すみれ荘ファミリア の商品レビュー
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芥くんが現れてくれて、よかった。にしても、姉御肌で、いい人だと思っていたあの人が、実は仕組んでいたなんて、びっくり。 奪われた10~20年は、もう取り戻すことはできないし、そんなことがなければ、桜子さんとの幸せな生活があったのかと思うと、すごく切ない。 現実世界でも、親の態度、行動で、そんなことがあり得るのかもと思うと、子どもとの相性はあれど、覚悟を持って親になることが必要だと改めて思った。 凪良ゆうさんの作品、いろいろ考えさせられ、いろいろ共感し、そんな受け取り方もあるんだ、と感じ、読書の楽しさを味わう。やっぱり、とても好きな作家さんだな。
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愛ゆえに、人は、、 誰でも一人ひとり思いがけなくて、時には他人からも理解されることのない、大きなドラマを抱えている。 すみれ荘での日常が綴られていく中で、それぞれが抱えているものが明らかになっていく。 表だけでは見えない心に抱えているものはみな意外で、、
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この作品も引き込まれるように夢中になって読みました。 主人公は、下宿の管理人一悟、幼いころから病弱であったが故にこの職業についている。下宿人はそれぞれ個性ある3人だったが、両親の離婚によって生き別れた弟と思われる小説家も住むようになる…。 読み始めてすぐは、この下宿人たちが繰り広...
この作品も引き込まれるように夢中になって読みました。 主人公は、下宿の管理人一悟、幼いころから病弱であったが故にこの職業についている。下宿人はそれぞれ個性ある3人だったが、両親の離婚によって生き別れた弟と思われる小説家も住むようになる…。 読み始めてすぐは、この下宿人たちが繰り広げる日常のあれこれかと思っていましたが、読み進めると、だんだんミステリとかサスペンスのようになってきて…すごく面白かったです。 【作中で気になった文章】 ・『世界は面倒ごとであふれている。けれどあらゆる面倒な仕事や人間関係のしがらみこそが、自分を支えていたりもする。』 ・『神さまは人にとって無駄なものはなにもお与えにならない。冬が長く続き、きみの心は植物の種のように眠っている。けれどいつかふたたび芽を出す。それまで、神さまが慈しんで作った君のすべてを大事にしなさい。』
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第三者には見せない顔、他人には知られたくないことは誰にでも1つや2つはあるだろう。 親しい家族や友人だからこそ知られたくない部分もある。 墓場にまで持っていくつもりの自分のこと。 それらが誰かによって紐解かれる時、人は黙って受け入れるか頑なにほどかれるまいと抵抗するか。 ...
第三者には見せない顔、他人には知られたくないことは誰にでも1つや2つはあるだろう。 親しい家族や友人だからこそ知られたくない部分もある。 墓場にまで持っていくつもりの自分のこと。 それらが誰かによって紐解かれる時、人は黙って受け入れるか頑なにほどかれるまいと抵抗するか。 それぞれ、どういう反応をするのかな? 自分はどうだろう。 管理人と小説家。いい関係性。
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【2022.11.11追記】 ほのぼのファミリー話かと思ってたら、めっっっっちゃドロドロ。後日譚までどろっどろ。笑 でも凪良ゆうさんの作品は憎しみすら美しく見えることがある、、、ありのまま憎しみをつらっと書いてくれると心にすっと入ってくる気がする。 本編読んでからの後日譚、ライトでディープな伏線回収が全部一悟くんに繋がって、思わずうーわ!と声が出ました。。。 でも一悟くんはまたもや知らなくて、央二くんだけが悟ってて、その上編集さんの秘密まで、、うーーーーーーーわ。 愛ゆえに、人は。 愛ゆえに頑張れることも生きる糧になることもあるけど、愛は人を壊すし絶望にも落とすし、愛が人を殺す動機になることもある。 人間である以上誰もが陥る可能性のある愚かさ、不完全さを客観的に見てる気持ちになった。 私が見てるその人だけが全てじゃないしその人が見てる私だけが全てじゃない、他人の奥深くまではわからないと思い知らされる。。。 美寿々ちゃんの自分との付き合い方、央二の感情のなさに救われる場面も多々あった。 美寿々ちゃんがマシンガンのように話しまくったシーンすかっとしたなー。 後日譚でわたしの美しい庭の統理くんが出てきたの嬉しかった! というわけでやっぱり星は5
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登場人物の心情や言動がリアルで引き込まれました。 人物像がとても掘り下げられていて良かったです。もしかしたら世に出てない設定などもあるのかもしれません。 ほのぼの系かなと思っていましたが人間の負の感情が渦巻くお話でいい意味で裏切られました。 作品としては1冊でまとまっていますが、...
