旅する練習 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今の世の中が書かれた書籍は初めてだな。旅するなかでの成長した姪。いきなり出てきた女子大生、最後は交通事故で渡せなかったスパイスシューズ。 混乱。
Posted by
我孫子の手賀沼からカシマスタジアムのある鹿島を徒歩で目指すサッカー好きな少女と叔父。利根川沿いを進みながら2人が見る風景は自分がこれまで暮らしてきたこれらの町の風景と重なる。共に旅をしてる気になる描写が読んでいて心地よかった。 旅の始まりから終わりまでがよかっただけに、終わり方が...
我孫子の手賀沼からカシマスタジアムのある鹿島を徒歩で目指すサッカー好きな少女と叔父。利根川沿いを進みながら2人が見る風景は自分がこれまで暮らしてきたこれらの町の風景と重なる。共に旅をしてる気になる描写が読んでいて心地よかった。 旅の始まりから終わりまでがよかっただけに、終わり方が雑な気もしたけど…
Posted by
ロードノベルを読んだのは久しぶりでした。最後に読んだのはなんだったか。そう考えるほど、時代はコロナで様変わりし、そんな小説は初めてでした。 道中、亜美ちゃんが言った「大切なものに、自分を合わせていく」という言葉、大人になった今だからわかる、この難しさともどかしさ。途中みどりさんが...
ロードノベルを読んだのは久しぶりでした。最後に読んだのはなんだったか。そう考えるほど、時代はコロナで様変わりし、そんな小説は初めてでした。 道中、亜美ちゃんが言った「大切なものに、自分を合わせていく」という言葉、大人になった今だからわかる、この難しさともどかしさ。途中みどりさんが仲間になって、幾分賑やかになるところもいいですね。とても面白かったです。
Posted by
評価が高かったので読んでみたが、期待はずれだった。1本の小説の中に違う素材がバラバラに投げ込まれ、それが溶け合っていない印象だ。千葉県我孫子市から茨城県鹿嶋市まで徒歩で旅する話だが、ロードノベルというより観光案内のようだし、やたら詳しい自然描写になんの意味があるのかわからない。妙...
評価が高かったので読んでみたが、期待はずれだった。1本の小説の中に違う素材がバラバラに投げ込まれ、それが溶け合っていない印象だ。千葉県我孫子市から茨城県鹿嶋市まで徒歩で旅する話だが、ロードノベルというより観光案内のようだし、やたら詳しい自然描写になんの意味があるのかわからない。妙に純文学っぽい文章で意味がとりにくいなと思えば、少女とのやりとりはまるでラノベのようだ。話自体は好きだが雑然としていて読みにくかった。ラストは最低。第164回芥川賞候補作。
Posted by
コロナ禍で社会ががらりと変わり始めた2020年春、叔父と少女は小さな旅に出る。 今の出来事や今の気持ちを今のうちに記して伝えておくことの大切さ。忍耐と記憶。 なんてことない風景の描写と旅の記録(まさにロードノベル)で、途中流し読みしてしまったけれど、もう一度じっくり読んでみよう...
