臨床の砦 の商品レビュー
コロナ禍の最前線で戦う医療従事者の姿。 まさに命がけでコロナに立ち向かう病院の知られざる記録。 昨年だけに留まらず今年も何度も緊急事態宣言が発令した。 去年は、リモートでの仕事が増えていたにも関わらず今年に入っては世の中も慣れが見えてきた。 しかし、医療の現場ではまだコロナ...
コロナ禍の最前線で戦う医療従事者の姿。 まさに命がけでコロナに立ち向かう病院の知られざる記録。 昨年だけに留まらず今年も何度も緊急事態宣言が発令した。 去年は、リモートでの仕事が増えていたにも関わらず今年に入っては世の中も慣れが見えてきた。 しかし、医療の現場ではまだコロナと戦う医師や患者もいる。 コロナは、肺を壊すだけではなく心も壊す。 厳しい状況を行政は無関心である。 小説として書かれているが、もっともっと切迫していると思った。
Posted by
実際の医療従事者の文なので説得力がある。情報番組こぞって飲食店の味方ばかりの放送でいささか腹立たしさを感じていた。 まずは、大変なのは医療従事者である事をもっと放送すべき! メディアを使って政府への国民感情を煽るのではなく、医療従事者の苦悩を1番に世の中に伝えるべきだと思う。
Posted by
長引くコロナ感染症、緊急事態宣言など、私自身も含めてコロナへの警戒感はどんどん弱くなっている(慣れてきてしまっている)ように思います。 先日、ラジオ番組で著者、夏川草介氏が登場し、本書が紹介されました。 日常生活では、もはや危機感(恐怖)をもって過ごしている人は少なくなっている...
長引くコロナ感染症、緊急事態宣言など、私自身も含めてコロナへの警戒感はどんどん弱くなっている(慣れてきてしまっている)ように思います。 先日、ラジオ番組で著者、夏川草介氏が登場し、本書が紹介されました。 日常生活では、もはや危機感(恐怖)をもって過ごしている人は少なくなっているのではないかと思います。感染者数や重症者数などがニュースで報告されますが、「医療崩壊」といわれてもあまり現実感がない、というのが正直なところなのではないでしょうか。 本作品では、2020年のコロナ発生から2021年の年明けごろまでの日本の医療状況が描かれています。 現場での(第一線での)病院の疲弊する様子がリアルに描かれていますし、通常の(コロナ以外の病気の)治療が行われる(健康な生活が保障されている)ためにも、マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染対策をおろそかにしない、ということを改めて意識させられます。 主人公が、いかなる状況でも冷静に行動しており、その信念(負の感情のクラスターに感染しない)には大いに共感しました。なかなか難しいことですが、感情的に(離れたところから、苦労している当事者の実際を知りもしないで)批判することだけは避けたいと思います。
Posted by
コロナ禍の現場。個人のギリギリの努力で持ち堪えている。離れた場所でジャッジして好き勝手言うだけだったり、自分の近くで起こってることなのに他人事であってはいけないよね。
Posted by
臨場感溢れる文章に、これが現実なんだろうなぁと感じた。コロナウイルスに対してどう対応していくか、どこまでがやり過ぎなのか、なんてことを考えるきっかけになった。
Posted by
新型コロナが蔓延し始めた信州の中堅病院を舞台に、理不尽な環境の中必死で戦っていた医療従事者たちの奮闘を描いた小説。フィクションだけれど、限りなくリアルなストーリーにぐいぐい引き込まれた。 本当は★5にしたいけれど、大病院でもコロナ患者の治療に必死で戦っている方達もいるので、あえて...
新型コロナが蔓延し始めた信州の中堅病院を舞台に、理不尽な環境の中必死で戦っていた医療従事者たちの奮闘を描いた小説。フィクションだけれど、限りなくリアルなストーリーにぐいぐい引き込まれた。 本当は★5にしたいけれど、大病院でもコロナ患者の治療に必死で戦っている方達もいるので、あえて★-1にしました。 コロナの感染が始まって早1年半。状況は刻々と変化しているけれど、医療従事者の方々の懸命な努力にはただただ感謝あるのみです。
Posted by
読むにつれて悲しくなるのは何故か。 長野県で地域医療に従事している医師で作家の著者。「現実そのままではないが、嘘は書いていない」というコメントをネット記事で見かけた。同県内の感染症指定医療機関に勤め、新型コロナの第3波で「医療崩壊」ともいえる状況に直面した経験を小説にしたという...
