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オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る の商品レビュー

4.1

211件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2021/03/16

「自分と異なる価値観を知るのは未来を知ること」 「すべてのものにはヒビがある。そして、そこから光が差し込む。」(Anthemより) ハッと目が醒めるような、創造的でポジティブなオードリー・タンの価値観に最初から最後までワクワクしっぱなしだった。 印象的だった5点 ①AIの可...

「自分と異なる価値観を知るのは未来を知ること」 「すべてのものにはヒビがある。そして、そこから光が差し込む。」(Anthemより) ハッと目が醒めるような、創造的でポジティブなオードリー・タンの価値観に最初から最後までワクワクしっぱなしだった。 印象的だった5点 ①AIの可能性 AIが機械的な仕事を肩代わりできる分、人間はより良い公共の価値を生み出そう。 仕事を奪われると危惧するのではなく。 どんな未来に行きたいのか決めるのは人間。その補佐をするのがAI。 ②文学的素養の大切さ プログラミングをはじめ、どんな分野でも頭の中のイメージをコードや言語に落とし込んで初めて形にできる。そこで必要な力が文学的素養。国語力。 ③イノベーションを起こす素養 問題に立ち向かう「自発性」 異なる価値観の「相互理解」 価値観はみんな違うことを理解しつつ、皆が受け入れられる価値観を見つけ出せるのか考えながら共同で作業する「共好(ゴンハオ)」 ④台湾では、行政と市民がネットのプラットフォームやビジコンで繋がって、一緒に社会問題を解決するシステムが作られている。 市民から問題意識と解決のためのプロジェクト案を募集して、政府が実際に取り組んでくれる。 政府の許可を待たずに市民が自主的にNGOなどの組織を起こして活動することもある。 日本では、政治や社会におかしいことがあっても、選挙やデモ参加など間接的にしか問題解決に市民が参加できない状態。 問題があれば自分たちもそれをなくす力になれると市民が思える社会システムが日本にも必要。 ⑤「弱者」の価値観の創造性 マイノリティだからこそ、既存の価値観では見えてない世界が見える。 インクルージョンはイノベーションに繋がる。

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2021/03/14

オードリータンは全般的に、性善説に立脚した思想を持っており、 全ては信頼から成り立っていると説いている。 他者に対して健全な期待感を持っていると同時に、 ・自分は完ぺきではない、 ・間違ったことも当然する 事も認識しており、多種多様な人々との交わりから問題を解決させていくスタイ...

オードリータンは全般的に、性善説に立脚した思想を持っており、 全ては信頼から成り立っていると説いている。 他者に対して健全な期待感を持っていると同時に、 ・自分は完ぺきではない、 ・間違ったことも当然する 事も認識しており、多種多様な人々との交わりから問題を解決させていくスタイルをとっている。 いわば、しっかりとした自己がある上で、他力の積極活用といったところか。 「自分自身も沢山考えるんだけど、無理に悩みを抱えないで!。なんとかなるから」 という独特の思考の安心感を見せている。 【気になった言葉、箇所】 ・私の知識をシェアした人が、その知識を用いて私の望まないことを行わないと言う信頼関係が必要です。 では、その信頼関係をどのようにして構築するか? それはまだ完全には解決していない問題です。 ・すべての人の意見を1人が代弁し(この人が言うなら仕方がない)と言う状況を作ることを避けたいのです。正反対にたくさんの人の意見を1人の意見に置き換えるのではなく、インターネット上で全ての人の意見をまとめる中から共通の価値観を形成することを目指しています。 民主主義には多様な意見が存在するのが前提です。 ・この辺はオープンソースシェアのソフトウェア開発等は当てはまる。ウィキペディアなんかもこの発想です。 ・公共の利益というものを核としてこういった関係性を作っていけることができるかどうかは非常に興味深い。 デジタル空間とはこの辺の可能性を特に実現しやすい場所として考えられている。

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2021/03/18

[オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る] オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る オードリー・タン プレジデント社 本書を読んでいくつも感銘を受けたことがあるが、その第一はデジタル民主主義の指針を示したことにあるのではないかと思う。いわば、民主主義2.0と...

[オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る] オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る オードリー・タン プレジデント社 本書を読んでいくつも感銘を受けたことがあるが、その第一はデジタル民主主義の指針を示したことにあるのではないかと思う。いわば、民主主義2.0とでも言うべきものだ。もちろん、台湾の人々の国民性(どのように、政府も含む他者とどのような関係を取り結ぶかということ)にもかかわるので、一般的な2.0とはならない可能性もあるのだが、特に、日本は民主主義だけではなく、もっと様々なことを台湾から学ばなければならないのではないだろうか。 たとえば、オープンデータについて、様々な試みがあるが、オードリーが日本から学んだという内閣府のRESASのシステムだが、うまく更新ができているのだろうか、あるいは、活用できているのだろうか。オードリーの「よいしょ」としかみえないのだが。 また、オープンガバメントについても、これまた、お上に(長いものに)すぐに巻かれる日本人の国民性とくらべて、いかがだろうか。やはり、ある種の危機感をもった台湾の人々との違いを垣間見る思いがする。 オードリーを年齢とかセクシャリティといった局面で理解しようとする日本の報道がみられるが、ポイントはそちらではないだろう。オードリーの学歴を超越した学びについての視点をこそ、理解すべきではないのか。いかに主体的に学ぶことが大事であるのか、教育する側の視点から脱却できない日本の初等教育からの伝統は、すでに、限界が見えているのではないだろうか。もちろん、教員養成もそうだ。たとえば、典型的には将棋の藤井くんが高校中退を選択したことが、個人の判断の問題と考えられているが、それは、義務教育でもない高校教育が乗り越えられない大きな溝だろう。オードリーは中学を中退したと言っているが(オフィシャルには、義務教育の中学の修了におそらくなっているだろうが、校長がおそらく裁量しているのだろう)、校長が個人的な中退を認めたのは、オードリーがインターネットを通じた自己学習を認定したからということなのだろうと思う。個人の能力や適性に応じて、柔軟に対応できることこそ大切なのであって、尊重すべきは、本人個人の判断であるということが、きわめて重要なのではないだろうか。 日本のだめなところは、まさに、形式主義、悪く言えば、無責任、そうしたシステムがおそらく、滅びの道なのだろうと思えた。 本書をよみながら、インターネットでキーワードを検索しながら理解を深めることができたが、学びのあり方も含めて、様々考えながら読むことができた。 最近の必読書ナンバーワンなのではないだろうか。

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2021/03/14

まず、日本にMTGの大会に参加するために来日していたという事実で一気に親近感を得ました。 1998年ってことはウルザブロックくらいかな?? AIはあくまで補助具のようなもの、大事なのは人間の 「自発性」「相互理解」「共好」。 この方の考え方のすばらしさもさることながら、 何よ...

まず、日本にMTGの大会に参加するために来日していたという事実で一気に親近感を得ました。 1998年ってことはウルザブロックくらいかな?? AIはあくまで補助具のようなもの、大事なのは人間の 「自発性」「相互理解」「共好」。 この方の考え方のすばらしさもさることながら、 何より、台湾の方々の精神がとても建設的、かつ前向きで この土壌にしてこの方ありという思いを、この本から受け取りました。

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2021/03/13

昨年、新型コロナウイルスの対応で一躍有名になった台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タンの本。 まさしく民主主義の理想形を体現しているような人で、このような人を閣僚における台湾という国(厳密にいうと、国ではなくて中華民国という国の地域という扱いだそう)は素晴らしいと思う。 例え...

