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どうしてわたしはあの子じゃないの の商品レビュー

3.7

137件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    56

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    3

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2021/07/31

男尊女卑にしがみついた閉鎖的な田舎でかつての思春期時代を過ごした男女3人の物語。瑞々しく綴られる心理描写がとても好み。私はどうしても天のような生き方に憧れてしまうけれど、他人の感想を読むと誰に共感するかが人によって全く違っていて面白いと思った。それぞれの登場人物の関係性の、なんと...

男尊女卑にしがみついた閉鎖的な田舎でかつての思春期時代を過ごした男女3人の物語。瑞々しく綴られる心理描写がとても好み。私はどうしても天のような生き方に憧れてしまうけれど、他人の感想を読むと誰に共感するかが人によって全く違っていて面白いと思った。それぞれの登場人物の関係性の、なんというか湿度(?)が心地よかったです。作者の他の作品も読んでみます。

Posted byブクログ

2021/07/22

【「どうしてわたしはあの子じゃないの」って思ったことがある人に、おすすめの本】 恥ずかしながら、ボクは小学生の頃、よくこんなことを思っていた。 ブクログでこの本の、タイトルを見つけたときに、嬉しいような、驚いたようななんとも言えない気持ちになった。 誰にでも、相手を羨ましく思...

【「どうしてわたしはあの子じゃないの」って思ったことがある人に、おすすめの本】 恥ずかしながら、ボクは小学生の頃、よくこんなことを思っていた。 ブクログでこの本の、タイトルを見つけたときに、嬉しいような、驚いたようななんとも言えない気持ちになった。 誰にでも、相手を羨ましく思う気持ちはもっていると思う。その思いの大小は関係ないが、そんな気持ちをどうやって自分の中で処理していくのか。中学生の男女3人が少しずつ歩みを進めていく物語。

Posted byブクログ

2021/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の天が自分自身を受け入れて吹っ切れる瞬間の言葉がとても潔くて好きなシーン。 「もう、わたしでいいや。どうしてわたしはあの子じゃないんだろう、っていつも誰かをうらやましがっていた。でもわたしはやっぱり他人の必死さを笑ったり、心配するふりして気持ちよくなったりする側より、笑われる側にいたほうがずっといい。」 はたまた天の言葉にハッとさせられる。 「他人に「しっかりしないとね」って言えるような生きかたのほうが、たぶん正直。そして人生は正解に沿って生きる方がきっと楽、自分の頭で考えなくてすむから。」 天の素直に突き抜けていく感じが気持ちよくて、心地良くて、とても好きだ。 寺地さんの作品は物語にクセは無い。日常にある出来事から反応する感情にフォーカスを当てている。抱えがちな感情を包み込みながら掬い出して放ってくれる温かさがある。不思議だなぁなんでだろ。

Posted byブクログ

2021/07/14

学生時代はさほど差がないのに、年齢を重ねるほどにそれぞれの生活に差が出てくる。どのタイミングで会うか、まったく会わないかというのは難しいと思う。同窓会にまったく興味のないあたしなら、誘われても丁寧にお断りするけど(笑)。今さら会っても話すことないわ。

Posted byブクログ

2021/07/05

この題名の言葉を誰が言っているのか、読んだ人は割とすぐ分かるかもしれません。 子供の頃、自分が好きでは無かったので、同級生がやけに優秀に見えて劣等感を感じていました。 都会に憧れ、我が道を突き進む少女「天」、ほんわか美少女転校生。家庭が複雑な「ミナ」、容姿が恵まれている事にコンプ...

この題名の言葉を誰が言っているのか、読んだ人は割とすぐ分かるかもしれません。 子供の頃、自分が好きでは無かったので、同級生がやけに優秀に見えて劣等感を感じていました。 都会に憧れ、我が道を突き進む少女「天」、ほんわか美少女転校生。家庭が複雑な「ミナ」、容姿が恵まれている事にコンプレックスを感じる少年「フジオ」。 3人が中学卒業を最後に離れ離れになり、10数年ぶりに故郷で再会する事を約束します。 10数年前に有った出来事が彼らにどんな未来を選ばせたのかを、3人の目を通して少しづつ語られます。結構さくさく読める本なのに、しっかりとエピソードが盛り込まれていて、寺地さんらしい丹念さが有ります。彼女の真骨頂はこの作風です。 人生半ばを過ぎると色々な事が許せるようになってきますが、若い時に一番許せないのは自分ではないかと今強く思います。この本でも結局は全員が自分と向き合う事が出来ず、結果人の事を傷つけたりしてしまいますが、時間と空間を消費していく中で過去の自分を許せるようになっています。 選択できる未来は減っているように見えても、自分で選んでいい権利を得ている力強さを発揮しないと、大人になった意味が無いですから。

Posted byブクログ

2021/06/15

天が真っ直ぐで好きだった。田舎の閉鎖的な環境の中で偏った価値観の中で押しつぶされそうでも自分軸を持っていておかしい事はおかしいって言えるの良い。 ミナもフジオもそんな天に魅力を感じていて天は天で2人の事を羨ましく思う部分があって。天は今の環境から抜け出す事ばかり考えててフジオは天...

