ荘の管理人を勤める一悟は、入居者たちと慎まやかに穏やかな日々を送っていた。 そこに幼い頃、生き別れになった弟が現れて…。 タイトルから勝手にほのぼのとした下宿ライフを想像していた。 読み始めると「こ、怖い…!」 おばけよりも怖いのは人間。 怯えながらも読了。 行き過ぎた好意、執着心、親であっても子供を平等には愛せない。 PMSへの理解の無さ、SNSの闇。 不可解な人の心が垣間見えた。
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