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オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る の商品レビュー

4.1

211件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2022/09/30

2020年、ロックダウン(都市封鎖)せず、いち早くコロナの封じ込めに成功した台湾の取り組みは、当時世界で高く評価されました。 タン氏の頭に浮かんだ3つのF(Fast:素早く Fair:公平に Fun:楽しく)を軸にしたコロナ政策は、実にわかりやすいものでした。 施策の過程で、...

2020年、ロックダウン(都市封鎖)せず、いち早くコロナの封じ込めに成功した台湾の取り組みは、当時世界で高く評価されました。 タン氏の頭に浮かんだ3つのF(Fast:素早く Fair:公平に Fun:楽しく)を軸にしたコロナ政策は、実にわかりやすいものでした。 施策の過程で、SARSによる手痛い過去の経験が生かされ、デジタルの活用が大いに役立ったことは間違いありません。 ただ、政策の成果(うまくいくのか、いかないのか)の分かれ目は、政府と民間の強い信頼関係にあった、自分は読後そう感じました。 官も民も個も同じ。信頼を築くのがいかに難しく、壊すのがいかに容易いか。 本書が全てを語っているとは決して思いませんが、リアルの台湾はどうなのでしょう。ご存知の方いましたら、ぜひ教えてください。

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2022/09/28

台湾のコロナ防疫施策で「天才」と一躍有名になったオードリー・タン氏。私もコロナをきっかけに知り、この本を手に取った。 デジタル、AIといった得体の知れないもののように感じるものを実例を交えて説明しており、決して脅威ではなく、うまく利用し役立てることがこれから重要になるということ...

台湾のコロナ防疫施策で「天才」と一躍有名になったオードリー・タン氏。私もコロナをきっかけに知り、この本を手に取った。 デジタル、AIといった得体の知れないもののように感じるものを実例を交えて説明しており、決して脅威ではなく、うまく利用し役立てることがこれから重要になるということが良く理解できた。だが本書の良いところは、主題のデジタル、AIについて知ることよりも、オードリー・タン氏の考え方をうかがい知れる点にあると思う。 人様のことを偉そうに評価するつもりはないが、非常に頭のいい方で「天才」と呼ばれるのは良く理解できる。だが、「天才」という言葉よりも「秀才」とか「聡明」という言葉の方が個人的にはしっくりくる。(メディアが「天才」という言葉を乱用しているために、「天才」が安っぽく感じられてしまうせいかなと思う。) 非常に卓越していて視野がとにかく広く、良い意味で人より一つ上のところから世界を見ている感じ。しかも、人に興味があるので色んな意見に耳を傾け、良いものは積極的に取り入れる。それでいて、知的欲求のような興味関心事以外の私利私欲がほとんどない。こういう人が真のリーダーにふさわしいと感じるし、台湾が羨ましくも思う。 中国という脅威が常にある台湾だからこそ、「自由」「民主主義」を非常に大事にする風土が育っており、実際に政治に積極的に関わろうとする人も多い。政府側も柔軟で、民意を反映できるシステムが備わっていて素晴らしいと思った。 オードリー・タン氏についてさらに知りたくなり、また台湾の政治に関してもこれまで以上に興味が湧いたので、他の書籍も今後読みたい。

Posted byブクログ

2022/10/17

オードリー・タン氏は自身がマイノリティであるが故の寛容の精神にあふれ、他者や社会が持つ潜在的な能力を信じる包容力を感じる。それは合理的思考だけでなく、哲学的な素養や倫理的精神の高さに裏付けされている。何よりも驚くべきことは、同氏は自らがデジタルによって問題解決の全てを行おうとする...

オードリー・タン氏は自身がマイノリティであるが故の寛容の精神にあふれ、他者や社会が持つ潜在的な能力を信じる包容力を感じる。それは合理的思考だけでなく、哲学的な素養や倫理的精神の高さに裏付けされている。何よりも驚くべきことは、同氏は自らがデジタルによって問題解決の全てを行おうとするのではなく、人びとが協力して多くの価値を生み出すためにはどうすればいいのかを考え、人びとの共通認識形成と意見交換の場をデジタルによって作り出すことに自らの役割を設定して行動していることだ。今、台湾は中国による脅威に直面しているが、このようなときに同氏が登場し、デジタルの力で民主主義の在り方を国民全体が体現できているところに凄さを感じる。我が国ではDXが叫ばれているが、単なるコストカットの手段にしかなっておらず、社会が抱える根元的な問題解決に向けての改革に繋がっていないことに当方もない無力感を感じる。

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2022/08/30

お名前はよく聞くものの、どういった方なのか詳しく存じ上げなかったので読んでみました。 社会をより良くするために何ができるか、という考え方を見習いたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2020年12月にプレジデント社から発行された書籍。幼い頃からコンピューターに興味を持ち、インターネットで独学した著者は19歳のときにアメリカでのソフトウェア会社起業を経て、Siriの開発にも従事した。台湾に戻ってからコロナ対策としてマスクマップを作った話は有名で、本書でも取り上げている。AIと人間の関係はドラえもんとのび太のようなものと、AIはあくまでも人間を補助するツールにすぎず、人間がAIに使われる心配は杞憂だと説明している。青銀共創やインクルージョンも紹介しており、青年(青)と年配者(銀)の共同作業する活動や、「誰も置き去りにしない」という台湾独自の魅力的な考えについても紹介している。

Posted byブクログ

2022/08/06

新型コロナウィルス対応で名を馳せた台湾の政務委員の思索の書。 デジタル担当だからとりあえずデジタルだ、ネットだ、という方向ではなく、まず公益ありきで、誰も取り残さない公益を得るためにはデジタルの力が欠かせない、という信念とそれに依存しない謙虚さが、その語りから感じられる。 これは...

