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ワンダフル・ライフ の商品レビュー

3.9

107件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2023/09/12

エンドロールを読んで、今まで紡がれてきた四編が一挙に繋がり、衝撃を受けた。 私には起きないであろうと勝手に思い込んでいたことが、起きるかもしれないと思った。 あまりにもリアルすぎて、著者が妻とは円満に過ごしているという記載に安心した。 登場人物のすべてがわかった上で、再読す...

エンドロールを読んで、今まで紡がれてきた四編が一挙に繋がり、衝撃を受けた。 私には起きないであろうと勝手に思い込んでいたことが、起きるかもしれないと思った。 あまりにもリアルすぎて、著者が妻とは円満に過ごしているという記載に安心した。 登場人物のすべてがわかった上で、再読するのもいいかもしれない。 「無力の王」、「真昼の月」、「不肖の子」、「仮面の恋」の各四編の(1)が語られ、(2)、(3)と続く構成も、よかった。

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2023/08/02

久しぶりに1日で一気読み。 繋がりそうで繋がらない4つの短編。 繋がりそうで繋がらない4つの短編がどう絡んでいくのか、気になってどんどん読んだ。 最後にびっくり。 障害についていろんな視点から見て、考えさせられる。 ミステリーとして楽しんだ後に、心にずっしりくる感じ。

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2023/07/24

障害のあるなしや、生まれながらや事故でなどそれぞれの事情で色んな人生の短編が並ぶ。いずれも読み応えがあり、最後に驚きが。

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2023/06/03

「無力の王」「真昼の月」「不詳の子」「仮面の恋」 四つのタイトルから成る短編集。 それぞれの男女が最後にどう絡んでくるのかと思ったら、、、そう来たか! そして全然「ワンダフル」な人生じゃなくて、すべてが繋がるにつれて読むのが辛かった。 岩子も摂も、少し何かがズレていたらエンドロ...

「無力の王」「真昼の月」「不詳の子」「仮面の恋」 四つのタイトルから成る短編集。 それぞれの男女が最後にどう絡んでくるのかと思ったら、、、そう来たか! そして全然「ワンダフル」な人生じゃなくて、すべてが繋がるにつれて読むのが辛かった。 岩子も摂も、少し何かがズレていたらエンドロールにあるような幸せな人生を歩めたのにと思うと胸が締め付けられるように切なかった。 でも、GANCOとテルテルの再会だけは可能性あるよね?

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2023/05/14

※ ・ヘルパーの人たちの手を借りながら、 事故で障害を負った妻を自宅で介護する わたしは、昼夜問わず続く自由のない介護と 心が通わなくなった妻との関係に疲れ果てた 日々を送っている。 ・友人の結婚と妊娠の報告を聞いて、上司との 先の見えない不倫関係の行末に思い悩む岩子。 ・出...

※ ・ヘルパーの人たちの手を借りながら、 事故で障害を負った妻を自宅で介護する わたしは、昼夜問わず続く自由のない介護と 心が通わなくなった妻との関係に疲れ果てた 日々を送っている。 ・友人の結婚と妊娠の報告を聞いて、上司との 先の見えない不倫関係の行末に思い悩む岩子。 ・出生時に脳性麻痺になり、介助を受けながら 車椅子で生活するテルテル。 福祉に興味を持つ女子大生のGANCO。 ・熱烈なアプローチの末に摂と結婚した一志は、 子どもの話題をきっかけにギクシャクし始めた 二人の関係を変えようと奮闘している。 状況が異なるカップルたちが抱える問題に 脳性麻痺や頸髄損傷による障害、介護や介助を する側と受ける側が感じている苦悩と不自由さ、 周囲の偏見を掘り下げて詳らかに描いた物語。 名前や情報が曖昧に書かれているので、 きっと別々の様にみせていて、実は複雑に 絡みあってどこかで一つに繋がると思いながら 読んでいましたが、まさかの結末でした。

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2023/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不穏なスタートで始まり、最後まで飽きることなく、 そして最後まで胸に重たい石を抱えた気分のまま読了。 読みながら、このお話はどんなふうに繋がってるんだ?と思いながら、 ヒントを頼りに、ああ、これは長い長いひとつの物語なのかも、と気づく。 それと同時に、作者からの強いメッセージも感じた。 それを受け止めるのは 健常な人間にとってはとても難しいことだ。 人は自分が経験したことからでしか、他人の気持ちや状況を想像したり、理解したりできないものだと思うから。 ただ、この本を読む前と読んだ後では確実に自分の思いは変わったと思う。 ほんの少しの前進だけど、この作者からはいつも気づきをもらえる。 最後に。 この物語にはいくつかのエンディングが描かれている。 願わくば、GANCOとテルテルのエピソードは本物であってほしいと思った。

