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ははのれんあい の商品レビュー

3.9

82件のお客様レビュー

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2021/10/27

小さな縫製工場を営む家の息子に嫁いだ、おとなしい性格の由紀子。慎ましく暮らす夫婦に待望の息子が産まれ、由紀子は仕事を始め、双子が産まれ、家族のかたちが少しずつ変わっていく。由紀子と由紀子の家族の物語。 由紀子が結婚し、長男の智晴が産まれて子育てが始まる。まだ小さな智晴を保育園に...

小さな縫製工場を営む家の息子に嫁いだ、おとなしい性格の由紀子。慎ましく暮らす夫婦に待望の息子が産まれ、由紀子は仕事を始め、双子が産まれ、家族のかたちが少しずつ変わっていく。由紀子と由紀子の家族の物語。 由紀子が結婚し、長男の智晴が産まれて子育てが始まる。まだ小さな智晴を保育園に預けてくたくたになるまで働いて、帰った家はぐちゃぐちゃ。わかりすぎるくらいの共感、自分の子育てを思い出す。 双子が産まれて急に兄にされた智晴のさみしい心、母の気持ちを考えると大好きだった離婚した父を素直に慕えない智晴など、久しぶりに本を読みながら泣く。 私の子も智晴のように素敵な優しい子に育って欲しい。離婚して別人のように強くたくましくなった由紀子も凄い。登場人物に嫌な人が誰も出てこないから、ずっと優しい気持ちで読むことが出来る。 思っていた以上に私は凄く好きな物語。

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2021/10/16

父と母、父と子、母と子、兄と弟、祖父と子、祖母と子、様々な関係性があって支えあい家族は成り立っている。 そういうことを強く意識させられた。 家族は形を変えるけれど家族であることは変わらない。 この物語の全てを表している言葉だなと思った。

Posted byブクログ

2021/10/13

『母の恋愛』の話だけではない。おっとりと生きてきた一人の女性が結婚し家庭を築き、 母となりどんどん強く自立した女性になっていく。 一つの家族が誕生してから、その役目を終えていくまでの 大河小説だ。 家庭にだって始まりがあり終わりがある。 当たり前だけれど夫婦の形だってずっと同じ...

『母の恋愛』の話だけではない。おっとりと生きてきた一人の女性が結婚し家庭を築き、 母となりどんどん強く自立した女性になっていく。 一つの家族が誕生してから、その役目を終えていくまでの 大河小説だ。 家庭にだって始まりがあり終わりがある。 当たり前だけれど夫婦の形だってずっと同じである保証はどこにもない。 役割も形も変わって行く一つの家庭の、未来へと続く物語でもありました。

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2021/08/29

時代は、まだ携帯の普及していない昭和から平成のはじめか 台詞に方言がないこと、気候や外国人の工場勤務から、G県あたりかと想像した 第一部は、母由紀子のはなし 3人の子を育てるのに、仕事、家事に邁進 つい、兄の智晴を頼り過ぎる アルバイトから正社員になり、おそらく昇進 自分で切り...

時代は、まだ携帯の普及していない昭和から平成のはじめか 台詞に方言がないこと、気候や外国人の工場勤務から、G県あたりかと想像した 第一部は、母由紀子のはなし 3人の子を育てるのに、仕事、家事に邁進 つい、兄の智晴を頼り過ぎる アルバイトから正社員になり、おそらく昇進 自分で切り拓いて行く姿は立派 皮肉なことに、その頑張りすぎが、家族の形が変わる一因になってしまった 別れた夫の父までを気遣うのは、恩義に感じているからなのだろう 第二部は、長男智晴のはなし 「家族は、時々形を変えることがある」 5歳の頃に母由紀子から聞いた言葉を、10年経っても心に刻んでいる智晴 智晴は、親が病気ではないが、いまで言うところのヤングケアラー 平日は、高校生でありながら、主婦同様に家族の世話を一手に引き受けている 周りの全ての人に気を遣う、出来すぎる高校生 もっとわがままにしてもいいのではと思うほど優しい 置かれた立場が、智晴の性格を作ったのか 最終章は爽やかな青春小説 希望が見える終わり方で救われた 文中に どんなに許せないことであっても自分に起こるすべてを、智晴はできるだけ肯定していきたいと思った とある なかなか高校生で言えることではない 私も忘れないようにしよう