読むにつれて悲しくなるのは何故か。 長野県で地域医療に従事している医師で作家の著者。「現実そのままではないが、嘘は書いていない」というコメントをネット記事で見かけた。同県内の感染症指定医療機関に勤め、新型コロナの第3波で「医療崩壊」ともいえる状況に直面した経験を小説にしたという。 汗をかきたくない、考えたくない、やり過ごしたい政治家の方々、表面だけを捉えて不安を煽るだけの大多数の報道機関、こういう現実を自分の目で見てほしい。それでも、同じ態度で居られるのか? 地域で唯一の感染症指定医療機関という設定の信濃山病院で、最前線でコロナと闘う医師の敷島が主人公。発熱外来を訪れる患者、その中から入院が必要と診断される患者、保健所からの入院要請、どれもが急増する中で、もがき続ける医師、看護師とスタッフ。高齢者施設で発生したクラスター、認知症の陽性患者の入院受け入れ、そしてついに院内感染が発生。みんな、先が見えず、ギリギリのところで頑張り続けている。 患者が急増するとどうなるか、ベッドが用意できないなら、入院させるレベルを引き上げるしかない、そして、筑摩野中央医療センターに搬送できるレベルも上がる、それは信濃山で看取ることの決断になる。 第3波でも、患者の状態と自覚症状のアンバランス、急変する容態などから、「得体のしれない」と表現されている新型コロナだが、第1波を振返る場面の過酷さは凄い。完全に正体不明、感染形式、治療法、予後、後遺症、隔離の方法も明確でなく、患者の受け入れが決まった感染症指定医療機関には、恐怖心が広がった。それでも、正しいと信じて、諦めずに、やることを続けている医療機関と従事者の方に敬意を払いたい。一方では、受入れを拒み続けている医療機関もあるというが。
Posted by
どこか他の国の出来事のように報道されている「医療逼迫」「医療崩壊」の本当を知ることができる一冊。 このコロナ禍に生きるすべての人が読むべき本だと思う。 2020年2月から続くコロナを取り巻くこの状況を、現役医師である著者や夏川作品に出てくるイチさんはどんなふうに見ているのか知り...
どこか他の国の出来事のように報道されている「医療逼迫」「医療崩壊」の本当を知ることができる一冊。 このコロナ禍に生きるすべての人が読むべき本だと思う。 2020年2月から続くコロナを取り巻くこの状況を、現役医師である著者や夏川作品に出てくるイチさんはどんなふうに見ているのか知りたかった。 この本は小説だけど、著者の医師としての実体験や実感が込められているものだと強く思う。 むしろ小説にしたことで、多くの人にコロナという「戦」の悲惨さが、リアリティをもった映像として伝わるのではないかと思う。 著者はこのコロナを取り巻く状況を「戦」に例えている。 「この戦、負けますね……」 「圧倒的な情報不足、系統立った作戦の欠落、戦力の逐次投入に、果てのない消耗戦」 「かつてない敵の大部隊が目の前まで迫っているのに、抜本的な戦略改変もせず、孤立した最前線はすでに潰走寸前であるのに、中央は実行力のないスローガンを叫ぶばかりで具体案は何も出せない」 まさに、同じだと思った。 大切な人がもし同じように「戦争」に出兵しなければならなかったり、「カミカゼ」にならねばならなかったら…ゾッとする。 この本は、中央にいる政治家にこそ知ってほしい現場の声だと思った。 「この未曾有の大災害の中で、多くのひとが、静かに耐え続けている。…声を上げない人々は、すぐそばに当たり前のようにいる。苦しい毎日に静かに向き合い、黙々と日々を積み上げている」 著者の過激ではないが、静かに、だけど確かに強い言葉が胸に刺さる。 総裁選で戦ってる場合ではない。 「自分だけが辛いと思えば、人を攻撃するようになる。自分だけが辛いのではないと思えば、踏みとどまる力が生まれる」 それが三笠先生にとっての論文だったように、私にとってこの本がそんな存在になった。 あっという間にクラスター化する負の感情と距離を置ける敷島先生はかっこいい。 心ではいろんなことを考えながらも、冷静に穏やかに。 その人がいるだけでなんだか安心できて、落ち着くことができる。 なかなか難しいことだけど、そんな敷島先生を目標に、当たり前のいつもの日常を大切に生きたいと思った。
Posted by
「負の感情のクラスター」「コロナは心も壊す」 実際に最前線にいる著者だからこその重みある言葉だと思います。 第3波の頃の1ヶ月間が書いてあります。その後第4波、第5波と続いてますます現場の医療従事者は疲弊していることでしょう。 自分の周りに誹謗中傷をするような人がいないこと...
「負の感情のクラスター」「コロナは心も壊す」 実際に最前線にいる著者だからこその重みある言葉だと思います。 第3波の頃の1ヶ月間が書いてあります。その後第4波、第5波と続いてますます現場の医療従事者は疲弊していることでしょう。 自分の周りに誹謗中傷をするような人がいないこと、職場がいち早く出来うる範囲のゾーニングや感染対策を行ったこと、それだけでもだいぶ恵まれているんだろうなぁと思いました。
Posted by
自分の無知さと甘さが恥ずかしい。頭を殴られたかのよう。医療現場にいない1人でも多くの人がこれを読んだ方がいい。コロナという災害に立ち向かう知恵を絞らなければ。
Posted by