臨床の砦 の商品レビュー
コロナウイルスの恐ろしさ、医療現場の現実がとてもよく分かりました 看護師、医師はすごいなと思いました
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小説というよりは、コロナ禍の医療現場のリアルです。医療従事者の皆様には頭を下げる事、感染しないよう気をつけることしか出来ません。心が痛みます。
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小説『神様のカルテ』シリーズで知られる医師の夏川草介さんが描くコロナ禍の医療現場。フィクションではあるが、夏川さん自身、消化器内科医としてコロナ対応に当たられており、その体験が作品に反映されている。それは、壮絶、としか言いようがない。 主人公の敷島は医師として、長野県の地方病院...
小説『神様のカルテ』シリーズで知られる医師の夏川草介さんが描くコロナ禍の医療現場。フィクションではあるが、夏川さん自身、消化器内科医としてコロナ対応に当たられており、その体験が作品に反映されている。それは、壮絶、としか言いようがない。 主人公の敷島は医師として、長野県の地方病院に勤務している。地域で唯一の感染症指定医療機関であることから、敷島は院内の感染症外来立ち上げに関わり、コロナ対応に追われる毎日だ。ただし、消化器内科医である敷島も、他の感染症外来の医師も、感染症専門医ではない。それでなくても新型コロナは未知の病原体である。まさに暗中模索で、地域医療を崩壊させないために、損な役回りを買って出ているのだ。 不眠不休で、過酷な日々を送る敷島たちの敵はコロナウイルスだけではない。他の医療機関の非協力、行政の無理解、風評被害が立ちはだかる。院内の医師もまた一枚岩ではない。コロナ診療は、限られた現場の医師たちの個人的努力と矜持と、わずかな人脈とによって、ぎりぎりの生命線を保っている、という一文は重い。 物語は2021年1月に設定されており、感染者が3300人を超えたという報道に敷島たちが未来に絶望するシーンが挿入される。しかし、その後8月に比べものにならないほど大きな波がやって来ることを私たちは知っている。そして、1年後の2022年2月現在、10万人を超える感染者が出る状況にある。コロナ対応を引き受けている医療機関、医療従事者の方々の苦労は想像に難くない。いや、本書を読むと軽々に想像することもできない。 コロナは風邪とか、かかって免疫を獲得したほうがいいとか、そんなことを言う気も起きない。ただ、感染しないように、できるだけ医療に負担をかけないように心がけるしかない。
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「現役医師としてコロナ禍の最前線に立つ著者が自らの経験をもとにして克明に綴ったドキュメント小説。」とのこと。 何が怖ろしいといって、想像したとおりのことが書かれていることが怖ろしい。 最前線で戦っている医療従事者たちの覚悟や矜持、そして諦念。 おそらく激務のなか、やむにやまれぬ思...
「現役医師としてコロナ禍の最前線に立つ著者が自らの経験をもとにして克明に綴ったドキュメント小説。」とのこと。 何が怖ろしいといって、想像したとおりのことが書かれていることが怖ろしい。 最前線で戦っている医療従事者たちの覚悟や矜持、そして諦念。 おそらく激務のなか、やむにやまれぬ思いで書かれたであろうこの小説を、多くの人に読んでもらいたい。
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長野の病院の話である。この周りの病院はここしかコロナの患者を受けつけていない、そのため患者が一斉にここに運ばれてくる、初めは一人だったのが2人、少ない病室で何とか持ちこたえていたのだが、周りの施設でのクラスター何十人という患者が運ばれてくるそれも高齢者ばかり、治療は難航その中でも周りと協力してコロナという新たなウイルスに立ち向かっていく中で院内感染がおこる恐怖 人亡くなるということはこの世からいなくなることである。昨日まで生きていた命が脅威にはなくなっているその人との思い出も何もかもすべて、コロナが流行した今感染を防ぐ手立ては少なからずあると思う、それを実行することこの本を読めば病院がどれだけコロナによって苦しめれているのかについて学ぶことができるそれにこの本を読むとこれからの私たちの行動は変わると思います。
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コロナ医療の最前線がリアルに理解できました。医療関係者の皆様には改めて頭の下がる思いです。とともに、情報には様々な側面がある、ということを頭に入れておく必要性も再認識しました。自分の見聞きしているものが全てではない、と強く感じました。
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現役医師でもある夏川草介さんの作品。ノンフィクションであるが、3年目を迎えたこの『コロナ禍』が欧米と比較して、低いレベルに抑えられているのも、このような医療従事者たちの苦闘の賜物なのだと思う。 『正解とは言えなくても、最善の道を選んだ。』の一言が刺さった。
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本を通じて得た感想は「矜持」ですね。医者の矜持、看護師の矜持、全ての人が持つべき矜持では無いでしょうか?さすが現役の医師であり、ノンフィクションさながらの、ひりつく医療現場の危機感がビシビシ伝わって来ました。そこに関わる関係者の心の葛藤がリアルに書き込まれ小説としてもとても良かっ...
本を通じて得た感想は「矜持」ですね。医者の矜持、看護師の矜持、全ての人が持つべき矜持では無いでしょうか?さすが現役の医師であり、ノンフィクションさながらの、ひりつく医療現場の危機感がビシビシ伝わって来ました。そこに関わる関係者の心の葛藤がリアルに書き込まれ小説としてもとても良かったです。コロナに関して、私を含めた周りの危機感と医療現場の危機感の温度差を改めて反省したいとも思いました。
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ノンフィクションではないけれど、現実に信濃山病院のごとくコロナ医療の砦となって戦ってくださった、今も戦い続けていらっしゃる機関があることに深謝する。その医療現場で働く方々は、心身ともに疲弊しておられることに疑いようがない。敷島医師を通して、最前線における奮闘と葛藤のほどが伝わる。...
ノンフィクションではないけれど、現実に信濃山病院のごとくコロナ医療の砦となって戦ってくださった、今も戦い続けていらっしゃる機関があることに深謝する。その医療現場で働く方々は、心身ともに疲弊しておられることに疑いようがない。敷島医師を通して、最前線における奮闘と葛藤のほどが伝わる。残念なのは、一方からの視線でもって行政や周辺医療機関を無知で無関心と言い切ること。感染防止に努めつつも生活苦に陥る人たちを支える行政、また医療現場に劣らず患者への対応や行動追跡に昼夜取り組んでいる保健所の職員たちの声なき声がある。
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現役医師が描くコロナの話であるがゆえに、現場の逼迫が生々しく描かれている。 医療従事者一人ひとりが命を懸けて現場をつないでいた事実を、物語を通して伝えようとする想いが感じられる作品だ。 ほぼドキュメントといっていい。
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