臨床の砦 の商品レビュー

夏川草介(著者)

2021/08/03

現役の医師である夏川草介さんのコロナ禍の病院を舞台にした話。
これが医療現場の現状、そして医療従事者の本音なのかもしれない。
改めて医療従事者の皆さんには感謝しかない。
小説だからとても読みやすかった。
感染者がまた増えている今、多くの人に読んでほしい作品。

2021/08/03

現役の医師である夏川草介によるドキュメント医療小説。コロナ診療の最前線に立つ長野県の信濃山病院で、緊急事態宣言＋ちょうど感染者が増加する冬が舞台ということで、医療現場はコロナ陽性者が増えつつも、ベットの数は足りない医療崩壊状態であり、主人公の内科医男性も現場の最前線で対応しなければいけないという大変な状況の中で、周りの医師と団結してコロナ患者に対応する。現場の息遣いが伝わるような生々しさで、コロナ医療現場のノンフィクション小説としても読める。

2021/08/02

コロナの怖さを改めて感じた。
最前線で闘う医師達も一枚岩になれない、正解が分からない、でも立ち止まることもできない。
１年以上停滞している事態に、TVでの報道も危機感が薄れていっている気がする。読んで気が引き締まった。

2021/07/31

医療従事者の方々には感謝しかない。
感染者がまた増えている今読むと泣きそうになる。
やっとの思いで幾度も乗り越えてきた波がまた来てしまっている。
医師の夏川草介さんだから、今だからこそ書ける、そして今読んだ方が良い作品。

2021/07/28

我々に足りないのは想像力？病床の数だけは沢山あるのにコロナ受入病床が限られているという事実。ひと握りの病院の努力と使命感のみに頼っている現状は長期戦を強いられる中ではいつ切れてもおかしくない。悪いのは政府？医師会？分からないけれどこのままで良いわけないです。現場の声がリアルに聞こえてくるお話でした。

2021/07/25

まさに今読むべき小説。医療現場に任せるのではなくどれほど一人一人が感染対策を行って行くべきか、人を中傷するのでなく、いかに協力しあい助け合っていくべきかを考えさせられる。この小説を数十年後に読み返して、このコロナ時代をどう振り返るのかとふと思った。コロナ禍に突き詰められる現実に向かい合い必死に奮闘する医師の姿を通してまさに医療現場で何が起きているのか、一人一人が当事者として考えなければならない。最前線で治療にあたる医療従事者に心から敬意を表します。

2021/07/23

これは今まさに読むべき小説です。
都会の医療機関は崩壊寸前ではなく、もう崩壊状態ではないでしょうか。

2021/07/23

新型コロナ感染症の治療体制が、如何に現場の使命感と頑張り支えられているか。

政治や医師会のリーダーシップはなく、医療界全体のバックアップもない中で、地域のごく一部の医療機関に負担が集中する実態が、作者らしく静謐な筆使いでありつつ、間違いようのない強いメッセージとして伝わってくる。

2021/07/22

現役医師による、小さな地方病院におけるコロナとの闘いを描いた話。現在、緊急事態宣言下で東京五輪が開かれようとしている中で読んでいると、怖さが増してくる。小説では第3波が落ち着いたところで、第4波への備えが必要だと説いたところで終わっている。「コロナは、肺を壊すだけじゃない。心も壊す。」長引くコロナ禍、心が保たなくなってくる人も多い。早くこの闘いが終わって欲しい。

2021/07/18

帯に「著者、万感のドキュメント小説」とある。
『神様のカルテ』シリーズ含め、かなり夏川さんの作品は読んでいるが、今回は、コロナに翻弄されている今この瞬間を書き留めておかねば、との思いを強く感じた。
私が知ることができる情報は、テレビや新聞で報道されている事だけ。
だから、医療従事者の使命感に頼る現状をおかしいと感じていたが、どこか他人事だったかもしれない。
元々、人の命を預かる職業でいる事の重圧に加え、日々状況が変わるコロナの診療体制。
誰かがやるべき仕事を押しつけあい、高みの見物で文句だけ正当な主張とばかり言う人達。
人間の本性をさらけ出すのがコロナなのかもしれない。
私だって、安全なところにいて何もしてない。

きっと日本全国、あちこちでこの小説のように綱渡りの日々なのだろう。

どうしたらいいのか？
答えはすぐ見つからない。
もどかしい。