1,800円以上の注文で送料無料

ワンダフル・ライフ の商品レビュー

3.9

107件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/12

読み始めてすぐに「あ、これは一度読んだことがある」と思った。でも内容を全く覚えていない。だからもう一度、読むことにした。 (今回は忘れないように、簡単なあらすじを残しておく) 第一章 無力の王 ・ほとんど動くことができない妻を自宅で介護する男性の話。なぜか妻は常に彼にきつく当た...

読み始めてすぐに「あ、これは一度読んだことがある」と思った。でも内容を全く覚えていない。だからもう一度、読むことにした。 (今回は忘れないように、簡単なあらすじを残しておく) 第一章 無力の王 ・ほとんど動くことができない妻を自宅で介護する男性の話。なぜか妻は常に彼にきつく当たり、何をしても感謝の気持ちもない。彼を憎んでいるようにも見える。仕事を辞め、介護中心の彼の唯一の楽しみは、夜中に自分の日常のブログを綴ることだった。 第二章 真昼の月 ・子どもは作らないと決めて結婚した夫婦だったが、夫はやはり自分たちの子どもが欲しくなってしまう。話し合う度にすれ違い、溝が広がる二人。そして夫は妻のある過去を知ってしまう。 第三章 不肖の子 ・会社の上司と不倫をしている女性の話。あるとき上司の父親が病気で倒れた。それを境に連絡も途絶えがちになり、会社での態度も周りが気付くほど余所余所しくなっていく。彼女は思い切って、彼の父親が入院している病院を訪ねるが、そこで衝撃的な事実に直面する。 第四章 仮面の恋 ・無類の映画好きである男女二人が、パソコン通信を通じて心を通わせていく。ある日女性のほうから本人が映った写真が送られてくる。彼女はとても美しかった。そして相手の男性にも「写真を送って欲しい」と言ってきた。でも彼には決してそれが出来ない事情があった。 4組の男女の物語だ。 それぞれが抱える問題は、深刻でとても重い。読んでいる間は出口のない息苦しさを感じ、また自分がいかにこういうことに関わらずに生きてきたかを痛感して更に苦しくなった。 だけど著者による最後の仕掛けにより、今まで読んできた物語がものすごい勢いで巻き戻されて、再び全く違う物語として鮮やかに再生されるとき、めまいに似た衝撃を覚える人もいるのではないだろうか。 なぜこの本を忘れてしまったのだろう。 わたしって馬鹿だなと、つくづく嫌になった。

Posted byブクログ

2024/08/14

面白かった。 でも面白かったと書くべきか迷う… 読みながらパートナーにももしこうだったらどう?とか沢山質問してしまった。 最後に整理するのに時間がかかりました!

Posted byブクログ

2024/08/06

丸山正樹さんの小説は、デフヴォイスシリーズも含め、何冊か読んでいて、いつも偏見のない平らな目線で表現しててすごいな、と思っていたんですが、この小説はその中でも一番な気がします。 といっても、摂さんには共感できないですが…。共感できないなりの納得があるというか…。 ワンダフル・ライ...

丸山正樹さんの小説は、デフヴォイスシリーズも含め、何冊か読んでいて、いつも偏見のない平らな目線で表現しててすごいな、と思っていたんですが、この小説はその中でも一番な気がします。 といっても、摂さんには共感できないですが…。共感できないなりの納得があるというか…。 ワンダフル・ライフ。どこを指していっているのか。それも込みで考えさせられる小説でした。

Posted byブクログ

2024/07/30

今回も初めての作家さんだが、 ここ最近読んだ中で最も面白かった。 いや、面白いというのは語弊か、、面白く楽しい内容、、ではない。 短編集かと思いきや、実は全て繋がっていて驚きの結末、、、 ネタバレせずに表現がなんとも難しいのである。 私にも、脳梗塞を起こし車椅子生活を強いられる...

