ミュゲ書房 の商品レビュー
一冊の本にはたくさんの人が関わり、いろんな思いやいろんな仕事の上に出来上がっているんだということがよく分かり、本棚に並ぶ本に対する愛着がさらに深まった。 物語も優しく、ハッピーエンドで好き。 ただ、主人公の周りに本当に善人しかいなくて、そこは少し物足りなさを感じる。
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こんな本屋さん、行きたい!本にこめる想いを少しでも受け止められるように、丁寧に読んでいこうと思った。
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伊藤調さんの本は初読み。 『ミュゲ書房』はブクログやインスタでも高評価の本で、読みたい本リストに入れていた一冊。 ようやく読了! 宮本章は、小説編集の仕事をビジネスと割り切れず、新人作家・広川壮太の作品を書籍化できなかったことに責任を感じ、業界最大手の出版社を退職。 ちょうど...
伊藤調さんの本は初読み。 『ミュゲ書房』はブクログやインスタでも高評価の本で、読みたい本リストに入れていた一冊。 ようやく読了! 宮本章は、小説編集の仕事をビジネスと割り切れず、新人作家・広川壮太の作品を書籍化できなかったことに責任を感じ、業界最大手の出版社を退職。 ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなる。 祖父の書店は大正時代の洋館を改装した「ミュゲ書房」 なりゆきでミュゲ書房を継ぐことになった章だが、書店経営が困難な時代。 ミュゲ書房に集う人たちに支えられ、ミュゲ書房の存続をかけた章の闘い。 そう、まさに闘い! 小さな町の小さな書店が生き残っていくのは相当大変なことで… 『ミュゲ書房』は書店だけでなく出版業界も描いているが、最近、この書店・出版業界が舞台の小説が多いように思う。 既読の本ですぐに思い浮かぶだけでも ◆碧野圭著『書店ガール(シリーズ)』 ◆村山早紀著『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手 桜風堂ものがたり』 ◆安藤祐介『本のエンドロール』 ◆大崎梢著『配達あかずきん(”成風堂書店”シリーズ)』『平台がお待ちかね』 ◆名取佐和子著『金曜日の本屋さん(シリーズ)』 古書店を入れるもっとたくさんある。 「本が売れない」と言われるようになって久しい。 その要因は色々あると思うが、”活字離れ”ばかりが取り上げられていて… 『ミュゲ書房』では、”出版業界”の問題も描かれているが、本が売れない要因と”出版業界の問題”は、切り離しては考えられないだろう。 街の小さな本屋さんは本が売れなくては経営が立ち行かない。 当然、人気作家の”売れる本”を店頭に並べたい。 だけど、街の小さな本屋さんには人気作家の本は配本されない。 一冊でもいいから欲しいと切望する小さな店には、 その一冊すら入ってこない。 これでは街の小さな本屋さんが減っていくのは当然で… 本好き、本屋さん好きにとっても辛い。 時間が空いたから、ちょっと本屋さんへ。 そこで手にした本が面白くて、買ってしまう。 新しい出会いがあってわくわく&どきどき。 そんな大切な時間と経験はどんどんなくなっていく… 『ミュゲ書房』はそんな街の小さな本屋さんの奮闘記でもある。 本屋さんを応援せずにはいられない。 でも、うちの近所には街の本屋さんがないという悲しい現実。 『ミュゲ書房』、良い本でした。
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祖父母が経営していた北海道の小都市の書店、ミュゲ書房を、祖父母亡き後、継ぐことになった元編集者の主人公。大都市でさえ経営の難しい小規模書店の周りに集う人々が作り出す、夢のような本屋さん。サロンとしての役割を果たす書店を経営しつつ出版も行う。読書家に送るファンタジー。
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本作品はKADOKAWAの「カクヨム」という、小説を書いたり読んだりできるサイトに投稿した作品が書籍化されたものだが、 まさに、本書のストーリーに重なる。 丸山出版のWeb小説サイト「ソウサク」に投稿した「リベンジ」という作品を本にして出版するという話。 「リベンジ」=「ミュゲ書房」、広川蒼汰 = 伊藤調 として読んでみるのも良いかな。 伊藤調は男性と決めつけていたが、本書を読んで女性かも知れないと思う。 で、チョット調べていたら著者による読者へのインタビューのページを見つけた。 (伊藤調さんの正体はわからないが、雰囲気が伝わってくる) https://kadobun.jp/feature/interview/2yt1urslj9mo.html 本に関する小説はいい人がたくさん登場するので気持ちよく読めるが、本書では大手出版社が悪役になっている。 その悪役の編集長にプライドを傷つける言葉を浴びせスカッとする場面があるが、それゆえ編集長の個人的な感情による露骨な嫌がらせを受けることになる。 が、地道に築いてきた人とのつながりから希望の光を見つけ出し「リベンジ」を人気作品に導くので、めでたしめでたしで物語は終わる。 "丸山"出版は"角川"を想像させる名前で、権力を武器にビジネスをする会社像に描かれている。 現実にKADOKAWAは東京五輪汚職で経営陣のモラルに問題ありのイメージが付いたので、本作品の設定にぴったしになってしまった。 「ミュゲ書房」は小さな出版社からではなく角川書店からの発行なので、「リベンジ」ではなかったですね。 「ミュゲ」=「すずらん」、「すずらんの花言葉」=「再び幸福が訪れる」。 そんな雰囲気を持った本屋さんの物語でした。
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本の装丁、紙質にもこだわりが感じられてすごく好き。通して穏やかだけど静かに熱くてよかった。ひさしぶりにすっきりとした読後感だった。ミュゲ書房がほんとうにどこかにあるような気がする。
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ブクログは自分の本棚が一覧でずらりと見れるのがいいですよね〜 わりとジャケ読みすることも多いんですが、本書のような装丁の素敵な本が入ると、よくうっとり自分の本棚を眺めちゃう私です。 ※※※ 東京の大手出版社で働く編集者・章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できなかったこと...
