ははのれんあい の商品レビュー
ああ、窪さん。 サイコーだ。 なんかもう、最初っからひとごとじゃなくて、感情移入しちゃって、最後は嗚咽しながら完読。 家族のカタチは様々で、それは頭では解ってるけど、難しくて。 智晴がこんなに逞しく優しく育ったのは、周りの大人のおかげ。 あー、ウチの子はどうね?(笑)
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幸せな日常から突然訪れる不幸。健気な智晴の成長を作中で見守っていました。子供思いの由紀子が駅の売店で働くと宣言した時は甚く心配しました。最後は変化に順応できた家族にホッとしました。
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私の選ばなかった道、人生の疑似体験ができた。私は母親ではないし、両親の離婚も経験していない。それでもこの本で書かれる由紀子という母と智晴という息子。彼らの人生を伴走するかのように味わえた。本当に細やかな描写、ちょっとした心の揺れ動き。由紀子も智晴も自分とは正反対の性格なのに感情移...
私の選ばなかった道、人生の疑似体験ができた。私は母親ではないし、両親の離婚も経験していない。それでもこの本で書かれる由紀子という母と智晴という息子。彼らの人生を伴走するかのように味わえた。本当に細やかな描写、ちょっとした心の揺れ動き。由紀子も智晴も自分とは正反対の性格なのに感情移入できてしまった。ただ智晴がちょっと良い子すぎるかなぁという点と、『ははのれんあい』という題名と内容のミスマッチを感じた点は気になった。とはいえ良い本だと思う。窪美澄が心に沁みた。
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疲れてるのかな…最後ずっと涙流しながら読んだ。溢れる涙を止めることができず、理想だって思った。紆余曲折ある人生の中で、結婚、出産、育児、出産、離婚、別れ、たくさんのことを、しなくてもいい経験をし、こうして新しい形になることは理想だ、と。久保さんのこういう話がやはり好き。そして過去...
疲れてるのかな…最後ずっと涙流しながら読んだ。溢れる涙を止めることができず、理想だって思った。紆余曲折ある人生の中で、結婚、出産、育児、出産、離婚、別れ、たくさんのことを、しなくてもいい経験をし、こうして新しい形になることは理想だ、と。久保さんのこういう話がやはり好き。そして過去の作品を含めてこの作品がいちばん好きです。 誰も悪い人が出てこないのがまた泣ける。取った取られたではなく、好きになった。それを認めるってすごく勇気のあること。好きになった、恋を知った。私はまたきっとこの本を読むだろうな。
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夫の夢を聞き、そんな野望があったのか!と驚いて共感し、その夢を私の夢にする!と夫に告げた時のやりとりには、感動した。素敵だと思った。 だのに! 前編は、由紀子が嫁に来て楽しく自営の仕事をする様子など。 その頃が夫婦としては1番幸せだったかも。 そして由紀子が出産して、旦那の実家の...
夫の夢を聞き、そんな野望があったのか!と驚いて共感し、その夢を私の夢にする!と夫に告げた時のやりとりには、感動した。素敵だと思った。 だのに! 前編は、由紀子が嫁に来て楽しく自営の仕事をする様子など。 その頃が夫婦としては1番幸せだったかも。 そして由紀子が出産して、旦那の実家の稼業が傾き、夫も由紀子も違う仕事を見つけ、苦労する話に。 後半は長男の智晴が語る話。 高校生になり、母子家庭なので、食事の準備や家事を担う長男の智晴は、双子の弟の面倒までみて、本当に良い息子。 しかし、れんあいするははの様子が気になる。 智晴は、浮気して他の女の人と再婚した父によって、すごく傷ついている。 ずっとモヤモヤしている。 しかも父と再婚した女の娘が同じクラスにいるのだから、毎日モヤモヤしている。かわいそう。 ラストは乗り越えて爽快。 ははのれんあいによってグレるのではなく、安心して母の幸せを願えるほど成長した智晴がたくましくて泣ける。 いい話だった。 一生懸命な由紀子にも、そんな由紀子を間近で見ていたからこそ頑張っていた智晴にも拍手を送りたい。 窪美澄さんの話は出産の話が多い。 ほとんど読んだが、どれも好き。
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ごく平凡な家族のお話が描かれてる。 共感するとこはあるが退屈で頁が進まない。 文庫落ちにした作家で今回単行本で読んだが 自分の判断に間違えはなかったと確信。 この作家も賞味期限切れ。
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結婚、出産、そして離婚を経たある家族のかたち。妻が仕事を続けることに理解がない夫、離婚後健気に家事を引き受ける長男。 電車の中で一時間もかからずに読み終わってしまった。つまらなくないけれど、面白くもなかった。先がどうなるかのスリル、気の利いた台詞、教訓、感動どれも薄め。 何と...
