何とかならない時代の幸福論 の商品レビュー
シンパシーとエンパシー、equalityとsamenessの違いなど、現在の日本社会で世代間ギャップとして捉えられているような感覚が可視化されている(世代というくくりではなく、人によるのかもしれないが一般的な傾向として)。しかしながら、この対談の良いところは一方的にイギリス礼賛に...
シンパシーとエンパシー、equalityとsamenessの違いなど、現在の日本社会で世代間ギャップとして捉えられているような感覚が可視化されている(世代というくくりではなく、人によるのかもしれないが一般的な傾向として)。しかしながら、この対談の良いところは一方的にイギリス礼賛にならず、日本の良いところや日本文化に見いだせる希望、およびイギリスの問題点も同時に記述していることにあると思う(異文化であるイギリスの「必ずカウンターがある」カルチャーに長く触れてきた結果なのかもしれない)。 一方で、作品紹介にも書かれているように、2部構成になっている本書のうち、ⅠはNHKEテレの対談を未公開部分含め文字起こししたもの。私は放送を見た後で本書を読んだが、放送を何度も見直している人は、Ⅱのみ読んでも差し支えないかと感じた(Ⅱだけ読んでも十二分に楽しめる)。
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「人間は人を罰するのが大好き」 この言葉は、イギリスに住むみかこさんの息子さんが中学生〜高校生の時に感じて、母親であるみかこさんに発した言葉です。 この言葉から、芸能人の離婚のニュースや、不倫、不正の問題がてんこ盛りのネットニュースに引き込まれがちな自分がいることに気が付きました...
「人間は人を罰するのが大好き」 この言葉は、イギリスに住むみかこさんの息子さんが中学生〜高校生の時に感じて、母親であるみかこさんに発した言葉です。 この言葉から、芸能人の離婚のニュースや、不倫、不正の問題がてんこ盛りのネットニュースに引き込まれがちな自分がいることに気が付きました。
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英国と日本を比べても仕方が無いとは思うのですが、どちらもお互いの相似形というか、将来的にどうなるかという事自体は参考になる部分もあるかもしれません。 英国は社会保障が削減激しく貧困層は相当の貧困らしいので、日本の方がましな感じがしますが、草の根的には英国の方が相互扶助出来ているよ...
英国と日本を比べても仕方が無いとは思うのですが、どちらもお互いの相似形というか、将来的にどうなるかという事自体は参考になる部分もあるかもしれません。 英国は社会保障が削減激しく貧困層は相当の貧困らしいので、日本の方がましな感じがしますが、草の根的には英国の方が相互扶助出来ているようです。 でも日本人は自分が貧困であることを物凄く恥に感じるので、自分と同じ一市民に貧困に対する扶助をしてもらうのは抵抗あるかも。これは自分をひるがえってもそう思うだろうなと。 特に答えの有る対談では無いのですが、色々考えさせられる本です。
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読了! もう少し、軽く読めるかとおもっていたのだけれど 内容は教育や政治、社会のことが書かれた対談になっていて 深い感じのものだった。 イギリスに少しだけ住んでいたこともあって 懐かしいと思いながら、日本との違い、いいところ、これは?と思うところ について読みながら思いを巡らせた...
読了! もう少し、軽く読めるかとおもっていたのだけれど 内容は教育や政治、社会のことが書かれた対談になっていて 深い感じのものだった。 イギリスに少しだけ住んでいたこともあって 懐かしいと思いながら、日本との違い、いいところ、これは?と思うところ について読みながら思いを巡らせた。 他にも読みたい本がたくさんあるので、時間がないのだが もっと、深掘りして読んだらなにか得るものがあるかもしれないとも思った。
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日本人にあるのは「世間」とういう考え方であって、「社会」ではない。 という定義を軸に展開される、「空気を読んでも従わない」を読んだとき、ぼんやりしていた物の焦点がピタリとあった。 その著者である鴻上さんと、「子どもたちの階級闘争」「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」で、イギ...
日本人にあるのは「世間」とういう考え方であって、「社会」ではない。 という定義を軸に展開される、「空気を読んでも従わない」を読んだとき、ぼんやりしていた物の焦点がピタリとあった。 その著者である鴻上さんと、「子どもたちの階級闘争」「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」で、イギリスの格差社会とそこにいる人々、とりわけ若い世代について伝えてくれたブレイディさんの対談が書籍化されたもの。 日本は「社会」という考え方が浸透していないのだなぁ…と改めて思う。 自分に直接かかわる「世間」には敏感だが、自分が直接かかわらない「社会」には無関心になりがち。だから、政治に対する関心も薄いのだろう。 しかし、コロナ禍があり、人々の考え方も少し変わっていたのではないだろうか。 今読むのにぴったりな本だと思う。 ブレイディさんがブレア政権下での多様性教育の改革とその徹底ぶりをかなり評価されていた。日本では、まだスカート丈がとか、Yシャツの下にガラTはダメとか言ってるもんなぁ…とため息が出たが、最近そのブレアさんの租税回避が報道され、なんとも複雑な気分になった。
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イギリスの教育について知ることができた。 無知な私には分かりやすく楽しい本でした。 僕はイエローの本も次読んでみます。
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NHKEテレ「SWICHインタビュー達人達」2020.3.21放送 の対談。プラス後日の対談も所収。 鴻上氏はブレイディみかこさんのご指名。みかこさんは日本の情報源はネットだという。その鴻上氏の「AERA dot.」での人生相談が真正面から長く熱く語っているので、日本の状況につ...
