エマニュエル・トッドの思考地図 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
3. 創造 p.114 本を出版したときも、どこの国の誰かもわからない人たちからポジティブな批評が届き、それに励まされたりしました。このように誰かによる温かい励ましというのが常にあったからこそ進んでこられたのだと思います。 4. 視点 p.120 社会をよりよく理解するための条件として挙げれるのは、個人的な経歴や出身地などにおいて、その社会の外側に属している部分があると言うことです。いわゆる、「外在性」です。文化的な意味で社会との間に不一致を抱えていたり、外国出身だったり、あるいは宗教などにおいてマイノリティに所属していたり、とにかく一部が社会の外側にいると言うことが重要です。 p.131 過去の書物を読むことで、現在に囚われない一歩ひいた視点を持つことが可能になるわけです。 5. 分析 p.165 アメリカの社会学者C・ライト・ミルズの著作に「社会学的想像力」というものがありますね。ごく単純に言えば、社会学的想像力とは、個人が日常生活で直面するようにな様々な困難を、社会の構造変化といったマクロな文脈で捉えるような視点を持つことです。 6. 出力 p.177 友達に書くことを目的として、どんどん書いていった結果文章を書けるようになった。 p.178 書きながら考えることはない。
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横断するよう情報収集したものをベースに、 経験や歴史を踏まえて、予測する。 芸術的でプロフェッショナルな仕事。
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学者の人の頭の中は一方通行じゃないというのが具体例で理解することができた。ただ、興味関心の対象が自分自身のものとあまり合わなかった。
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自分に(読者に)語りかけるように、今まで書いてきた本のこと、思考する事でのインプットやアウトプット方法、自分なりの世の中の未来予想など書かれていました。
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トッド自身のこれまでを振り返りながら、その思考プロセスについて書かれた本。歴史的視点の大切さや読書法、データ・現実を重視する視点など、なるほどと思わせる内容。ただ当然と言えばそれまでだが、フランス人学者である著者のヨーロッパ的な考え方がベースにあるため、やや複雑&同意し難...
トッド自身のこれまでを振り返りながら、その思考プロセスについて書かれた本。歴史的視点の大切さや読書法、データ・現実を重視する視点など、なるほどと思わせる内容。ただ当然と言えばそれまでだが、フランス人学者である著者のヨーロッパ的な考え方がベースにあるため、やや複雑&同意し難い記述も見られるように感じた。
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作者をこの本で初めて知ったのだけれど、現実をデータで見るという人の思考について書かれている本。データありきで見ていくことで俯瞰して読み取れる能力があるのだと思う。日本を「まどろんでいる」と表現していたことに衝撃を受けたよ。
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筆者の経歴からしても歴史贔屓が強い面はあるとは思うが、他の学問やビジネスにも適応できるような思考法を、噛み砕いて記述している本だと思う。ただ、本の執筆テーマに沿って筆者の過去のエピソードの挿入が多く、主題がとっ散らかってかえって読みにくいところも。 筆者の主観的な要素が強い本とい...
筆者の経歴からしても歴史贔屓が強い面はあるとは思うが、他の学問やビジネスにも適応できるような思考法を、噛み砕いて記述している本だと思う。ただ、本の執筆テーマに沿って筆者の過去のエピソードの挿入が多く、主題がとっ散らかってかえって読みにくいところも。 筆者の主観的な要素が強い本という点は注意しつつ、総じて四章あたりまでの内容は、これから論文やレポートを初めて書くという大学一年生におすすめしたい本(ファクトファースト、思考から予測への三つのフェーズ等)。作成方法のヒントだけでなく、大学で論文やレポートを執筆する意味や価値を見い出すことができるかも。 p.197に登場した「Hours de moi」(理性を失うこと。直訳すると「自分の外にいる」)は、初めて知ったが、面白いフランス語のフレーズ。この本のここまでにいたる主張に基づくなら、理性を失う状況はむしろ、「自分の内に籠もり、外が見えていない状態」であるという気がするが、対比的にも見える表現をあえてここで登場させているのかな?
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ここにある思考地図はよくある分析アナリストの基本のようなものだ。トッド氏の重要視している点は、事実に基づく統計数値データを如何に先入観なくして分析・出力すること、さらに、史実に基づく歴史観比較が付加されることにある。歴史は繰り返すの如く事件事故、災害も過去の史実が参考になる場合も...
ここにある思考地図はよくある分析アナリストの基本のようなものだ。トッド氏の重要視している点は、事実に基づく統計数値データを如何に先入観なくして分析・出力すること、さらに、史実に基づく歴史観比較が付加されることにある。歴史は繰り返すの如く事件事故、災害も過去の史実が参考になる場合も多く、特に政治家の政策などは「前例」を重視する人間が多いのはそこに理由がある。だが、悪い事に過去20〜30年の歴史でも政府の政策で最新技術を駆逐した対処にはなっていないのが残念だ。今回のコロナ対策で、多くの国々が「マスク・対処機器」がほとんど自国以外であったことの誤りが浮かび上がったことは今後の政策にも参考になったと思う。
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社会を把握するための数字の見方が参考になる。 著者のエマニュエル・トッドは、歴史人口学者であるが、ソ連崩壊やトランプ当選などの予言で知られる。 多くの社会学が、人の主義や価値観について仮説・推論を展開するのに対し、著者のアプローチは各国の人口動態、家族構成などの統計から、人々の...
社会を把握するための数字の見方が参考になる。 著者のエマニュエル・トッドは、歴史人口学者であるが、ソ連崩壊やトランプ当選などの予言で知られる。 多くの社会学が、人の主義や価値観について仮説・推論を展開するのに対し、著者のアプローチは各国の人口動態、家族構成などの統計から、人々の感情を思い浮かべる、経験主義的なものなのが特徴的である。 特に興味深かったのは、統計データの信頼性について、死亡率は嘘がつけないというものだ。著者に言わせれば、物価、GDPなどはサービス経済になってからは何を表すのか分からない。訴訟が増え弁護士の手数料が膨大になることが生産なのだろうか?と言われると確かにその通りと思ってしまう。社会科学においては実験経済学のような、できるだけ科学的にあろうとするアプローチもあるが、そもそもの測るものが間違えていたら結果は意味をなさないことになる… 本人は、数学が得意で哲学が嫌いという道を進んだ結果のように言っていて、随所に現れるフランス哲学の批判、科学的でない社会学の批判は相変わらず面白い。
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トッドの頭の中を覗けるだけでも一読の価値はあった。あの地図をたまに眺めると知的な刺激にもなる。いわゆる常識なるものを疑い、自分なりの仮説を立てて生きていく。流されて生きるよりも生きにくいとは思うが、彼のような軸を持つことがやり方なのでしょう。特にエコーチェンバーやフィルターバブル...
トッドの頭の中を覗けるだけでも一読の価値はあった。あの地図をたまに眺めると知的な刺激にもなる。いわゆる常識なるものを疑い、自分なりの仮説を立てて生きていく。流されて生きるよりも生きにくいとは思うが、彼のような軸を持つことがやり方なのでしょう。特にエコーチェンバーやフィルターバブルの危険性が指摘される昨今では。 彼はヨーロッパでは異端のような扱いを受けることもあるようですが、同調圧力が強いとされる日本では受けがいいですね。なぜなのだろう。
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