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ははのれんあい の商品レビュー

3.9

82件のお客様レビュー

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2021/02/18

形を変えながら進んでいく家族の物語。 第一部では、母を中心とした妊娠から長男の出産、子育て、仕事復帰、そしてさらに双子の妊娠と、目まぐるしい日々が描かれています。 第二部は夫との離婚後、長男の智晴が高校生になってからのお話。 たくましくならざるを得ない母。 家の外に居場所を求め...

形を変えながら進んでいく家族の物語。 第一部では、母を中心とした妊娠から長男の出産、子育て、仕事復帰、そしてさらに双子の妊娠と、目まぐるしい日々が描かれています。 第二部は夫との離婚後、長男の智晴が高校生になってからのお話。 たくましくならざるを得ない母。 家の外に居場所を求める夫。 そして離婚…って、本当に読んでて辛くなります。 形が変わっても家族は家族って言うのは簡単だけど、子供がそれを受け入れるのはすごく大変なことだと思います。 それでも第二部では長男の智晴が本当に優しく思いやりがある子に育ってくれていて救われました。 男の子3人のガヤガヤしたカンジも見てて微笑ましかったです。 第一部が結構長いので、タイトルの「ははのれんあい」は少しミスマッチな気がしたのですが、何か他に意味があったりするのでしょうか…? 色々と何となくスッキリしなかったので星3つです。

Posted byブクログ

2021/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み始めてしばらくタイトルの「はは」が誰なのか、誰が「れんあい」をするのか、と全く予想がつかず。 だって「はは」という以上、語り手は子どものわけだし、そうすると主人公の子どもって、まだ幼児だから、姑か?あるいは母親か?と。 結婚して仕事を辞め、夫の家業を手伝いながらの出産。家業の斜陽、子どもを預けての再就職、そして次子の妊娠出産、そんな中での夫の不穏な動き… そんな長い長い導入部からの、「はは」と「僕」の物語にようやく突入。 ここからが、もう、切なくて愛おしくてたまらない。離婚してから母子四人での暮らし。大黒柱である「はは」の代わりに家事を引き受ける高校一年の僕、こと智晴。あぁ、智晴よ、君はなんていい子なんだ。 でも、えてして「いい子」は大人にとってのいい子であるためにたくさんの我慢をする。 智晴の我慢。それを無意識に「我慢だと思わない」ようにすることの、しんどさ。 自分たち母子を捨てた父と、その新しい家族との関係。これは、つらいよな、とつくづく思う。弟たちのように無邪気になれたらどんなに楽だろうか、でもそれが必死に働く母への裏切りのように感じてしまう繊細さ。 読み終わって改めて思う。家族って何だろう。他人同士が知り合って結婚して子どもが生まれ、親が老い、命が消えていく。増えて、減って。そんな一本の道とは別の形の家族も、ある。 それをどう受け入れていくか。 頭で理解していてもそれを心が受け入れるのは難しい。柔らかい心が、たくさんのでこぼこに躓きながら少しずつ鎧をまとっていく。頭と心を自分の中でまとめていく作業。それを支えてくれる祖母や祖父の存在。 あぁ、家族って何なんだろうな、血のつながりって何なんだろうな、と。 わからない。わからないけど、今は、この家族の物語が誰かの心の支えになればいいのに、とそう思う。

Posted byブクログ