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悪の芽 の商品レビュー

3.6

89件のお客様レビュー

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2021/06/18

貫井徳郎さんによる新刊ミステリー。大きなアニメイベントで発生した無差別大量殺人事件で、犯人は自分に火をつけて亡くなるのだが、事件を起こしたきっかけは小学生時代のいじめにあったと報道される、銀行員の安達は犯人をいじめるきっかけは自分であると気付いて犯人のことを調べ始める・・・インタ...

貫井徳郎さんによる新刊ミステリー。大きなアニメイベントで発生した無差別大量殺人事件で、犯人は自分に火をつけて亡くなるのだが、事件を起こしたきっかけは小学生時代のいじめにあったと報道される、銀行員の安達は犯人をいじめるきっかけは自分であると気付いて犯人のことを調べ始める・・・インターネットSNS時代である現代の炎上社会の恐怖を描いた作品でもある(最近こういった炎上系の小説が多くなったなと)。

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2021/06/13

同級生の犯罪の動機に翻弄される男の物語。 プロローグ 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 エピローグ 東京グランドアリーナで起きた無差別殺人事件の犯人・斎木均と同級生だった赤塚は、小学校時代、斎木がいじめられたきっかけを作っていた。 自殺した斎木の犯行動...

同級生の犯罪の動機に翻弄される男の物語。 プロローグ 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 エピローグ 東京グランドアリーナで起きた無差別殺人事件の犯人・斎木均と同級生だった赤塚は、小学校時代、斎木がいじめられたきっかけを作っていた。 自殺した斎木の犯行動機が、いじめによる社会からの離脱によるものではと不安になった赤塚は、独自で調査に乗り出す。 世の中、勝者と敗者に分けられ、勝者は敗者を蔑み、人の気持ちを考える想像力を失っている人が多いことに絶望していく。 調査により、報道される斎木の人物像から、本当の姿が見えた時、赤塚の心は晴れるのか? 赤塚以外の同級生や、赤塚への間接的な復讐を企てた者などの登場があったが、もう少し、ストリーに絡んで欲しかったかな。

Posted byブクログ

2021/06/10

いじめに 傍観者に 無差別大量殺人に ネット晒し 現代の悪の芽が 絡み合う ラストが タイトルとは 逆の言葉で 締めくくられていて 少しだけ 希望が持てた

Posted byブクログ

2021/06/07

さすがの安定感。読ませてくれる。 今までの作品では、悪い方、悪い方に物事が転がっていっていたのでちょっと心配だったけど、今回は、希望が残る。中盤の、フルーティストのエピソードが良い。子どもは、親の思い通りには育たない。

Posted byブクログ

2021/05/30

イメージどおりというか、貫井さんっぽい作品だった。責任の所在・想像力の欠如に対して「己を振り返ってみな」と問いかけられるような。系統でいうなら『乱反射』っぽい感じかも。無差別殺人を引き起こした犯人斎木は、昔いじめていた同級生だった。自責の念に囚われた安達は、斎木の事件の動機を知り...

イメージどおりというか、貫井さんっぽい作品だった。責任の所在・想像力の欠如に対して「己を振り返ってみな」と問いかけられるような。系統でいうなら『乱反射』っぽい感じかも。無差別殺人を引き起こした犯人斎木は、昔いじめていた同級生だった。自責の念に囚われた安達は、斎木の事件の動機を知りたいと強く思う。総じて面白かった。心情描写がうまいので人物視点が入れ替わってもスッと入っていける。でも元々貫井さんへの期待値が高いので、正直それを超えるまでには至らず。真相がもっとスッコーンと腑に落ちるようだったらなおよかった。

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2021/05/16

本屋さんで何度か見るたびに迷いつつ、やっぱり買いました。気になって仕方ないのです。 ミステリーや推理小説が好きなので、いつも事件や謎解きで、フィクションを楽しんでいますが…時々フィクションとはいえ、こういう、なんというか心の奥底をグリグリさせられるような(変な表現?)そんな気分...