結婚、出産、そして離婚を経たある家族のかたち。妻が仕事を続けることに理解がない夫、離婚後健気に家事を引き受ける長男。 電車の中で一時間もかからずに読み終わってしまった。つまらなくないけれど、面白くもなかった。先がどうなるかのスリル、気の利いた台詞、教訓、感動どれも薄め。 何とか文学新人賞の佳作ぐらいの感じだった。窪美澄の弟子が書いたのだろうか・・・
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タイトルから想像した内容とはだいぶ違っていて、本作は“家族”のあり方を描いた作品だった。第一部では智久と結婚した由紀子の、第二部では彼らの長男・智晴の視点から、いろいろな理由で変転する家族の姿が描かれる。第一部は彼らの置かれた状況と自分が重なり、読むのがつらかった。第二部では良い...
タイトルから想像した内容とはだいぶ違っていて、本作は“家族”のあり方を描いた作品だった。第一部では智久と結婚した由紀子の、第二部では彼らの長男・智晴の視点から、いろいろな理由で変転する家族の姿が描かれる。第一部は彼らの置かれた状況と自分が重なり、読むのがつらかった。第二部では良い子過ぎる智晴くんが微笑ましく、一転して楽しい読書となった。とても好きな話だった。
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最初から最後まで智晴が不憫だった。子供なのに早くから大人にならざるを得なかったお兄ちゃん。どんな形でも家族は家族というけれど、親の事情は子供には関係ないし、こんなに上手くいくのはやっぱり智晴の我慢と、ものわかりの良さと、優しさのおかげ。 そうは言っても智晴がこんなに思いやりがあっ...
最初から最後まで智晴が不憫だった。子供なのに早くから大人にならざるを得なかったお兄ちゃん。どんな形でも家族は家族というけれど、親の事情は子供には関係ないし、こんなに上手くいくのはやっぱり智晴の我慢と、ものわかりの良さと、優しさのおかげ。 そうは言っても智晴がこんなに思いやりがあって、素敵な男の子に成長したことは嬉しく、終盤、母の恋人に会うシーンでは泣けて泣けて。 由紀子も頑張ってたけど、智晴と由紀子はなんだか親子逆転のような印象。気になったのは、「母さんも幸せになってほしい」と智晴は言うけど、好きな人と結ばれることだけが幸せじゃないよね。由紀子はこんな立派に育った子供たちを持てて、そんな子供たちと過ごせて今も十分幸せだと思う。母も女だから恋をして幸せになっていいというメッセージが際立つのは嫌だな‥‥。結局、智晴というよくできた子だから許されたラストだと思う。 シリラットの言葉「取ったんじゃない。好きになった。智晴君のお父さんと私のお母さんが、お互いを好きになった」この考えだけは容認できないな。
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それぞれの家族のカタチを大河ドラマ風に派手ではないがドラマチックに描いた傑作。著者の人間の機微を知り尽くしたような人物描写は既に巨匠の領域。女性である著者が何故男性の深層心理をここまで表現できるのか。自身が子供3人の父親なので、特に智久の心情や行動原理が手に取るようにわかって共感...
それぞれの家族のカタチを大河ドラマ風に派手ではないがドラマチックに描いた傑作。著者の人間の機微を知り尽くしたような人物描写は既に巨匠の領域。女性である著者が何故男性の深層心理をここまで表現できるのか。自身が子供3人の父親なので、特に智久の心情や行動原理が手に取るようにわかって共感し、感情移入できた。後半、智晴くん視点でストーリが展開して思春期特有の描写は絶妙だが、デキ過ぎな感じは否めず、少し興醒めした。窪氏の最近の作品はハズレがなく、安心して楽しめる。
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