オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る の商品レビュー
AIは「人間をどの方向へ連れていくか」をコントロールするものではなく、「私たちがどの方向へ行きたいか」をリマインドするための存在。 一貫して、こんな人でありたい。こんな社会にしたいというビジョンをところどころで感じた。
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まず、本書が、台湾と日本をオンラインで結び、ディスカッションしながら作られたものであるということに驚いた。コロナ禍において、デジタルとリアルそれぞれの利点をうまく取り入れることによって実現したプロジェクトの好例だと思う。 大切だと感じたのは、氏が繰り返し述べている「自発性」「相...
まず、本書が、台湾と日本をオンラインで結び、ディスカッションしながら作られたものであるということに驚いた。コロナ禍において、デジタルとリアルそれぞれの利点をうまく取り入れることによって実現したプロジェクトの好例だと思う。 大切だと感じたのは、氏が繰り返し述べている「自発性」「相互理解」「共好(互いに交流し、共通の価値を探し出すこと)」というデジタル時代における3つの素養だ。 特に、「相互理解」のための対話の必要性については、トランスジェンダーでもある氏が述べるからこその説得力がある。 今回の東京オリンピック・パラリンピックでは、大会関係者の不適切な言動が幾度も問題になったが、日本では「立場の異なる相手を思いやり、発言に耳を傾ける」ということがまだまだ足りないのではないかと思う。 教育に携わる者として、これからの時代を担っていく子どもたちが、まずはこうした素養を身につけていけるようにしたいと感じた。
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この人の価値は、今後訪れるであろうさまざまな逆境をどうくぐり抜けるかによって決まってくるだろう。今は上手くいきすぎてて何とも言えないが、それでも価値観の幅広さには驚かされる。とりあえずウォッチ。
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AIは目的ではなく手段である、という論調の本を読んだことがあれば、あまり新しいことはないかもしれない、そんな内容。 偶然、読んでいるときに AI兵器についてのテレビ番組がやっていて 国内政治上は本書の通りAIとの共存を考えればいいが 国際的にはそんな甘い考えじゃだめだなと感じた。
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初期コロナを抑え込む立役者となったオードリー・タン氏の考えが知りたくて読んでみた。 台湾は、感染者が1人確認された時点で様々な対策を一気に進めていた。SARSの時の反省点を生かしたらしい。 そして感染拡大防止に成功すると、諸外国の手助けを始めた。 「少数の人が高度な科学的知識を持...
初期コロナを抑え込む立役者となったオードリー・タン氏の考えが知りたくて読んでみた。 台湾は、感染者が1人確認された時点で様々な対策を一気に進めていた。SARSの時の反省点を生かしたらしい。 そして感染拡大防止に成功すると、諸外国の手助けを始めた。 「少数の人が高度な科学的知識を持っているよりも、大多数の人が基本的な知識を持っているほうが重要である」台湾の人々は、SARSの教訓を生かし、政府の発表する情報を真剣に受け止め、知識を深めて行動した。 徹底的に国民の方を向いた、政府の試行錯誤について詳しく書かれている。 台湾人のメンタリティは日本人と似ていると思っていたが、ずっと先進的で、政府との信頼関係もできているようだ。 若者と高齢者が共同でクリエイトする「青銀共創」は、日本でもした方がいいと思う。 デジタルを使って国民の声をすくい上げ、法律や制度をどんどん変えていってるのが頼もしく、羨ましい。 オープン・ガバメント、いいなぁ。日本もそうなって欲しい。 ピンクのマスクのエピソードが素敵。 著者自身は社会をこう変えよう、という考えはなく、ITを使って社会が望むことを実現していくのが役割だそう。だから国民も信頼を置くのね。 日本の「RESAS」というシステムから学んで同じようなシステムを台湾に作ったらしいが、日本人の私、そんなシステムがあるの知らなかったよ。 台湾は、とても民主的な政府と国民を持つ、先進的な国だということがよくわかった。
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ニュートラルで柔らかい思考の持ち主なんだなという印象。人口の違いなどはあれど日本が参考にするべき施策がたくさんあるなと。「青銀共創」という姿勢は大事だなと思った。
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数年前からこの人の名前は聞くようになっていたが、何だか雑多にさまざまな情報があって、いったいどんな人なのか、いまひとつつかめないままだった。 台湾でマスクの在庫が地図上に表示されるアプリとシステムを作ったことにこの人が関与していると知ってから、私の関心は一気にこの人に向くこととな...
