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すみれ荘ファミリア の商品レビュー

4.1

356件のお客様レビュー

  1. 5つ

    113

  2. 4つ

    154

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2022/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私がファンタジーやホラー小説、SFなどよりも現代日本を舞台にした社会を読むことが多いのは、作者によって作り上げられた世界やルールに潜り込むまでに時間がかかったることがあるのが理由だが、現代日本を舞台にしていれば登場人物たちをすんなり受け入れられるかどうかはまた別問題だったりもする。 そこはその作家の文体や、広げられた世界観との親和性に依るものだからだ。 凪良ゆうという作者の作品に今年初めて出会い、今回の『すみれ荘ファミリア』で4冊めになるけれど、ここまで私自身との距離感を近く感じた作家は本当に数えるほどしかいない気がする。 どんな本もあらすじさえ知る前から「大丈夫」と思えるのは、本当にありがたい。 今回も、決して下宿や登場人物たちの境遇、環境や性格年代性別が今の自分と近いわけでもないのに、薄い膜1枚隔てた「だけ」の「隣で起きている」話として読み進められた。 私にとって、どこか辻村深月と同じような感覚になった。 物語の感想としては、結び目ひとつを解いたら何もかも崩れてしまった、という感じで起こる出来事事件の連なりがページを捲るのを急かされた。 1番好きだったのは美寿々ちゃんが二代目(下宿近くの勘違いした居酒屋店主)の時代錯誤な考えをPMSで死んでる状態にも関わらず(その状態だからこそむしろ遠慮のかけらさえなく)完膚なきまでに叩きのめすシーンで、 1番心に刺さったのは青子さんと芥が教会で「ありのままの自分」について会話するところだった。 あと文庫化にあたり収録された短編の前の作者のあとがきで触れられていた、「ある人における面の顔と裏の顔」の話。 決して読後感がいいとは言えないものの、「これにておしまい、めでたしめでたし」なことなんて本当はないもんなぁ、と当たり前なことを言われた気がした (とはいえ普段は物語の中でくらい救われたいのでめでたしが好きだけど)

Posted byブクログ

2022/11/02

主人公は子供の頃から身体が弱い。だけどその分優しいしお人好し。 それゆえになのか、彼の周りで事件が起こる。それでも彼はやっぱり優しい。すごいことだなと思う。 すみれ荘の住人はその人それぞれの軽くはない事情を抱えている。そんな人達に対しても主人公は優しい。 そんな主人公だから読んで...

主人公は子供の頃から身体が弱い。だけどその分優しいしお人好し。 それゆえになのか、彼の周りで事件が起こる。それでも彼はやっぱり優しい。すごいことだなと思う。 すみれ荘の住人はその人それぞれの軽くはない事情を抱えている。そんな人達に対しても主人公は優しい。 そんな主人公だから読んでる私も心配で気になってどんどん読んでしまった。笑

Posted byブクログ

2022/11/02

下宿すみれ荘の家族と住人の話を読んで 世の中には、非難したり文句ばっかり言ってる人がいる そうやって自分の心のバランスをとっているのだろうけど、そのことで他人を傷つけている 相手を傷つけているのに気づかないのか、傷つけたくてそんな言動をしてるのか 白黒つけない、あいまいのまま...

下宿すみれ荘の家族と住人の話を読んで 世の中には、非難したり文句ばっかり言ってる人がいる そうやって自分の心のバランスをとっているのだろうけど、そのことで他人を傷つけている 相手を傷つけているのに気づかないのか、傷つけたくてそんな言動をしてるのか 白黒つけない、あいまいのままがいいこともある 突き詰めて考えて、その考えに囚われてギチギチになって苦しんで、結果周りにあたったり、逆に内省して心を病んでしまったり 余力を持ったグレーな感じが心地よい お人好しと言われる管理人の一悟に魅力を感じるのはそういうことだと思う あとがきも、そのあとにある短編も良かった もう一度読み直したい一冊