本屋さんで何度か見るたびに迷いつつ、やっぱり買いました。気になって仕方ないのです。 ミステリーや推理小説が好きなので、いつも事件や謎解きで、フィクションを楽しんでいますが…時々フィクションとはいえ、こういう、なんというか心の奥底をグリグリさせられるような(変な表現?)そんな気分になります。 小中高、そして社会人…その頃の自分を思い出しながら読んでいました。 今作は貫井さんにしては珍しく、光を感じられるラストになっていますが、それとて、あくまでも安達の目線。 『絶望』の形は人それぞれ。人は他人の心の奥底はわからないのだと、つくづく思うのです。 確実に言えることは、殺人というのは、『殺され損だ』ということ。そして…たとえ遺族が復讐したとしても、それで救われるというわけではないのです。 長い人生の中で、誰しもなんらかの形で人を傷つけてることはあると思う。私自身も悪気はなくとも、誰かを傷つけてきただろうと、いっぱい反省している。また、超おしゃべりで社交的な自分であっても、いじめらしき目(いじめだな)にあったこともある。 人は他人に対して、見る方向や、立場、その時の感情によって、同じ人を見ても、全然違う人に見えてしまうものだと強く思う。決めつけって怖いな…。 そして、この、何十年前には想像もしなかったネット社会。人前で発言する勇気はない人でも、匿名性があると、好き勝手を言い、何かしら決めつけたり、誰かを蔑めることが容易になってる。本当に怖い…。 なんだか感情論になってしまいましたが、そんな風にいろいろ考えさせられる作品でした。 今回、一番心に沁みたセリフ 「私は犯人だけを憎んでいたいんです。自分の憎しみを広げたくないんです。」 胸を衝かれました‼️ 他にも心に残ったフレーズを少し…。 _ _ _ _ _ 過去をやり直せるものなら、やり直したい。だがそれは不可能なのだから、自分の愚かさを直視すべきである。己を偽るような真似だけは絶対にしてはならなかった。 想像力のない者は、決して勝者などではない。ただの視野の狭い人間だ。 こんなことになって、ようやく気づくこともある。想像の及ぶ範囲は、なんと狭いのだろう。同じ立場になって初めて理解するのだ。 _ _ _ _ _ 自分以外のことにも、想像力のある人間でいたいと思ったのでした。

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2021/05/16

長編だが定期的に視点が切り替わるのでマンネリせずに集中して読めた。唯の小説ではなくて社会問題に根ざしているところが毎度ながら感服させられる。犯罪者にも同情の余地が生まれるほど。

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2021/05/07

装丁に惹かれ、図書館でたまたま手に取った貫井徳郎さん。初読み。 なかなか重いテーマから気持ちの良いラスト。人は誰しも「悪の芽」を持っている。その悪の芽を育てるには自分の境遇ち周りの環境も影響してくる。それを開花させるまで育てる人はごく一部の人間。自分が想像出来ない想像力の欠如。...

装丁に惹かれ、図書館でたまたま手に取った貫井徳郎さん。初読み。 なかなか重いテーマから気持ちの良いラスト。人は誰しも「悪の芽」を持っている。その悪の芽を育てるには自分の境遇ち周りの環境も影響してくる。それを開花させるまで育てる人はごく一部の人間。自分が想像出来ない想像力の欠如。ネット上での発言もそう。 だがその悪の芽を持つ一方で善の芽もある。自分の知らないことを慮る、それはとても難しい。少しづつでもよいので善の芽を育てて開花させたい。それはとても勇気のいることだ。 長編ながらそれを感じさせない筆力、構成だった。

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2021/05/04

東京ビックサイトのコミケで無差別殺人事件が発生し41歳の犯人(アルバイト店員)はその場で自殺。犯人の斉木は小学校から不登校となっており、その原因は小学校のいじめであった。そのいじめのきっかけを作った安達は、大手銀行の課長であり妻子供と用賀の戸建に住んでいる。安達は精神的に大きなダ...

東京ビックサイトのコミケで無差別殺人事件が発生し41歳の犯人(アルバイト店員)はその場で自殺。犯人の斉木は小学校から不登校となっており、その原因は小学校のいじめであった。そのいじめのきっかけを作った安達は、大手銀行の課長であり妻子供と用賀の戸建に住んでいる。安達は精神的に大きなダメージを受け出社できなくなり、斉木の犯行動機を突き止めることが自分の心を修復する上で必要と考え、銀行を休職し調査を開始する。 この本は人間の想像力を試す。どれほどまでに他人の気持ちに寄り添えるか。今の日本ではネットでもリアルでも人を見下す、差別する、同調しない者の排除等が平然と行われている。人間が進化すればもっと優しさが増えるのだろうか。しかし優しさが余裕やゆとりから生まれるならば、世界に置ける位置付けが低下する一方のこの国では、更に酷いことになってしまいそう。この本での犯行の動機、あまり納得できなかったが、それがむしろ本当に世の中に絶望すると…というリアルを感じさせられた。少しずつでも善の芽が出るよう努力する、社会のために。

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2021/05/01

その男が無差別大量殺人事件を起こしたのはなぜか?その場に居合わせ動画を撮影した亀谷、小学校時代のいじめのきっかけを作った安達、いじめの中心になった真壁、そして、被害者家族…。自分も含めみんな「悪の芽」を持っている。悪い展開になりませんようにと祈りながら読了。動機はいまいち納得でき...

その男が無差別大量殺人事件を起こしたのはなぜか?その場に居合わせ動画を撮影した亀谷、小学校時代のいじめのきっかけを作った安達、いじめの中心になった真壁、そして、被害者家族…。自分も含めみんな「悪の芽」を持っている。悪い展開になりませんようにと祈りながら読了。動機はいまいち納得できないけれどとりあえずほっとした。想像力を持ち善の眼を育てていかないと。

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