数年前からこの人の名前は聞くようになっていたが、何だか雑多にさまざまな情報があって、いったいどんな人なのか、いまひとつつかめないままだった。 台湾でマスクの在庫が地図上に表示されるアプリとシステムを作ったことにこの人が関与していると知ってから、私の関心は一気にこの人に向くこととなり、TVやネット記事で特集があれば必ず見るようになった。そしてもちろんこの本も読むこととなる。 子供の頃から本物の天才だったのはわかるし、両親の育て方が良かったことももちろんあるのだが、この人の特筆すべき点は、人間に対する理解と思いやりまでもが、天才的だということ。そして、自分の能力をビジネスで生かすという考えは20代で卒業してしまい、社会貢献に向いているということ。デジタルテクノロジーをどう社会に役立てるかというと、僻地教育や、年寄りのIT利用まで、そういった人たちこそ、ITをどう活用するかを考える。とにかく、社会でITに置いてけぼりになる人を作らない考え方をし、そしてその実現に寄与している。こういったことは、民間任せにするべきではないと思うのだが、日本では完全に抜け落ちてしまっている。教育現場で生徒に貸与するタブレットが問題になってしまうという、教育現場でのIT活用の、入口からほとんど進んでいないのが日本だ。 そしてもう一つ重要なのは、この人がそうすることができる環境が、台湾にあること。この本にも書かれているが、2014年の台湾における「ひまわり学生運動」の影響は大きいのだろう。若者の意見が政治に反映され、一般人が政治に対する当事者意識をもって参加しているようだ。日本には政治に対してだけでなく、社会全体も、どこか諦めたような、白けたムードが蔓延してしまっているが、少なくともこの本に書かれている台湾からはそれを感じられない。台湾に移住しようかという考えが、一瞬だけ私の頭をよぎったほどだ。ネット上で、世界から「日本は別の惑星」という褒められ方もしているけれども、台湾のほうが別の惑星なのではないか。日本は台湾の後塵を拝してしまっているとしか思えない。 社会が変わるために、こういった天才が必要だとは思わないのだが、こういう人が日本で活躍できる素地があるだろうかというと、だ。ただ、学べる見本が身近にあり、国家間の関係も良好であるというのは、日本にとって不幸中の幸いかもしれない。台湾から学べと思っている人がどれほどいるかはわからないが。ひろゆき氏が日本政府に助言をするようになっているというのは、良い兆候だと思いたい。
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オードリー・タンのような人を政府の要職につける政権や世論が、何より良い社会の証明ではないかな。日本にできたデジタル庁に関する報道に触れると、そう思う。本書で語られるオードリー・タンの言葉は、彼の考える理想であって、現実との乖離はあると割り引いてみても、やはり、なお、そう思う
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
テレビで何度かインタビューを見て興味をもったオードリー・タンさん。オードリーさんの考えをもっと知りたくて読みました。 「天才」という表現が興味を引いたきっかけではありましたが、AIやデジタルに明るくなく難しいかなと不安でした。実際に、専門的なことは理解できませんでしたが、オードリーさんの考え方に共感する点がありました。 ひとつ目は、「AIは『私たちがどの方向へ行きたいのか』をリマインドするための存在」ということです。 AIの発展で失業者が増えると私も聞いたことがありますが、オードリーさんはこれに異を唱えています。AIが発展すれば人間は働かなくて良いというわけではないということだと私は解釈しましたが、AIの発展によって今の仕事・業務・作業から開放され、その開放された時間をどう使うかが大事なのではないでしょうか。ようは、AIによって開放された時間をもっと違うこと、自分にしかできないこと、自分が本来やりたいことに使うことで、より人は社会に貢献でき、社会がより豊かになっていくのだと思いました。 なので、AIの発展により失業すると怯えるのではなく、より自分が成長できる方法を考えるというのが今の私達に求められていることだと思いました。
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あくまでAIは人間の補助的役割であり、これを含むデジタル技術を活用して、公共の利益の達成、社会の前進を目指して、我々一人一人が必要な素養(自発性・相互理解・共同作業)や思考法(プログラミング思考・アート・デザイン思考)が重要であると理解した。 達成するキーワードは3つ 持続可能な...
あくまでAIは人間の補助的役割であり、これを含むデジタル技術を活用して、公共の利益の達成、社会の前進を目指して、我々一人一人が必要な素養(自発性・相互理解・共同作業)や思考法(プログラミング思考・アート・デザイン思考)が重要であると理解した。 達成するキーワードは3つ 持続可能な発展、イノベーション、インクルージョン 素養について、マインドや心構えについてももう少し筆者の考えや思いを知りたいと感じました。(稲盛和夫さんの、考え方に近い思想をお持ちだと感じました。)
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