今回も初めての作家さんだが、 ここ最近読んだ中で最も面白かった。 いや、面白いというのは語弊か、、面白く楽しい内容、、ではない。 短編集かと思いきや、実は全て繋がっていて驚きの結末、、、 ネタバレせずに表現がなんとも難しいのである。 私にも、脳梗塞を起こし車椅子生活を強いられる家族がいるため、障がいのある方について少しは知識があるつもりでいた。(車椅子を介助しての公道での苦労、疲労は嫌というほど身に染みている) が、頸髄損傷者の家庭での介助は、それとは比較できない大変さ。冒頭の「やってられない、本当にやってられない」という叫び、ものすごく響く。 そこからとにかく先が気になり、一気読み。かなり重く考えさせられる物語だが、決して暗くはない。 全てが繋がった時、本当に驚愕のラスト。 ただ、ここで終わる? これのどこがワンダフルライフなのか? これは読んだ人によって捉え方、色々ありそう。ぜひ、多くの人に読んでほしい作品。 それと後で知ったが、この作家さんの奥様が本当に頸髄損傷者で長年介護されているという事で、リアルな描写に納得。 しかし現実生活は小説とは違い、いたって円満だとか、、 いやぁ、私にはできないな〜本当に頭が下がります。 次は「デフ•ヴォイス」ぜひ読もう!

Posted byブクログ

2024/05/21

2024.5.21 別人物だと思って読み進めていたのが最後にスッと繋がって、そういうことだったのか!!と読み直したくなった。こういう構成珍しい。 障がい者についての話、考えさせられるテーマだし、倫理的哲学的な面もあって正解はないんじゃないかな。

Posted byブクログ

2024/05/09

丸山正樹のワンダフル・ライフを読みました。 身障者を題材にした小説です。 妻の介護に疲れる夫、ネットで知り合って障害を持っているので自分を出せないテルテル 短編が最後に全部繋がっていきます。 やるせない結末でした。

Posted byブクログ

2024/04/24

後半ちょっと混乱して何度かページを戻ってしまったし、なんだか納得いかないというか、??となってしまった部分はある。 だけどこの重いテーマを扱いながらどのエピソードにもぐいぐい惹きつけられるものがあって、一気に読んでしまった。 福祉といいながら差別も偽善もごった混ぜのこの社会、わか...

後半ちょっと混乱して何度かページを戻ってしまったし、なんだか納得いかないというか、??となってしまった部分はある。 だけどこの重いテーマを扱いながらどのエピソードにもぐいぐい惹きつけられるものがあって、一気に読んでしまった。 福祉といいながら差別も偽善もごった混ぜのこの社会、わかってる、わかってはいるんだけど難しいんだよー!

Posted byブクログ

2024/03/02

うーん 凄い小説に出会ってしまった 読み終わりの評価は分かれるでしょうが私はとても気に入ってしまった ただ一度の読破では私のレベルでは理解が追いつかないので2回読みくらいが丁度良い感じ もう暫くしてからまた読み返してみたいと思います

Posted byブクログ

2024/02/26

3部構成でやや人間関係や背景など理解しづらい部分はありますが、最終的にはまとまりのある物語。障がいのある方と健常の方での交際や生活のギャップはあり、なかなか健常者にとって受容しがたい部分はあり、障がいがあろうとも交流しがたい社会の根付いた風習があるのは、【ノーマライゼーション】に...

3部構成でやや人間関係や背景など理解しづらい部分はありますが、最終的にはまとまりのある物語。障がいのある方と健常の方での交際や生活のギャップはあり、なかなか健常者にとって受容しがたい部分はあり、障がいがあろうとも交流しがたい社会の根付いた風習があるのは、【ノーマライゼーション】には遠いのかなと思った。その背景には文中にもあった「障がい者の要求」と「健常者の要求」にギャップがあり、衝突しやすいのかと思った。

Posted byブクログ

2024/03/02

無力の王、真昼の月、不肖の子、仮面の恋、の4つのエピソードが時間差で進行していく構成なのだが最後に主人公が同一人物であるとする結末があるがさすがにちょっと無理がある。もうちょっとひねりましょう。

Posted byブクログ