Posted byブクログ

2022/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

子供の頃は漫画の影響で下宿に憧れがあったが、今となっては他人と共同台所も一緒の食卓も有り得ない。いや、他人でない親兄妹とだってゴメンだと思ってしまう。 身内の問題は他人と異なり、簡単に切ってしまえないのでタチが悪い。物語の中であまり大事にされてはいないが、青子さんが怖すぎた。 一悟くん、これからは元気で娘さんや弟さんと暮らせると良いね。2人との空白の時間を埋めて、余りあるほど3人には幸せになってもらいたい。

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2022/10/29

みんな明るく暮らしているように見えて、実はどうしようもならない環境や黒い感情に悩まされているのかもと最近良く思う事がある。 私自身、人に自分の暗い部分を言えない。それは今いる雰囲気や、人の気持ちを悪くしてしまう気がして。だからこそ、その人に対しての顔っていうのが生まれるんだと...

みんな明るく暮らしているように見えて、実はどうしようもならない環境や黒い感情に悩まされているのかもと最近良く思う事がある。 私自身、人に自分の暗い部分を言えない。それは今いる雰囲気や、人の気持ちを悪くしてしまう気がして。だからこそ、その人に対しての顔っていうのが生まれるんだと思う。 和久井さんの知らない所で、周りの人が色んな気持ちになったり、色んな事が起きていたりしたけれど、それを知る事があるんだったら、気づいた時に行動を起こせるようになりたい。

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2022/10/06

ヤバい、なんか凄い凪良ゆうさんにハマってるように思われたらどうしよう 最新作の『汝、星のごとく』も手元にあるし ブクログのサイン本プレゼントにもエントリーしたし 客観的に言ってもどハマリ中だけどそんなことはない(なぜそんなに頑なか) それにしても最後の短編は余計だったと思うの...

ヤバい、なんか凄い凪良ゆうさんにハマってるように思われたらどうしよう 最新作の『汝、星のごとく』も手元にあるし ブクログのサイン本プレゼントにもエントリーしたし 客観的に言ってもどハマリ中だけどそんなことはない(なぜそんなに頑なか) それにしても最後の短編は余計だったと思うのだがどうだろう? あれがなければ★5だったんだけどな 登場人物がみんな何かしら壊れていた 壊れている人間だけでちょっと感動的な物語を成立させてるのがすごい 深く考えるとサスペンスホラーだ 深く考えないようにしよう 壊れてる人ばかりなので誰ひとり共感できない ただそれぞれに少し理解できる部分もなくはない 壊れていない人間なんていないからなのかもしれない 人はみな結局は欠陥品なのだ

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2022/10/03

人は多面的で、誰もが"◯◯さん用の自分"を使い分けてる。近しい相手の自分には見せない顔が見えたときって、きっと気まずくなったり怖くなったりするんだろうな。それが家族なら余計に。 後日談に他作品のあの人が出ていたので嬉しくなってしまった。

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2022/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間の本心というか裏面が怖い・・・ サブタイトルが読んだことのある作品で。 アンダーカレントとイマジナリーは知らなかったけど、漫画なのかな。 登場人物がみんないろいろ抱えているけど、どんどん鬱屈がひどくなって 最初の人たちなんてまともなもんだ・・・って思えてしまう笑

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2022/09/30

一気読み。人物が好き。人は表の顔と裏の顔がある。大変怖い。小説は書いていないことを後だしする事があり、嘘だろ!と罵ったりする。それもまた楽しい。

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2022/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人は感情があるからこそ幸せである。 果たしてそうなのか? 感情によって我を忘れ、苦しみ、もがき、毒を盛り、火をつける… 感情のない男は、大変だなぁとその様子を俯瞰して見る。 人間として、喜怒哀楽はあったほうがいいのか、ない方が苦しまなくて済むのか、考えさせられた。

Posted byブクログ