登場人物の心情や言動がリアルで引き込まれました。 人物像がとても掘り下げられていて良かったです。もしかしたら世に出てない設定などもあるのかもしれません。 ほのぼの系かなと思っていましたが人間の負の感情が渦巻くお話でいい意味で裏切られました。 作品としては1冊でまとまっていますが、登場人物それぞれにスポットが当たる短編のような構成なので読みやすかったです。 他の作品も読んでみようかな。
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一悟(主人公)がとにかくお人好しなところがとてもよい。美寿々ちゃんのロックな生き方もとても好き。愛と憎しみは紙一重。
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流浪の月を読んで「めちゃめちゃ面白い!」ってなり、凪良ゆうさん二冊目。 表紙とタイトルからなんとなくほのぼのした話かなーっと思って読んでみたら全然そんなことなかった。きれいごとで終わらない、なんとも複雑な人間の心が描かれていて面白かった。
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私がファンタジーやホラー小説、SFなどよりも現代日本を舞台にした社会を読むことが多いのは、作者によって作り上げられた世界やルールに潜り込むまでに時間がかかったることがあるのが理由だが、現代日本を舞台にしていれば登場人物たちをすんなり受け入れられるかどうかはまた別問題だったりもする。 そこはその作家の文体や、広げられた世界観との親和性に依るものだからだ。 凪良ゆうという作者の作品に今年初めて出会い、今回の『すみれ荘ファミリア』で4冊めになるけれど、ここまで私自身との距離感を近く感じた作家は本当に数えるほどしかいない気がする。 どんな本もあらすじさえ知る前から「大丈夫」と思えるのは、本当にありがたい。 今回も、決して下宿や登場人物たちの境遇、環境や性格年代性別が今の自分と近いわけでもないのに、薄い膜1枚隔てた「だけ」の「隣で起きている」話として読み進められた。 私にとって、どこか辻村深月と同じような感覚になった。 物語の感想としては、結び目ひとつを解いたら何もかも崩れてしまった、という感じで起こる出来事事件の連なりがページを捲るのを急かされた。 1番好きだったのは美寿々ちゃんが二代目(下宿近くの勘違いした居酒屋店主)の時代錯誤な考えをPMSで死んでる状態にも関わらず(その状態だからこそむしろ遠慮のかけらさえなく)完膚なきまでに叩きのめすシーンで、 1番心に刺さったのは青子さんと芥が教会で「ありのままの自分」について会話するところだった。 あと文庫化にあたり収録された短編の前の作者のあとがきで触れられていた、「ある人における面の顔と裏の顔」の話。 決して読後感がいいとは言えないものの、「これにておしまい、めでたしめでたし」なことなんて本当はないもんなぁ、と当たり前なことを言われた気がした (とはいえ普段は物語の中でくらい救われたいのでめでたしが好きだけど)
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主人公は子供の頃から身体が弱い。だけどその分優しいしお人好し。 それゆえになのか、彼の周りで事件が起こる。それでも彼はやっぱり優しい。すごいことだなと思う。 すみれ荘の住人はその人それぞれの軽くはない事情を抱えている。そんな人達に対しても主人公は優しい。 そんな主人公だから読んで...
主人公は子供の頃から身体が弱い。だけどその分優しいしお人好し。 それゆえになのか、彼の周りで事件が起こる。それでも彼はやっぱり優しい。すごいことだなと思う。 すみれ荘の住人はその人それぞれの軽くはない事情を抱えている。そんな人達に対しても主人公は優しい。 そんな主人公だから読んでる私も心配で気になってどんどん読んでしまった。笑
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