コロナと潜水服 の商品レビュー
ありそうで、なさそうで、 でもやっぱりありえるかも、っていう短編集。 体から力が抜ける、ゆるっとした笑い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ファンタジー的な話は好きではないが、この本は面白かった。 特に「ファイトクラブ」が、良かった‼️早期退職の勧告に抵抗していたおじさま達が追い出し部屋に送られ、何気ないきっかけでボクシングを始め、謎のコーチのもとで熱中していく。そして最後には外国人の窃盗団にも果敢に戦い、邦彦の胸に膨らむのは、「自分は逃げなかった、何かと戦ったという満足感である」と。ボクシングを通して、生き方についても教えられた気がするとコーチに感謝の気持ちでいっぱいになる。『泰然自若』という私の好きな言葉も出てきて、ウルッときた。おすすめです。 今までなぜ痛い思いをするボクシングをやるんだろうと思っていたが、この本を読んでボクシングをする人の気持ちが少しわかった!
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何かで見かけたのですが、奥田さんが「コロナ禍ですが、少しでも楽しんでもらえるものを」と出版されたと記憶しています。その言葉通り、ちょっと笑えてほっこりする短編が5編。 どのお話も不思議な力に導かれてハッピーエンド。主人公がオッサン(失礼)のせいか、その不思議な力を楽しんでいる余...
何かで見かけたのですが、奥田さんが「コロナ禍ですが、少しでも楽しんでもらえるものを」と出版されたと記憶しています。その言葉通り、ちょっと笑えてほっこりする短編が5編。 どのお話も不思議な力に導かれてハッピーエンド。主人公がオッサン(失礼)のせいか、その不思議な力を楽しんでいる余裕もとてもいい。 私自身、そのオッサン達と同世代なのでお話の中に出てくる音楽もとっても好み。それがSpotifyのプレイリストになってるなんて! 奥田さんからステキなギフトをもらった気分です。
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どれも良い作品!「世にも奇妙な〜」に出てきそうな短編で、読後はほっこり。いやミスならぬ、「癒やミス」です。久しぶりに奥田さんの作品をよんだけれど、やはり好きだなあ。
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おっさんの、素朴でホッとするファンタジー小説5編。 重くなく、浮かれてもいない。 普通に暮らしているおじさんが巻き込まれる、少し不思議なワールド。 派手さはない。 でもつまらなくはない。 後味も悪くない。 少しいい話を読んだという感じ。
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ファンタジー短編集!でも、日常のほんとにちょっとした所だけ不思議にしてあるから現実離れしてなくて「ありそう…」て思えるくらい! リストラ候補のおじさん達が会社の追い出し部屋に集められて放課後ファイトクラブする話が1番おもしろかった!笑
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短編集。占い師が面白かったかな。綺麗なのに本人の性格と置かれた環境で幸福度が低いのはもったいないな。彼もどこがいいのか分からん。
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5話からなる。 どれもこれも、奥田英朗氏ワールド! 「海の家」 妻と無言の退避で、葉山の大きな民家を借りた小説家。 毎日、汚れた古いその民家を綺麗に掃除していくうちに、その2階で、子供の足音・・・ そんな生活を少し楽しんでいのだが、夜砂浜で、花火で騒ぐ若者を諭した事で、心肺停止...
