臨床の砦 の商品レビュー
信州の200床ほどの小さな病院がコロナのうけいれ病院としての病院スタッフの奮闘を描いたドキュメント小説。現在のコロナの医療側に立った内実と医者の矜持だけで働いている姿を描く。 NHKドラマ化しないかな。
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コロナ渦の最前線医療現場のリアルを描いた小説。実際の医師が書かれてるわけでフィクションであってフィクションでないような。 自粛なんてしてられるかウェーイな人たちに読んでもらいたいけどそんな人はそもそも読まないでしょうね。きっと。 ただあれなんですよ。自分も医療従事者で。最前線では...
コロナ渦の最前線医療現場のリアルを描いた小説。実際の医師が書かれてるわけでフィクションであってフィクションでないような。 自粛なんてしてられるかウェーイな人たちに読んでもらいたいけどそんな人はそもそも読まないでしょうね。きっと。 ただあれなんですよ。自分も医療従事者で。最前線ではないもののなかなかにそれなりにしんどい毎日を送っているんですよ。そんなときに趣味の読書でもって少しでも癒されたいというか元気になりたいなーという時に手にとって読んだんですが、まあ、あれです。そういう時に読む本ではなかったな。
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リアルに逼迫した医療現場を描かれていた。コロナの時代に超特急で仕上げられたのか、全ての人に読んで欲しい。
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「特定の立場から無闇と大きな声を上げることには、危険が伴うのではないかという思いが常にある」p.104 「我々は確かに過酷な状況にあります。しかし、だからといって、過激な発言をしていいわけではない」p.117 過激ではない手段で、この落ち着いた文体で、 筆者は現状を世に伝えよ...
「特定の立場から無闇と大きな声を上げることには、危険が伴うのではないかという思いが常にある」p.104 「我々は確かに過酷な状況にあります。しかし、だからといって、過激な発言をしていいわけではない」p.117 過激ではない手段で、この落ち着いた文体で、 筆者は現状を世に伝えようとしている。 本の持つ力を信じている、というか、信じたく、 筆者なりの方法で伝えようとしている。 1冊の本はどこまで届くだろう。 ユーモアや温かさはかろうじて残っているけれど、この作品の役割として、現状を淡々と描写せざるを得ない。 筆者にこのような物語を書かせたこの状況がもどかしい。
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長野の信濃山病院でコロナ感染症対応に奮闘する敷島医師らを描いた作品。コロナ禍において「正解はないが財前はある」の言葉は重い。策のない政治家や官僚はもちろん、「売上半減」「補助金よこせ」の飲食店、「ワクチン撃ったのでゴルフに来ました」「若いし大丈夫だと思って来ちゃいました」…外出を...
長野の信濃山病院でコロナ感染症対応に奮闘する敷島医師らを描いた作品。コロナ禍において「正解はないが財前はある」の言葉は重い。策のない政治家や官僚はもちろん、「売上半減」「補助金よこせ」の飲食店、「ワクチン撃ったのでゴルフに来ました」「若いし大丈夫だと思って来ちゃいました」…外出を我慢できない人たちに読ませたい。
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長野県の医療機関で新型コロナの第3波と戦う医師らの姿を描いた作品。 感染者数が毎日、過去最高を更新しているまさに、現在、読むべき作品です。 現在感染者数は一昨日東京で五千人超、全国で一万五千人超という非常事態を迎えています。 「仮にワクチンが有効だとしても、世の中に行き渡るの...
長野県の医療機関で新型コロナの第3波と戦う医師らの姿を描いた作品。 感染者数が毎日、過去最高を更新しているまさに、現在、読むべき作品です。 現在感染者数は一昨日東京で五千人超、全国で一万五千人超という非常事態を迎えています。 「仮にワクチンが有効だとしても、世の中に行き渡るのに、あと数か月はかかりますね。気の長い話です」 「それまで、僕らはカミカゼということかい」 「本当にカミカゼみたいな目に遭うのは私たち以上に、外来に来ている患者さんだと思います」 この作品が描かれる以前に医療の逼迫を優先して考えるべきか、経済をまわすべきかという議論になっていたGoToキャンペーンなどもありました。 また、東京五輪を開催すべきかどうかという話もありました。 今、感染者が急増しているのは五輪とは直接関係ないとは思います。 でも、この作品を読んで医療現場の現実を目の当たりに知れば、両方とも医療を優先すべきが、正しい答えであることが歴然とすると思います。 苛酷すぎる医療現場の実態がこの作品には描かれています。 「ベッドの使用率五十パーセントの長野県がこのありさまだ。八十パーセントを超えている東京は地獄なんだろうね」 私事で恐縮ですが、私の一番上の姪がこの春かねてからの希望であった看護師になるための学校に入学しました。付属の大学病院は大々的にコロナ患者受け入れをしている病院です。 入学してすぐに医療従事者の枠でワクチンは打ったということですが、このコロナの時代にあえて看護師の道を選んだ彼女を誇りに思うと同時にとても心配しています。途中でやめたくなるのではないかとか、まだ、先ですが看護師の子どもはいじめに遭うということもこの作品に描かれていました。 早くこの異常な、まるで戦時下のような、コロナの時代が収束することを願ってやみません。
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新型コロナウィルス感染症に応対する地方病院の奮戦を描く作品。医療従事者がどんな思いで未知の感染症に対処しているのかが極一部ではあろうけれどよく分かる。本当の怖さが知られる一冊。
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+++ 緊急出版!「神様のカルテ」著者、最新作 「この戦、負けますね」 敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。医療従事者たちは、この一年、...