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2023/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

“当事者にならずとも” 文句しか言ってこない妻を介護する夫。子供を作ることを拒否し、できないとなると養子をもらおうとする妻。不倫相手の子を身籠るOL。障碍者であることを隠しながらメールのやりとりをする男。彼らが最後にとる行動とは。徐々に明らかになっていくなぞとは。考えさせられることが多い。ヒューマンミステリー。 「読み終わった時、あなたはどんな想いになっている」 店頭でこのPOPに煽られていた本書。 私が何を思ったか。 少し綴ろうと思う。 作中で様々な話が出てきた。 「社会思想としてのアーキテクチャ」「障がい者に慣れていない」「介護」…。 これら一つ一つに感じることはある。 その一方で、全てに対して考えると答えが出なかった。 こちらを立てればあちらが立たない状態。 社会として、これらの考えや問題に対して積極的に議論していく必要がある。 ただ、議論の場が整っていない状態で首を突っ込むのは勇気がいる。 でも、誰かが勇気を出さないと始まらないのもまた事実。 誰もリスクはとりたがらない。 守るべきものがある。守りたいものがある。 勇気を出さない人たちが悪いのか。当事者が悪いのか。 こういうと、「国が悪い」と言いたくなる。 責任転嫁。 国が始めたら従っていく。 それじゃ遅いことも分かってる。 現に動いている人がいるのも知っている。 でも動けない。弱い。 それが普通の人間なんだと思う。日本人なんだと思う。 この話を本当に理解するには、自分が当事者にならないと厳しいと思う。 でも、こういう世界があるということを知っていることは大きい。 知れてよかった。 内容に戻る。 ストーリがパーフェクト。 これに尽きる。 最後にかけてのスパート、最高でした。 分かりやすいまとめもついていてとてもよかった 「感嘆の中に潜む憐憫」 「同情されているのは妻ではない。わたしだ。やめろ、同情なんかするな、俺は可哀そうなんかじゃない!俺のことを見下ろすのはやめろ……!」 再び、人と接することの難しさを感じてしまった。

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2023/02/16

心が抉られる。 読み進むに連れワンダフル・ライフから掛け離れタイトルが皮肉に思えて来る。 様々な悩みを持つ四組の男女、其々の物語が順に×3で描かれる。 四つの物語は一見なんの関係性も無い様でいてふと感じる違和感。 その正体と作者の仕掛けに気付いてから一気に面白さが加速する。 ...

心が抉られる。 読み進むに連れワンダフル・ライフから掛け離れタイトルが皮肉に思えて来る。 様々な悩みを持つ四組の男女、其々の物語が順に×3で描かれる。 四つの物語は一見なんの関係性も無い様でいてふと感じる違和感。 その正体と作者の仕掛けに気付いてから一気に面白さが加速する。 根底にあるテーマが障がい者差別だけに、物語としての面白さを味わいつつ、それと並行して自身の心の中を抉られ色々な局面で自分ならどうするか考えさせられる。 構成の妙に唸らされながらミステリーとしても存分に堪能した。 終盤の二転三転も見事としか言えない。

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2023/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東日本大震災という現実社会の出来事も絡めた物語。身体障害に向き合う人のお話ですが、この結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、見方が分かれるところかなと思います。 私は、バッドエンドだとは言えないけれど、かといってハッピーエンドと呼ぶにはちょっと。。。と思いました。読み終えた後悶々としてしまいました。このお話のタイトル「ワンダフルライフ」。 作者の意図が私になかなかすっと理解ができずモヤモヤと心に残る作品でした。

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2022/11/11

『デフ・ヴォイス』シリーズが面白かったので、同じ作者の小説である本書を手に取りました。 先のシリーズ(聴覚障害)とは異なるものの、やはり障害者とその周囲の人々との関係性から、人間のある種の「みにくさ」や、それに負けずにある「美しさ」を描く作品だったと思います。 一つひとつのエ...

『デフ・ヴォイス』シリーズが面白かったので、同じ作者の小説である本書を手に取りました。 先のシリーズ(聴覚障害)とは異なるものの、やはり障害者とその周囲の人々との関係性から、人間のある種の「みにくさ」や、それに負けずにある「美しさ」を描く作品だったと思います。 一つひとつのエピソードの描写は丁寧で、決してつまらない作品ではないのですが、最後まで読み進めて、「あれ、そういうことだったの?」と、作品の全体像を正確につかめていなかったことに気がつき、悶々としてしまいました。 自分の読解力がなかっただけなのでしょうが、もう少しわかりやすい構成であった方がより臨場感をもって作品世界に入り込めたかな、と思います。

Posted byブクログ