今夜、すベてのバーで 新装版 の商品レビュー
何かへの依存から脱せないアディクション傾向は、その人の本当の弱さに関係なく自分自身の存在を弱いと思ってしまうことに所以していると思った。 エルヴィス・プレスリーとウィリアム・バロウズ、2人の依存者の比較がおもしろかった。受動的ニヒリズムと能動的ニヒリズムの違いのような印象を受けた...
何かへの依存から脱せないアディクション傾向は、その人の本当の弱さに関係なく自分自身の存在を弱いと思ってしまうことに所以していると思った。 エルヴィス・プレスリーとウィリアム・バロウズ、2人の依存者の比較がおもしろかった。受動的ニヒリズムと能動的ニヒリズムの違いのような印象を受けた。 同じジャンキーでも、湿けた甘えを自分から叩き出した人間には、さらさらした砂のような、あるいは白く輝く骨のような美しさがある。地上の肉を脱ぎ捨てた美しさ。 らもさんの本は初めて読んだけど、自意識の強い主人公の心理描写や情景描写(公園からさやかがやってくる場面は特に!!)が美しく他の本も読みたいと思った。
Posted by
ひたすらお酒がテーマになっているのが面白い。 タイトルだけ見るとおしゃれなバーにくるいろんなお客さんが主人公になる短編集かなにかかと思うが全然違う。 ずっと病院にいて、ずっと胃の辺りが熱くムカムカしている。
Posted by
お酒がテーマのいい話を求めてる人には薦めない アル中が辿る末路、アル中を治療した人の人生が書かれた本だと思った。アル中の人に読むことを薦める。 「きさまの二十年をこの子にやれないのなら、せめて、あやまれ。この子に土下座してあやまれよ」 生きたくても生きれなかった綾瀬少年。 勝...
お酒がテーマのいい話を求めてる人には薦めない アル中が辿る末路、アル中を治療した人の人生が書かれた本だと思った。アル中の人に読むことを薦める。 「きさまの二十年をこの子にやれないのなら、せめて、あやまれ。この子に土下座してあやまれよ」 生きたくても生きれなかった綾瀬少年。 勝手に弱った挙句生きながらえる小島。 世の中理不尽だと思う。私も小島に腹が立った。 悔しさと怒りをはらんだこの言葉を言ってくれた赤河先生が好きです。
Posted by
ここ3、4年ほど 読みたいと思いつつ先延ばしになっていた作品。 これは、ご自身のことを登場人物に投影しているの だろうと想像しながら読んだ。 少年の死は、三婆の会話から なんとなく予想がついた。 先生とのやり取りがコントみたいで 笑えないのに凄く可笑しかった。
Posted by
【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC10011103 【選書ツアーコメント】 「酔わなきゃやってられない」 アルコール依存症で若くして肝硬変を患った男が病院で...
【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC10011103 【選書ツアーコメント】 「酔わなきゃやってられない」 アルコール依存症で若くして肝硬変を患った男が病院での様々な出会いを通して人生を見つめなおす物語です。重くなりがちなテーマに真面目に取り組みながらも軽妙なトーンで、爽やかな読後感。作者自身のアル中体験と幅広い知識に基づくリアリティに、何かに頼らなければ生きていけない人間の悲しさと可笑しさが混ざりあっています。
Posted by
結末がどうだったかはわかんないけど、アルコールを飲んだ時に感じる熱い液体の感覚とかすごい印象的だった
Posted by
アル中について楽しみながら学べて良かった。 しかしアル中のほぼ私小説とすると、作者が主人公に手心を加え過ぎててこれもアル中あるあるパーソナリティなのかな、だかららもは泥酔して亡くなったのだな、などと考えてしまった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
”酒は喉で殺して飲め”という教えがある。そんなことはできない。 アルコールで幻覚を見るということは、重度な依存症だ、通常は酩酊して意識は変容しても、幻覚を見ることはない。怖いのはアルコールを摂取して幻覚を見るのではなく、摂取しないことによる離脱症状で幻覚を見てしまうことだ。本人は精神的な逃げ場がない。 アルコールは日本では寛容に扱われているが、アルコール依存症になると、離脱症状のキツさや依存度は高い。「遅効性のヘロイン」といわれていて、ドラッグの王様にひけをとらない。 中島らもさんはお酒による肝炎で入院した体験をもとにこの本を書き上げたそうだ。2004年にお亡くなりになったが、酒に酔って階段から落ちたことによる脳挫傷が原因だった。ということは、中島さんは再飲酒(スリップ)してしまったことになる。 この本はとにかく文章がかっこ良くて、ワイルドで刹那的な気分にさせてくれる。お酒を飲む人がワイルドで刹那的なのだと思う。飲酒は緩やかな自殺といわれているから・・ 作中で再飲酒するシーンでは、酒飲みの心理を熟知した描写がリアルだ。ふとしたはずみで一口飲んでしまい、「まぁ、たいしたことないかな、、」と思っているうちに、いつのまにやらヘロヘロになっている経緯。わかりすぎる。 この本を原作に柴田恭平、浅野ゆう子、ベンガルでテレビドラマ化もしている、内容が刺激的過ぎた為、放送は1回のみでDVD化もされていません。名作です。
Posted by
中島らも作品初見です。 アルコール依存症について詳しく書いてある参考書 依存症に関する知識が得られる みたいなレビューがあり、だだの小難しい話なのかな と思っていたが実際は導入から最後まで グッとひき込まれる世界観で 主人公、容とその周りに現れる個性的な人達の魅力に惹き込まれて読...
中島らも作品初見です。 アルコール依存症について詳しく書いてある参考書 依存症に関する知識が得られる みたいなレビューがあり、だだの小難しい話なのかな と思っていたが実際は導入から最後まで グッとひき込まれる世界観で 主人公、容とその周りに現れる個性的な人達の魅力に惹き込まれて読み足が遅い僕でもスラスラと読めるほど面白い作品でした。 容と周りの人間の掛け合いが印象的で会話文の雰囲気とても好きです。
Posted by
ビール好きですが、読み終わるとビールではなくお酢ドリンクで乾杯したくなるような本でした。 何事も、"ほどほど"が大切だと改めて感じた。 アル中について深く考えたこともなかったので、心理学的や精神医学的に描かれていておもしろかったなぁ。アル中のことを、無理にポッ...
ビール好きですが、読み終わるとビールではなくお酢ドリンクで乾杯したくなるような本でした。 何事も、"ほどほど"が大切だと改めて感じた。 アル中について深く考えたこともなかったので、心理学的や精神医学的に描かれていておもしろかったなぁ。アル中のことを、無理にポップに明るく書かれている訳ではないが、しっぽりくすっと笑えるような場面もありあっという間に読めました。
Posted by