NHKEテレ「SWICHインタビュー達人達」2020.3.21放送 の対談。プラス後日の対談も所収。 鴻上氏はブレイディみかこさんのご指名。みかこさんは日本の情報源はネットだという。その鴻上氏の「AERA dot.」での人生相談が真正面から長く熱く語っているので、日本の状況について学ぶことが多いという。 イギリスでは中学になると「演劇」の科目がある。そこで「役」になることにより、自分では考ええない人物の気持ちを考えるのに大変有効だ、という。自分の気持ちを言葉で表現する教育に重きを置いているという。それは相手の気持ちも分からなければならず、幼児の時から、泣いてる顔、などをみせ、これはどういう気持ちなのか、などとやるという。 鴻上氏は演劇人なので、大変興味をそそられた模様。 なんとイギリスでは教科書がないそうだ。カリキュラムは決まっているので、先生がそれに合わせて教材を作るという。 2021.1.30第1刷 図書館
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なんというか、なんで日本はこんなふうになってしまったんだろうという、悲しさ、絶望を感じた。 読むのが辛いが、現状を知らなければ。 演劇の授業を私も受けたかったなと思った。演劇的な国会中継も気になる。一体どういう感じなんだろう…。 それにしても知らないことが多すぎる。もっとい...
なんというか、なんで日本はこんなふうになってしまったんだろうという、悲しさ、絶望を感じた。 読むのが辛いが、現状を知らなければ。 演劇の授業を私も受けたかったなと思った。演劇的な国会中継も気になる。一体どういう感じなんだろう…。 それにしても知らないことが多すぎる。もっといろいろなジャンルの本を読まなければ。
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タイトルと内容が合っていないのが勿体ない! これは「幸福論」ではなく「教育論」の本です。 子育て中の方々、教育関係者の方々にぜひ読んでもらいたい。 日本の良さも、イギリスの良さも、それぞれの改善点もよくわかる内容で、平衡のとれた意見が多く、思考が刺激されます。 日本は保活が大...
タイトルと内容が合っていないのが勿体ない! これは「幸福論」ではなく「教育論」の本です。 子育て中の方々、教育関係者の方々にぜひ読んでもらいたい。 日本の良さも、イギリスの良さも、それぞれの改善点もよくわかる内容で、平衡のとれた意見が多く、思考が刺激されます。 日本は保活が大変で、自分の第一希望が通らないことがあるけれど、そのぶん保育園に様々なバックグラウンドの子どもが集まる良さがある。 東京藝術大学で演劇が学べないなんて!演劇の役割についての考察。←(わたしはこれをみた時に、東京オリンピックの開会式、閉会式の失敗はこういったことも要因なのでは、と思いました。エンタメやショーが苦手な日本人。アメリカのアメフトのショーにすら負けてますよね…。) ブレイディさんのequalityとsamenessの洞察も興味深い。 鴻上さんが、校則に反発しておられることで有名ですが、ご両親ともに教員だったというのが意外でした。コミュニケーション能力の重要性についても語っておられて、劇団内の人間関係のトラブルは当事者同士をさそって食事に行くと。 確かに、人間関係が上手くいくということは、お互いの考えが同じになるということとイコールではないので、そういったきっかけからお互いを尊重できるように働きかけるのが素晴らしいな、と思いました。 ブレイディさんが、福岡の修猷館高校の出身だと、この本のプロフィールで初めて知りました。優秀な方なんですねー。 お二方の対談、もっと読みたかったです。 それぞれの著書もさらに読みたいと思います。
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コミュニケーションの表現方法を学ぶ手段としての演劇教育は良いと思った。 他人に自分の意見を伝える時、まず自分の意見・考えを正しく捉えるスキル、そしてそれを的確に相手に伝わるように表現するスキルが必要。演劇教育は後者のスキルアップに役立つ。 イギリスにおけるシチズンシップ教育、ラ...
コミュニケーションの表現方法を学ぶ手段としての演劇教育は良いと思った。 他人に自分の意見を伝える時、まず自分の意見・考えを正しく捉えるスキル、そしてそれを的確に相手に伝わるように表現するスキルが必要。演劇教育は後者のスキルアップに役立つ。 イギリスにおけるシチズンシップ教育、ライフスキルズの授業、自分が学生の頃に受けたかったし、やはり義務教育段階で身につけることで、貧困を始めとした生活困窮者は減るのではないか。 日本における道徳教育が現在どのような形で行われているのかは今後調べたいが、怪しさが拭えないと思ってしまった。 まだまだ「世間」が強い現在の日本、世間からはみ出さざるを得なかった人々を救う「社会」を作るために、何ができるか。
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