恐れのない組織 の商品レビュー
「ティーミング」(「チームが機能するとはどういうことか」)の著者で、近年、注目される「心理的安全性」の発見者による新著。 内容はなんとなく想像できるものの、「ティーミング」がとても難しいことをとてもわかりやすく整理したものだったので、一応、読んでおこうというくらいのスタンスで読み...
「ティーミング」(「チームが機能するとはどういうことか」)の著者で、近年、注目される「心理的安全性」の発見者による新著。 内容はなんとなく想像できるものの、「ティーミング」がとても難しいことをとてもわかりやすく整理したものだったので、一応、読んでおこうというくらいのスタンスで読み始めた。 最初のほうは、それはそうだよな〜という感じなのだが、具体的な事例の紹介などを通じて、だんだん、そうそうその通り、と引き込まれた。 とくに、福島の原子力発電所のケースがわりとしっかりと取り上げられていて、そういう観点からも、身に迫るものがある。 まったく新しい知見が示されているわけではないのだけど、自分がずっと感じていたことが言葉にされ、そして他の本を読んで共感していることがリンクされ、ツールとして、整理されている。 内容的には、たとえば、センゲの学習する組織やティール組織などで議論されていることと共通するわけだけど、とてもクリアで、わかりやすく、実践的な書き方で、なんというか「オレンジ」な人々にも訴えかける書き方になっている。 「オレンジ」にわかるように説明するというのは、ある意味、ハーバード大学的な特徴なのかな?(キーガンの本もそんな感じ) で、この議論の先には、自然と、自己組織化やナラティヴアプローチに繋がっていく感じがあって、いいな。 これからのリーダーシップのあり方として、これはベースなのかもしれないと思った。
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心理的安全性をテーマにした本書。 不確定な要素が多い世の中、新たなサービスや価値を生み出していくためには前線からのフィードバックやトライアンドエラーを繰り返しながら精度を上げていくことが大切。 けっして甘えや緩みではなく、目的を共有しながら高い目標にむかって進んでいくチームこそ...
心理的安全性をテーマにした本書。 不確定な要素が多い世の中、新たなサービスや価値を生み出していくためには前線からのフィードバックやトライアンドエラーを繰り返しながら精度を上げていくことが大切。 けっして甘えや緩みではなく、目的を共有しながら高い目標にむかって進んでいくチームこそが強い。 事例も多く読みやすく一気読み。
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今の自分に読み切れるとは思ってなかったのでまず嬉しい。章ごとに豊富な企業事例、具体的な変化のためのプロセス構築法やツールなども多い。 第8章冒頭のp230, "発言より沈黙を好む心理的・社会的な力の基本的非対称性、つまり自己表現より自己防衛しようとする性質は、今後も変...
今の自分に読み切れるとは思ってなかったのでまず嬉しい。章ごとに豊富な企業事例、具体的な変化のためのプロセス構築法やツールなども多い。 第8章冒頭のp230, "発言より沈黙を好む心理的・社会的な力の基本的非対称性、つまり自己表現より自己防衛しようとする性質は、今後も変わらないだろう"…うぅ…でしょうね。 だが、"発言と沈黙では、見返りもまた非対称である"…ほんそれな!! やはり諦めたくない、沈黙の文化を揺さぶる活動。 心理的安全性は繰り返し探求し続けるものであるし変化もする。 質問集、どれもあるあるすぎて笑う。 第8章はなんと言ってもラストが秀逸。胸熱。風上に向かってジグザグに進め。ヨットの如く。
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心理的安全性とは何か。こうではないと、こうであるがたくさん示されていて、この言葉への理解が豊かになった一冊でした。チャレンジできる環境つくりたいものだなぁと。 そして、到達点は学習する組織なのだなと。
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この本の著者である、エイミー・エドモンドソンの論文と書籍が引用された総回数は5万を超えるという。 前著「チームが機能するとはどういうことか」でも心理的安全性の概念は中枢に据えられていたが、本書はさらに心理的安全性へのフォーカスが強まっている。 本書の構成は以下のようになっている...
この本の著者である、エイミー・エドモンドソンの論文と書籍が引用された総回数は5万を超えるという。 前著「チームが機能するとはどういうことか」でも心理的安全性の概念は中枢に据えられていたが、本書はさらに心理的安全性へのフォーカスが強まっている。 本書の構成は以下のようになっている。 第1部 心理的安全性のパワー 第2部 職場の心理的安全性 第3部 フィアレスな組織をつくる 心理的安全性とはなんぞや、近年の学術領域における関心事は何か。 心理的安全性のない組織で何が起きたのか、心理的安全性がある組織でどのようにそれが形成され、保たれているのか。 前著と重複する部分がある。また、ここ日本における現場にフィットした「心理的安全性のつくりかた」という名著が昨年出版されている。心理的安全性のエッセンスを知りたい、という観点では、本書が存在しなくても事足りる部分はある。 それでも数々の事例、とくに福島第2原発の話は胸を熱くさせたし、最終章における畳み掛けるようなFAQ形式は「課題はすべて潰す、心理的安全性を少しでも多くの現場に普及させるぞ」という気迫を感じた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
同じことを角度を変えて、丁寧に伝えてくれる一冊でした。 恐れなのないーフェアレスな組織は、集団的知性・知識集約型の組織で、コミュニケーション・協働があり、イノベーションが生まれる……当たり前のことだけれど、これが実践できている組織は、大きな単位になればなるほど限られてくるよなと思いました。 意外だったのが、アプローチが認知と仕組みだったところ。リーダーは、認知バイアスに気づき、意識的に仕組みを作っていく必要がある、つまり誰でもできる可能性があるのだと思いました。 「沈黙して得な人はいない」 何かを恐れて、サイレント化していくのは、もったいないぞと改めて。
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