コロナ禍で社会ががらりと変わり始めた2020年春、叔父と少女は小さな旅に出る。 今の出来事や今の気持ちを今のうちに記して伝えておくことの大切さ。忍耐と記憶。 なんてことない風景の描写と旅の記録(まさにロードノベル)で、途中流し読みしてしまったけれど、もう一度じっくり読んでみようと思わせるようなラストだった。 けど、この結末はあっけないというか、あまりにもあっさりとしてるなぁ…とも思った。 途中の、(少なくとも私にとっては全くなじみのない地方の)風景の描写や、(これも私にとってあまり関心を持てない)柳田國男ら文豪やジーコのエピソードなどが少しくどく感じるほどだったから、なお最後はあっけなくてあっさりしてると感じてしまった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
芥川賞候補作。 コロナ禍がじわじわと始まった2020年3月、 叔父と小学校を卒業した姪っ子が鹿島まで、 徒歩の旅をする。道中、ひょんなことから 大学生が旅に加わる。 主人公の私(叔父)は塾講師兼小説家。 旅の途中ところどころで「書く練習」をする。 姪っ子の亜美(アビ)はサッカー大好きっ子。 旅でリフティングの練習に余念がない。 道でドリブルもする。天真爛漫。 キャプテン翼の翼君の女子バージョン、 といったところ。 大学4年生のみどりは自信が持てない。 この旅をきっかけに変われるだろうか? 賛否両論の結末は私はアリかなと思いました。 ただあっさりしすぎていたのでもう少し 書き込んでほしかったです。 柳田國男にジーコにおジャ魔女どれみ、 様々な題材が話が進むごとに組み込まれていて 頭を合わせていくのが少し大変。 コロナ禍中の旅、姪っ子の母親はあっさり子を 旅に出したなぁとか、道中、手の消毒の描写は あるけどマスクはしてなさそう?とか、時々感じた 違和感は選評委員の平野啓一郎さんからも 指摘がありました。 「『旅する練習』は、コロナ禍によって非日常性を 導入しているが、感染リスクのみならず、マスクの 着用の有無などを巡って我々が経験したはずの 他者との緊張がなぜか欠落している点が気になった。」 (文藝春秋2020年3月号、P341)
Posted by
物書きの主人公と、サッカー好きの姪の、手賀沼から鹿島までの旅。 とにかく風景描写が美しい。 柳田國男や情景描写を挟みながら本の半分近くまで淡々と話が進むので、『芥川賞候補やから、絶対何かあるはず』と信じて最後まで読み切った。 私自身サッカーにはあまり興味がないし、旅路の土地勘...
物書きの主人公と、サッカー好きの姪の、手賀沼から鹿島までの旅。 とにかく風景描写が美しい。 柳田國男や情景描写を挟みながら本の半分近くまで淡々と話が進むので、『芥川賞候補やから、絶対何かあるはず』と信じて最後まで読み切った。 私自身サッカーにはあまり興味がないし、旅路の土地勘がなく(スマホのマップで所々確認した)、方向音痴の私は方向の説明を読むのが苦手なので、読み終えて疲れた。 でも気が付いたら涙が出ていて止まらなかった
Posted by
芥川賞候補作。 ロードムービーのような物語。 ロードムービーのような展開。 目的地に着いたあと... 芥川賞候補作らしい軽い読み口は、嫌いではない。
Posted by
芥川賞の候補作であることを知らずに読んでいました。 サッカー少女と文筆家の叔父の徒歩での旅。手賀沼から鹿島迄の道のりを歩いていくのですが、僕の親戚が一時手賀沼のほとりの我孫子に住んでいたので、懐かしい地名が沢山出てきました。 しみじみとした2人の姿を少し離れた所で見ているような気...
芥川賞の候補作であることを知らずに読んでいました。 サッカー少女と文筆家の叔父の徒歩での旅。手賀沼から鹿島迄の道のりを歩いていくのですが、僕の親戚が一時手賀沼のほとりの我孫子に住んでいたので、懐かしい地名が沢山出てきました。 しみじみとした2人の姿を少し離れた所で見ているような気持になります。とりたてて大きな事は起きませんが、ずっと見ていられる爽やかさとぼんやりとしたのどかさが心地良いです。 まだ一度しか読んでいませんが、二度目のイメージががらりと変わる事間違いない内容です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人生をブログを書くことに費やしてきた偉人こと乗代さんの作品をはじめて読んだ。いたずらに文章を書きなぐるだけではきっとたどり着けないその魅力的な文体にただただ引きつけられた。 こんな文章が気に入った。 ・「あんまり人をじろじろ見るなよ」 「鳥を見るのはいいのに、なんで人はだめなのさ」 ・ふんふんと生返事でリフティングしながら歩き始めた亜美は、みどりさんに大層ほめられて気を良くしながら、今日はこれ以上明るくなりそうもない一日くもり予報の朝に、ボールの弾む音を響かせる。 ・ひどいとかバカとか叫ぶ亜美の後ろで時計を見ると、もう二時になろうというところだ。 ・どんなものでも死はありふれたものと知りながら、それがもたらすものを我々は計りかねている。それでも何か失われたように感じるのは、生きることが何事かもたらすという思い上がりの裏返しだろうか。 ・ただ大事なのは発願である。 他の作品も読んでみたい。
Posted by