ブクログは自分の本棚が一覧でずらりと見れるのがいいですよね〜 わりとジャケ読みすることも多いんですが、本書のような装丁の素敵な本が入ると、よくうっとり自分の本棚を眺めちゃう私です。 ※※※ 東京の大手出版社で働く編集者・章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できなかったことに責任を感じ、退職する。 そして、縁があって北海道で祖父が営んでいた書店・ミュゲ書房を継ぐことに。 そこで様々な人と出会い、書店経営や自費出版の編集をとおして、ふたたび本づくりへの情熱を取り戻していく── ※※※ 書店経営のこと、本づくりのこと、すごく興味深く読むことができました。 取次のことなど簡単な仕組みは知っていましたが、大手出版社でないところが本を作って売るというのは、こんなに大変なことなんだなぁと。 章は、世の中のニーズのことばかり考えた「売れる本」と、作家の個性や書きたいものを歪めずに生み出す「作りたい本」という、いわば現実と理想の狭間に苦しんで会社をやめるわけですが、この悩みは出版業に限らずどんな職種でもありえる悩みですよね。 現実ばっかり見てもつまらないし、かといって理想だけ追いかけても生活はできない。 そこになんとか折り合いをつけるのか、理想じゃお腹ふくれんわい!と現実だけを見るのか、あくまで理想を追求するのか… 章は新人作家を潰すような「現実」に見切りをつけます。そして、ミュゲ書房の赤字経営を軌道にのせるとともに、現実からも目を背けずに編集した出版物の部数を伸ばす手段を模索します。もちろん、理想を失わないまま。 このあたり、若干のうまく行きすぎ感もあるものの、周りにいる仲間たちと力を合わせて目的に向けて一歩一歩前進していく展開にはすごーくワクワクできます。 ちなみに作中で悪役出版社として描かれる業界最大手の丸山出版て…どう考えても角川ー! ちなみにのちなみに、この本は角川から出版されています。なんかニヤリとしてしまった。
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みんなで協力して目標を達成するのって、なんかいいなあと思う。ミュゲ書房の存続、出版をやってのけてしまうからすごい。チームワークがとにかく良い。私もその一員になりたいなぁ、と思った。 主人公の宮本章は、本屋の店主は新米だけど、編集の仕事が天職だと思う。原稿を持ち込まれてこれは売れ...
みんなで協力して目標を達成するのって、なんかいいなあと思う。ミュゲ書房の存続、出版をやってのけてしまうからすごい。チームワークがとにかく良い。私もその一員になりたいなぁ、と思った。 主人公の宮本章は、本屋の店主は新米だけど、編集の仕事が天職だと思う。原稿を持ち込まれてこれは売れると思うと、利益などを考えて即決断。作家に寄り添い改稿を重ね、良いことも悪いことも遠慮せず言う。作家もこういう編集者だと嬉しいだろうと思う。市長、副市長の話が面白かった。編集さん大変、頑張ってと応援してしまった。 中盤ぐらいまでは、物事がスムーズに行き過ぎだなと思ってたけど、嫌な場面が出てきてイライラした。でも、永瀬桃がイライラする人物にズバッと言ってくれたからスッキリ。よく言ってくれたと拍手喝采だ。 話の中に実際にある本をいっぱい出てきて、読んでみたい本があって参考になった。ブクログでもよく見かける本なんだけど、ヨシタケシンスケさんの『あるかしら書店』は読んでみたいな。永瀬桃が宮本章に選書した本なんだけど、私だったらどういう感想になるのかな。
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(読書メーターの)おすすめリレー キャンペーンで感謝の読書。ドキドキしながら一気に読み耽る。その理由として、リーダビリティ、ブレない登場人物設定、編集者・宮本と新人作家・広川蒼汰の大逆転劇を含むストーリー展開、最後までのめり込めた。一方大手出版社の後藤が利益を追求。作家の将来を潰そうとする輩が本当にいるのか?この点だけ気になる。大手出版社だからこそ作家を最大の高みまで連れていくことが本分だと思う。高校2年生・永瀬桃の天才的な発想・センス、それを超える努力家、彼女の今後の行方を応援したい。壮大なテーマを描く作家さんとして。⑤
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ミュゲ書房に行ってみたい! お祖父ちゃんの並べた書棚を堪能してみたかった!どんな風に本が並んでるんだろう?と勝手に想像力が働いてしまう。 お祖母ちゃんの選んだ家具や大切に手入れされた庭を歩いてみたい! 表紙の絵のように落ち着いていて豊かな場所。 章君の新しいミュゲ書房では、塔の...
ミュゲ書房に行ってみたい! お祖父ちゃんの並べた書棚を堪能してみたかった!どんな風に本が並んでるんだろう?と勝手に想像力が働いてしまう。 お祖母ちゃんの選んだ家具や大切に手入れされた庭を歩いてみたい! 表紙の絵のように落ち着いていて豊かな場所。 章君の新しいミュゲ書房では、塔のお部屋で絵本をたくさん読んでみたいなぁ。 庭を散策した後は、のんびりと、池田君の淹れるコーヒーとお手製のケーキ! これらは↑、全部、主役じゃないけどね。 ミュゲ書房も、そこに集う脇役も個性的で、彼らの話も今度聞かせてね、って感じ。 メインストーリーは、高い山を目指してズンズン登っていく感じで、一気に読めて爽快だ!
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