5話からなる。 どれもこれも、奥田英朗氏ワールド! 「海の家」 妻と無言の退避で、葉山の大きな民家を借りた小説家。 毎日、汚れた古いその民家を綺麗に掃除していくうちに、その2階で、子供の足音・・・ そんな生活を少し楽しんでいのだが、夜砂浜で、花火で騒ぐ若者を諭した事で、心肺停止に・・・・ でも、そこで、子供の通報おのお陰で、命が、助かるのだけど、・・・・ やはり、最後は、この家は、取り壊されるのだろうなぁ~と思ったら、少し残念な気がしながら、次の2話へ。 「ファイトクラブ」 早期退職の勧告を「否」と答えたら、本当に、今までと違った新設部に異動。 そこは、皆、勧告を断った者が、集結された警備員の仕事場であった。 その倉庫から、色んなスポーツ用品を見つけて、皆、面白半分で、ボクシングを・・・ そこに、ふと、現れた男性が、指導していくうちに、最初は、息の切れるみんなが、このボクシングが、楽しくなっていく。 そして、夜間勤務していた2人は、泥棒を見つけて、戦ってしまった。 この外国人窃盗団が、逮捕されて、新聞やマスコミに報じられると、社内で、大きく取り上げられて、今の隔離されたような仕事場から解放へと、・・・ 指導してくれた男性コーチは、・・・もう10年前に亡くなっているとの事だった。 「占い師」 人気プロ野球との交際をしている女性アナウンサー。 彼の打率などが、悪いと、誰も相手にしないけど、少し、上向きになると、皆が、もてはやすようになる。 隠して、付き合っているけど、結婚前提迄、行かない事に、・・・そこで、占ってもらうのだけど、・・・ この話は、少し、女性のエゴが、象徴されている。 結婚が、収入の多さで、決められているようで、女の杜撰な考えが、同調できなかった。 「コロナと潜水服」 凄いでく、優しいパパである。 このコロナ禍期に、テレワークしないと、いけないのだが、5歳の息子と遊んでやりながら、ふと、この息子の言う事が、コロナが、わかるのかもしれないと、気付いてしまった。 そして、仕事から帰宅した時、息子の態度で、今、自分んもコロナの陽性では、・・・と、それから、防護服を妻に依頼するのだけど、・・・ あったのは、潜水服! しかし、それを着て、息子と外出し、遊ぶパパの度胸(?)と優しさ! 最後は、陰性になったけど、妻は、宿した新しい子からもう、大丈夫の確認(?)を得ていた。 「パンダに乗って」 初代のフィアットのパンダを購入するために、東京から新潟迄、足を運んで、購入することになった直樹。 そこで、色んな場所にカーナビが、連れて行くのだが、・・・・ このパンダを購入した人の思いが、一杯この車に入っていた。 この話は、とても、懐かしい思いに浸れるような感じで、ファンタジック。 おとぎ話のようで、鼻の奥がツーンとしてしまった。 大人の絵本のような感じで、楽しく読んでしまった。
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久々に奥田英朗さんの本を借りた。 ちょっと不思議な話を集めた短編集。 表題作の『コロナと潜水服』、ラストの『パンダに乗って』が心温まる内容で良かった。
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5編からなるオカルトファンタジー短編集。表題作のみコメディ色の強い、作者の真骨頂とも言える構成となっている。 * * * * * 救いの幽霊が登場する「海の家」「ファイトクラブ」、異世界(?)から来たらしい自分と出会う「占い師」、コロナウイルス接近の予知能力を...
5編からなるオカルトファンタジー短編集。表題作のみコメディ色の強い、作者の真骨頂とも言える構成となっている。 * * * * * 救いの幽霊が登場する「海の家」「ファイトクラブ」、異世界(?)から来たらしい自分と出会う「占い師」、コロナウイルス接近の予知能力を持つ幼児が登場する「コロナと潜水服」、そして、大事に乗ってくれるオーナーへの愛情を持つに至った中古車、フィアット・パンダを描く「パンダに乗って」。 荒唐無稽かもしれないけれど「あればいいなあ」と私たちが思いたいようなオカルト現象をうまく物語にしてくれていました。よって読後感もすこぶるよかった。 5つの話に共通するのは、心霊現象に出会う側である主人公が、人生に対して誠実かつ善良に(「占い師」の麻衣子も見ようによってはそうである)向き合おうとしていることです。さらに霊的なものへのリスペクトも忘れていない。だから物事が好転していくのです。 天は自ら助くる者を助く、だろ? 奥田氏のニヤっと笑う顔が目に浮かびます。
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