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臨床の砦 の商品レビュー

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2021/04/23

これは私たちの身近で起こっている恐怖、でもよく知らなかった恐怖。 コロナが世界で、日本で発症してからの、その第一波、第二波、第三波の中、必死で戦い続けている医療従事者。 対応も対策も、何もわからない手探り状態で、それでも患者を、その命を守るために働き続ける最前線の彼らのことを、...

これは私たちの身近で起こっている恐怖、でもよく知らなかった恐怖。 コロナが世界で、日本で発症してからの、その第一波、第二波、第三波の中、必死で戦い続けている医療従事者。 対応も対策も、何もわからない手探り状態で、それでも患者を、その命を守るために働き続ける最前線の彼らのことを、私たちはあまりにも知らなさすぎるんじゃないか。 毎日、ニュースは告げる。感染者数を、重症患者数を、そして死者数を。それで一喜一憂して、もう一年以上も経つ。 いい加減な言説に惑わされ右往左往してきた一年。ニュースで流れる数字が少なくなれば、もう大丈夫だと気が緩む。でもそのせいでひっ迫していく医療現場。 医療現場が崩壊しそうだ、ではない、もうすでにずっと崩壊していたんだ。なのに、逃げ続ける大病院。経済対策を先行しようとする政治家。彼らには彼らの論理があるのだろう、でも、今、変わらなければ本当の負け戦になってしまう。 「これは医療小説ではありません。コロナウイルスとの、戦争の記録です」と夏川草介は書く。 現場で、何が起こっていたのか、何が起こらなかったのか。 第四波がひたひたと押し寄せている今、私たちは急いでこの小説を読まなければならない。 読んで、考えるべきだ。 敷島先生や、三笠先生、千歳先生、そして多くの看護師たちの必死の戦いから、学ばなければならないのだ、今すぐに。

Posted byブクログ