天が真っ直ぐで好きだった。田舎の閉鎖的な環境の中で偏った価値観の中で押しつぶされそうでも自分軸を持っていておかしい事はおかしいって言えるの良い。 ミナもフジオもそんな天に魅力を感じていて天は天で2人の事を羨ましく思う部分があって。天は今の環境から抜け出す事ばかり考えててフジオは天を好きだが気付かれてなく、ミナはフジオを好きで苦しくってって。そんな思いが交差してある事件が起こるのだが読んでいて思春期ならでは特有の空気感が伝わってきた。最後はそれぞれ過去と相手にも自分と対峙できて爽快感があり面白かった。私は自分と対峙できているのだろか。自分は自分にしかなれないから嫌な所も含めてこれが自分だと腹をくくって自分の人生を作って生きたいです。

Posted byブクログ

2021/06/10

話すべきこと、話すべきではないこと。兎角ヒトの世は難しい。みんな秘密を抱えて生きてるつもりでも、実はみんな知っている…神さまから見ると地上は喜劇ばかり。「日常をよりよく生きることこそが祈り」「どうしてわたしはあの子じゃないんだろう、っていつも誰かをうらやましがってた。でもわたしは...

話すべきこと、話すべきではないこと。兎角ヒトの世は難しい。みんな秘密を抱えて生きてるつもりでも、実はみんな知っている…神さまから見ると地上は喜劇ばかり。「日常をよりよく生きることこそが祈り」「どうしてわたしはあの子じゃないんだろう、っていつも誰かをうらやましがってた。でもわたしはやっぱり他人の必死さを笑ったり、心配するふりして気持ちよくなったりする側より、笑われる側にいるほうがずっといい」

Posted byブクログ

2021/06/06

胸を締め付けられるような苦しさが、読んでいる途中、そして読んだ後も続いて、大きく深呼吸をしないと動けない自分がいた。。。 天、ミナ、藤生、五十嵐、それぞれのアイデンティティが絡み合い確立される過程の話だと思う。特に天は個性的であるが故に周囲の人に理解されないのだが、反対にミナは...

胸を締め付けられるような苦しさが、読んでいる途中、そして読んだ後も続いて、大きく深呼吸をしないと動けない自分がいた。。。 天、ミナ、藤生、五十嵐、それぞれのアイデンティティが絡み合い確立される過程の話だと思う。特に天は個性的であるが故に周囲の人に理解されないのだが、反対にミナは自分を押さえるばかりで。だからこそ二人は親友なのかもしれない。 「あなたはあなたにしかなれない」この言葉をどう捉えるかは各人各様だが、自分は残念な気持ちになってしまった。 ただ、遠藤さんの「神さまは見とらすとよ。みんなのことをぜんぶ。ただ見とらすだけ…」の言葉に救われた気がする。

Posted byブクログ

2021/06/02

懐かしい九州の方言で、遠藤さんの言葉が優しく染み入った。「神さまは見とらすよ。みんなのことをぜんぶ。でもただ見とらすだけ。そいけん、ずるくてもよかっちゃないとね」 他人のことを羨む気持ち、ずるをしてしまう瞬間があってもいいんだって。その言葉だけで、気持ちが軽くなる気がする。

Posted byブクログ

2021/05/08

肘差って、他の作品でも見たな、既視感ありました。閉鎖的社会の雰囲気がリアルで、体験されたんでしょうか。小さい社会で、だれかがだれかと結びついてる、実に息苦しくて、胸が潰れるような感覚がひしひしと伝わってきました。そして中学生のウズウズともどかしい感じ、こんなだったかなあ、と思わさ...

肘差って、他の作品でも見たな、既視感ありました。閉鎖的社会の雰囲気がリアルで、体験されたんでしょうか。小さい社会で、だれかがだれかと結びついてる、実に息苦しくて、胸が潰れるような感覚がひしひしと伝わってきました。そして中学生のウズウズともどかしい感じ、こんなだったかなあ、と思わされました。天はこんなにかっこいいのに、小説には反映されないんだなあ。

Posted byブクログ