昨年、新型コロナウイルスの対応で一躍有名になった台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タンの本。 まさしく民主主義の理想形を体現しているような人で、このような人を閣僚における台湾という国(厳密にいうと、国ではなくて中華民国という国の地域という扱いだそう)は素晴らしいと思う。 例えば、「自分精神が健全で安定していれば、自然とスマートで礼儀正しい人間になれる。そういう余裕のある社会を台湾は目指しています。」という考えは本当にすごいと思った。そういう社会を目指していくにあたって、デジタルを積極的に活用しているとのことだ。 日本の閣僚ももっと、高齢であってもいいけど、適材適所な人材配置にならないものだろうか。 5Gについては、都市からではなく、地方から先に進めるという考えは面白かった。新しく最新の整備を整えるとしても、まずは環境が整っていないところからという考えなのだろうと思う。 後、「Humor over Rumor(ユーモアは噂を超える)」という考えも面白いと思った。フェイクニュースを無力化するために、ユーモアを交えながら説明するらしい。確かに、普通に説明されるよりは記憶に残りやすいだろうなと思った。 なお、このアイデアを思いついたのは、睡眠学習を行ったときらしい。寝る前に必要な資料を読み込んで、何も判断せずに寝ると、朝起きたときに回答が思いついてることがあるのだとか。寝てるときに考えたことだから、なぜそれを思いついたのか自分でも検討がつかないらしく、ディープラーニングが判断した理由がわからないことに似ているとのこと。ただ、読んでて常人ではないなとは思った。 なお、著者は中学中退だそうなのだけど、その時の話で周りの人にも恵まれたのだろうなと思った。特に、校長先生がすごい。すでに大学教授とやりとりしている子なら、無理して中学校に通わなくていいと思ったのだろう。中学の校長としてその決断には迷うこともあっただろうけど、その決断にいたったのはすごいと思う。 なお、話題になったマスクの在庫システムについては、著者一人ではなく、いろいろなシッビックハッカーが協力して作り上げたものらしい。ただ、そうはいっても、著者も多いに貢献はしたのだろうと思う。むしろ、誰もが協力して作り上げる環境を作るようにサポートしたとかはあるんじゃないかなと。 後、台湾のピンクマスク事件というものも初めて知ったけど面白かった。「息子がピンクのマスクをしていたら、学校で笑われて恥ずかしい思いをした」という話から、中央感染症式センターの指揮官たちは翌日の記者会見で全員ピンクのマスクで臨んだらしい。そして、「ピンクは良い色ですよ」と語りかけたのだとか。これもまさしく、「Humor over Rumor(ユーモアは噂を超える)」という精神なのだろうなと思った。 なお、Googleのアジア最大の研究開発総本部は台湾にあるらしい。いろいろ、IT企業にとって魅力的なところも多いということなのかな。 後驚いたこととして、著者がプログラミングを習い始めたのは8歳(1981年生まれだそうなので、1989年頃)だそうなのだけど、当時の小学校にプログラミングの授業があったと知って驚いた。カセットテープを使ってプログラミングを読み込ませていたとのことだけど、そんな時期の、さらに小学校でプログラミングの授業なんてあったのかと。自分は小学校どころか、高校(2006年卒業)まで授業内でプログラミングを授業で学んだことはなかったような気がする。パソコンや情報の授業はあったけど、ネチケットや調べ物や資料作成程度しかなかったような気がする。 後、「萌典」という辞書サイトの作成の著者は関与したらしい。名前からして、オタク向け用語辞典かと思ってしまったのだけど、中国語辞典らしい。まあ、「萌え」という言葉にもともと愛着心なんて意味はないしね。この本にもあるように「これから新しいことが始まる」というのが本来の意味だし(URLが「https://www.moedict.tw/」なので、「もえ」という日本語読みが元になってるそうだけど)。 なお、プログラミングをどれだけ上手にかけるかどうかは、母国語の運用能力がどれだけ優れているかによるとのこと。これは、自分にとって耳が痛い話だ…。確かに自分の場合、プログラミングうんぬん以前に、日本語をうまく書けるようになったほうがいいかもしれない。 後、自分知らなかったのだけど、日本には「RESAS」という統計データに基づいて分析するシステムがあるようで、著者はそれに大いに啓発されたとのこと。いわゆるオープンデータだと思うのだけど、こういう取り組みはたしかに地域の活性化の参考に役立つのかもしれない。ちょっと自分でも調べてみようと思った。

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2021/03/13

デジタルが至上、デジタル化すれば問題ない、というものではなく、デジタルはあくまでも手段でしかなく対話を通じて弱者に寄り添うことで課題は解決する、という主張と理解しました。 印象に残ったのは、デジタルと自分を比較してもいつの日か悔しい思いをするだけ、デジタル化によって自分が提供する...