新型コロナウィルス対応で名を馳せた台湾の政務委員の思索の書。 デジタル担当だからとりあえずデジタルだ、ネットだ、という方向ではなく、まず公益ありきで、誰も取り残さない公益を得るためにはデジタルの力が欠かせない、という信念とそれに依存しない謙虚さが、その語りから感じられる。 これは若いからデジタルに親和性が高いからデジタル担当政務委員、ということではなく、自身に構築された歴史観、倫理観が土台にあることがよくわかる。

Posted byブクログ

2022/07/31

借りたもの。 2020年のパンデミックで国をあげてAIを活用しマスクの配給を迅速に行うシステムを構築したタン氏。 氏が考える、社会に与えるデジタルとAIの可能性――利他的、公益性――を語る。 実現するためには、自発的な利他主義が必要であることを説いているようにも感じた。 いや、む...

借りたもの。 2020年のパンデミックで国をあげてAIを活用しマスクの配給を迅速に行うシステムを構築したタン氏。 氏が考える、社会に与えるデジタルとAIの可能性――利他的、公益性――を語る。 実現するためには、自発的な利他主義が必要であることを説いているようにも感じた。 いや、むしろオードリー・タンというカリスマがITトップにいるからこそ、目的がはっきりとしており、故に国民が協力しているようにも思う。 自身の半生とデジタルに纏わる学習、台湾の歴史を交えながら、デジタルの変容を語っている。 「AIと人間の関係は、ドラえもんとのび太のようなもの」 → AIは人間の説明責任…「何故、そうしなければならないのか」という目的の明確化。 それはデザイン思考に通じる。 そうしてAIを活用・協働し、誰もが心にゆとりを持てる社会をつくる。 「Fast(素早く)」「Fair(公平に)」「Fan(楽しく)」といった「3つのF」というインパクトもあるキャッチフレーズを掲げ、ブレない軸とするデザイン(設計)思考。 デジタル、AIの可能性に対する先見性もさることながら、グローバリズム社会での働き方、分断と対立の危機の中で別の道を提示する希望のようにも思えた。 台湾が移民国であり、それはかつてのアメリカが実現しようとした理想でもあるように思う……アメリカは何だかんだで分断と対立で揺れつつ均衡を保つことを是としているとはまた違う、成熟した資本主義、民主主義を目指そうとしているような。

Posted byブクログ

2022/07/31

あまりこの人を知らない状態で読んだが、ITしか知らないのではなく、哲学にも造詣が深いのが少し意外だった。ITそのものではなく、多様性に対する考え方など参考になった。 シビックハッカーという概念を知り、自分も何か社会に役立つスキルが欲しい…という気になった。 どこまで実情なのかは...

あまりこの人を知らない状態で読んだが、ITしか知らないのではなく、哲学にも造詣が深いのが少し意外だった。ITそのものではなく、多様性に対する考え方など参考になった。 シビックハッカーという概念を知り、自分も何か社会に役立つスキルが欲しい…という気になった。 どこまで実情なのかはわからないものの、台湾の政府と人々の姿勢は素晴らしいと感じた。(台湾という比較的小さく小回りが利く国だからこそできたことも大きいそう。)他にも台湾関係の本を読んでみたい。

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2022/07/10

AIはあくまでも人間を補助するツールである。常に主体は人間である。 寝る前に情報を読み込み、寝ている間に脳が働くことを期待しているというオードリー氏の発言は興味深い。 AIと人間の関係はドラえもんとのび太の関係が良い例の一つである。 オードリー氏はヴィドゲンシュタイン氏や柄...

AIはあくまでも人間を補助するツールである。常に主体は人間である。 寝る前に情報を読み込み、寝ている間に脳が働くことを期待しているというオードリー氏の発言は興味深い。 AIと人間の関係はドラえもんとのび太の関係が良い例の一つである。 オードリー氏はヴィドゲンシュタイン氏や柄谷行人氏の影響を受けている。 どれか1つの主張を選択するのではなく、それぞれの主張の隔たりを明確にして議論を活性化し、そこから共通の価値を見つけることを促す。これがオードリー氏の政治に関わるスタンス。 著者が考えるデジタル民主主義の課題。 インクルージョンが十分に実現できているかどうか。 説明責任が十分になされている状態にあるかどうか。

Posted byブクログ

2022/07/07

難しい!けど、なんとか読み切った感じ。 自分の知らない概念を、丁寧な言葉やわかりやすい例えを使って説明してくれる。 これからの日本とか、これからの政治とか、どの世代の人も未来のために学び方や考え方、感じ方を変えていこうと思わせてくれる一冊。

Posted byブクログ