Posted byブクログ

2021/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結婚して家族になって、それぞれ両親がいて、3人の子供が産まれる。 親との死別、夫の浮気による夫婦の離婚。夫は新しい妻と家庭を築き、妻は子供3人との母子家庭を始める。 前半は子供たちの母である由紀子の視点で、後半は長男である智晴の視点で描かれている。 前半、出産直後の育児の大変さが、だいぶ丁寧に書かれていて、うんうんまさにその通り!と読む。由紀子がこの大変な中で、夫に不満を言わないことがすごいと思った。 後半、母親を支えようとする智晴の家事育児ぶりが献身的で健気。弟たちが父親に会いたがるのは分かるけど、父親の家庭に遊びに行くことが日常になるってすごいな。それを迎え入れる父親の家庭もすごい。離婚してすぐ新しい家族を作った父親に少しの嫌悪を抱きつつ、周囲の目を気にして新しい恋愛をためらい続ける母親を次第に応援する智晴も、初めての恋愛をし始める。智晴はどこまでも優しい。 智晴が、父親が再婚した女性との子供と、高校で同じクラスになるってすごい設定だけど、実際にもありえる話なのかな。 家族の形は変わることがある。離れて暮らしても、離婚しても、家族は家族のまま。 すごいことだらけだと思いつつも、現実の家族だって、事情も形もそれぞれなのだろうな。 ふむふむ。

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2021/08/16

子ども3人と奥さんいながら浮気をした智久。家族のために身を粉にして働く由紀子。由紀子を助け、親友である大地と彩菜の関係、双子の結衣人と寛人の関係、シリラットや父の家族との関係等、複雑な関係を生きていく智晴。それぞれの想いがあって、それぞれの人生がある。

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2021/08/06

タイトルが、あえてひらがなで書かれているのは、 なぜだろうと思う。母の恋愛と書くと生々しいし、 子どもの立場からとらえた、母の恋愛だからだろう。 子育ての想像以上の大変さ、経験した人にしかわからない あのひとりの時間のなさ。 まるで自分の過去をえがかれてるようだった。 子育て真っ...

タイトルが、あえてひらがなで書かれているのは、 なぜだろうと思う。母の恋愛と書くと生々しいし、 子どもの立場からとらえた、母の恋愛だからだろう。 子育ての想像以上の大変さ、経験した人にしかわからない あのひとりの時間のなさ。 まるで自分の過去をえがかれてるようだった。 子育て真っ最中に読んだら、もっと違う感想を持っただろうか、、、。

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2021/07/18

ははのれんあい、という全部ひらがなの題名に表されているかのように、登場人物の心の揺らぎが、とても穏やかに、シンプルに、でも、確実にこちらの心を揺らしていきます。一部の由紀子、二部の善晴という主人公だけではなく、すべての登場人物の心の波紋も、それぞれに伝わってくるのです。日常の中の...

ははのれんあい、という全部ひらがなの題名に表されているかのように、登場人物の心の揺らぎが、とても穏やかに、シンプルに、でも、確実にこちらの心を揺らしていきます。一部の由紀子、二部の善晴という主人公だけではなく、すべての登場人物の心の波紋も、それぞれに伝わってくるのです。日常の中のささいな違和感とか、すれ違いとか、うまく言えない感じが、いちいちジワッとシンクロしてしまいます。なので、とても読みやすい本、なのですが、読み終えるのにちょっと時間使ってしまいました。何気ない、そして誰にでもあり、特別なことは何もない家族の出来事の積み重ねなのですが、それは小さなストーリーではなく、いま現在の、新しい家族の捉え方という大きなストーリーになっているのが、著者の巧みさなのでしょうか?最後まで読み進めて、この作品が地方紙共同の新聞小説だったのだ、と知り、その読み方、読まれ方がぴったり、と思いました。

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2021/07/17

由紀子の章ではフラストレーションで ちょっとイライラしてしまったが (ザ、昭和の女って感じがな~) 智晴の章は思春期のなんとも言えない 複雑な感情が手に取るようにわかって ムズムズ。 こんなに清純な男子高校生いる? 今どきは多いのかなぁ。

Posted byブクログ

2021/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みやすかった。 前半は母親目線。後半は長男目線で話が進んでいく。 私も母親だけど、智晴目線の方が共感できた。長女だから? また読みたいな。 この文が印象に残った。 人を好きになることは、理屈もなにも通用しない。知らず知らずのうちに台風に巻き込まれるような出来事。自分も、父も巻き込まれた。だからといって、父を100%許せるわけじゃない。けれど、父を許す、という自分は、果たして父よりも上の場所にいるのだろうか、と智晴は思った。 もっともっと勉強したい、今の自分には知らないことが多すぎる。それでも、勉強してもわからないこともあるだろう。自分の自分につながる人たちの心のうち。 父さんを許せなかったこと。それでも父さんが好きなこと。それを素直に言えないこと。それでも、どんなに許せないことであっても自分に起きるすべてを、智晴はできるだけ肯定していきたいと思った。

Posted byブクログ