デジタルが至上、デジタル化すれば問題ない、というものではなく、デジタルはあくまでも手段でしかなく対話を通じて弱者に寄り添うことで課題は解決する、という主張と理解しました。 印象に残ったのは、デジタルと自分を比較してもいつの日か悔しい思いをするだけ、デジタル化によって自分が提供する公共の価値を拡大できる、という発想の転換です。これはデジタルだけではなく、人と人との協業にも当てはまる素敵な考え方だなと感じました。

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2021/03/07

少し前に読んだ、「自由への手紙」という同じ著者へのインタビュー集の読了感と同じ感じ。 心地よい読書時間となった。 この著者自身がマイノリティという自覚があるから、人を性別や年齢で区切って判断しない。 そういったことが、寛容さ優しさを醸し出し、謙虚謙遜という言葉が嘘っぽく聞こえ...

少し前に読んだ、「自由への手紙」という同じ著者へのインタビュー集の読了感と同じ感じ。 心地よい読書時間となった。 この著者自身がマイノリティという自覚があるから、人を性別や年齢で区切って判断しない。 そういったことが、寛容さ優しさを醸し出し、謙虚謙遜という言葉が嘘っぽく聞こえない。 すごく自然体で、達観した人だなという印象。 本書の中で、 大きく2つが、行動に変えたいと思った。 まず、子供の探究心を押さえつけてはいけないというご両親の教育に対する考え方、父親のソクラテス式問答等がまず、頭に入れておきたいと思ったこと。ソクラテス問答についても少し学んでいく。 次に、柄谷行人さんという存在。 著者にも大きく影響を与えたという思考についても少し後になるかもしれないけど、積読リストに。

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2021/11/07

昨今ダイバーシティ(多様性)という言葉が持て囃されひとり歩きしているのですが、その中には、多様なうちの1つの性質に属する人たちが、これまでの考えを否定するようなことも起こっています。台湾ではインクルージョンという保守的なありようも多様なありようも同様に認めていこうという考え方があ...

昨今ダイバーシティ(多様性)という言葉が持て囃されひとり歩きしているのですが、その中には、多様なうちの1つの性質に属する人たちが、これまでの考えを否定するようなことも起こっています。台湾ではインクルージョンという保守的なありようも多様なありようも同様に認めていこうという考え方があります。これはわたしの考えでいうと「一般化」の考えに近いと思いますが、理科系であり性マイノリティである(氏は性別を「無」としている)というバックグラウンドから親和性があるのかもしれません。恐れ多いですが、勝手に親近感をいだきました。 議論のさいに何を問題意識とすべきか、そして全体的な方向性は何かということを共有せず細かい批判に終始すると会議はあらぬ方向に行ってしまいますが、世界全体(特に政治の世界)もそのようなことが多いのではないでしょうか。氏は、持続可能な開発、イノベーション、インクルージョンを共有することから始めるのが良いのではないか、という世界観を展開しています。保守も革新もこの「大きな方向性」を大事に議論できるといいですね。

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2021/03/05

【印象に残っている内容】 AIは人間の補助をするものに過ぎない ドラえもんとのび太のような関係で、活用するためには自らの意思が大切。 デジタル社会で求められる素養 自発性 相互理解 共好:お互いの価値を見つけ出すこと。より正確な相互理解のためには必要なスキル 科学では解決できない...

【印象に残っている内容】 AIは人間の補助をするものに過ぎない ドラえもんとのび太のような関係で、活用するためには自らの意思が大切。 デジタル社会で求められる素養 自発性 相互理解 共好:お互いの価値を見つけ出すこと。より正確な相互理解のためには必要なスキル 科学では解決できない問題を解決するために美意識が必要→科学だと同じ答えにたどり着いてしまうため、発想力が重要。

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2021/03/03

プログラミング思考とは、数学のように記憶するのではなく、1つの問題を小さなステップに分けて、複数の人が共同で解決してゆくこととありましたが、まさにその通り!

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