+++ 緊急出版!「神様のカルテ」著者、最新作 「この戦、負けますね」 敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。医療従事者たちは、この一年、誰もまともに休みを取れていない。世間では「医療崩壊」寸前と言われているが、現場の印象は「医療壊滅」だ。ベッド数の満床が続き、一般患者の診療にも支障を来すなか、病院は、異様な雰囲気に包まれていた。 「対応が困難だから、患者を断りますか? 病棟が満床だから拒絶すべきですか? 残念ながら、現時点では当院以外に、コロナ患者を受け入れる準備が整っている病院はありません。筑摩野中央を除けば、この一帯にあるすべての病院が、コロナ患者と聞いただけで当院に送り込んでいるのが現実です。ここは、いくらでも代わりの病院がある大都市とは違うのです。当院が拒否すれば、患者に行き場はありません。それでも我々は拒否すべきだと思うのですか?」――本文より +++ 令和三年の年明けからひと月あまりのコロナ対応最前線を描いたドキュメント小説である。涙なくして読めない。医療現場の苛烈さは、想像以上のすさまじさで、医療従事者の方々の、死をも覚悟した奮闘ぶりに、いくら言葉を尽くしても足りないほどの感謝の気持ちをささげたい。それとは裏腹に、行政の切迫感のなさには、地団太を踏みたくなるほどのいら立ちともどかしさを覚える。現場の状況をあまりにも解っていなさすぎて、哀しくすらなる。本作は、一旦小康状態になった所で終わっているが、現在の状況を見れば、医療現場のさらなる過酷さは推して知るべしであり、わが身の危険ももちろんだが、現場の医療者のみなさんの安全を祈らずにはいられない。いま読むべき一冊だと思う。
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本のカテゴリーを選ぶ時、「ノンフィクション」を選びたくなるくらい、リアルな小説。 この本を2021年2月に脱稿し、4月に緊急出版するなんて、この作者は二足のわらじを片方を脱いで、作家一本に絞ったのかと思いました。 ですが違いました。著者は医師を続けており、新型コロナ診療に関わり続...
本のカテゴリーを選ぶ時、「ノンフィクション」を選びたくなるくらい、リアルな小説。 この本を2021年2月に脱稿し、4月に緊急出版するなんて、この作者は二足のわらじを片方を脱いで、作家一本に絞ったのかと思いました。 ですが違いました。著者は医師を続けており、新型コロナ診療に関わり続けているそうです。 コロナ診療をしながら小説を書くなんて、人が出来る業なのか?アスクレーピオス(医学の神)が書かせたんじゃないか?と思います。 実のところ、どんなに疲れていても、忙しくても、コロナによる医療崩壊を知ってしまった作家は、書かずにいらなかったのかとも思います。 医療崩壊が近いのではない、医療崩壊が起きているのだと主人公が自覚したのが2021年1月。この時点では、医療者の中にも医療崩壊を自覚しない人がいました。 しかし今は、一般の人たちも医療崩壊を感じています。 医療崩壊は現実になってしまったけれど、少しでも早くこの状況から抜けだしたい。 この小説を、もっとたくさんの人が読んでほしい。47人の県知事に読んでほしい。首相に読んでほしい。医師として働きながらこの小説を書いた人がいるのだから、忙しいから読めないということはないはず。 ・・・質疑応答が出来ない政治家が読んでも理解できないか。 ムーサ(文芸を司る女神たち)に祈りたい。この小説の内容を、「重症患者以外は原則自宅療養」といった首相にわからせてくださいと。
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まさに今の医療状況のドキュメンタリー小説。 医師、看護師が過酷な状況の中、必死に地域医療を守ろうと奮闘していることに、頭が下がります。 特に、院内感染が起きてしまったあとの会議でのやりとり、院長の的確な指示、今の政治にも必要とされていることかもしれない。
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