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おもかげ の商品レビュー

3.8

150件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    38

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

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2022/01/06

最初の、勤めていた社長が病室を訪ねてくるエピソードにインパクトを感じ、続きを待ちながら読み進むが物語はだんだん違う方向にそれていき、全体として散漫な印象を受けた。地下鉄で倒れ、昏睡状態に陥った竹脇は社長が感じている印象である、誠実だが損な役回りの人をもっと読みたかった。 同じ世代...

最初の、勤めていた社長が病室を訪ねてくるエピソードにインパクトを感じ、続きを待ちながら読み進むが物語はだんだん違う方向にそれていき、全体として散漫な印象を受けた。地下鉄で倒れ、昏睡状態に陥った竹脇は社長が感じている印象である、誠実だが損な役回りの人をもっと読みたかった。 同じ世代ではないはずだけど、どこか懐かしくなるような過去の描写がとても印象的。

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2022/01/06

此岸と彼岸を挟んだ物語。 ちょっと切なくちょっとホッコリ。人間関係だけを言えば幸せな人生。心配したけど、最期はホッとした。

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2021/12/07

数日かけて読むつもりが1日で読み切りました。 それくらいどんどん読み続けたくなる文章と構成で綴られており、そこは浅田次郎さんのお上手なところだなあと感じます。 主人公による語りだけでなく、主人公の周りの人々の視点からの語りがあることで、主人公の人生の物語としてだけでなく、本人と...

数日かけて読むつもりが1日で読み切りました。 それくらいどんどん読み続けたくなる文章と構成で綴られており、そこは浅田次郎さんのお上手なところだなあと感じます。 主人公による語りだけでなく、主人公の周りの人々の視点からの語りがあることで、主人公の人生の物語としてだけでなく、本人と他人からみたその人での見方、感じ方の違いみたいなところにも面白さがありました。 ただ、最後まで読んでの感想としてはどうも腑に落ちないと言うか、スッキリし切れない部分もあり、読了後の後味はあまり良くなかったです。 内容としても割と『地下鉄に乗って』と通ずるところが多いように思いますが、個人的な感想としての面白くてスイスイ読み進めてしまったんだけど最後の方でモヤモヤが生まれてそのまま終了、という部分でも共通していました。。 今作ではラストのラストで希望の光が見えた点は良かったです。 モヤモヤしたポイントとしては、主人公や妻の考え方に一貫性がないように感じたところ(特に最後の方言ってることがコロコロ変わっていたような気がした)。 結局峰子が子を棄てた理由にイマイチ納得できなかったところ(峰子なら助けてくれる人を見つけることが出来たと思う、誰でもいいわけじゃないのは分かるけど棄てること無かったんじゃないか)。赤ちゃん視点になった主人公の言動に若干の気持ち悪さを感じたところ(これは完全に個人的な感想)。等がありますが、やっぱり著者と自分との世代間ギャップが大きいのかもしれません。 そもそも主人公が60代男性なので当たり前の話にはなってしまうのかもしれませんが、全体的に昭和的な考え方だったり、根っこに男尊女卑的な価値観があるのが浮き出てきてしまっているような印象はあります。これは地下鉄に乗ってでも感じたと思います。 あとは、最初は素敵だなと感じるロマンチックな文章や内容が、最後の方になってくると若干くどくなってそれが気持ち悪さみたいなものに変わってくるのかもしれないです。タルト食べ放題のときと同じ感じ。 個人的には5章までは好きでした。 なんか、不幸とか不遇とか悲劇的なものが最終的に美化されていくような内容で、シェイクスピアとかお好きなのかな?とか思ったり。もっとも、私はシェイクスピアを文章で読んだことは無いのですが…。 浅田次郎さんはおそらく東京が大好きで、地下鉄には特別な思いがあり、戦後辺りの時代に相当思いを馳せていらっしゃるのだろうなあ、と『地下鉄に乗って』と今作しか読んでいない私は思いました。 この方が思いっきり現代の日本に目を向けた作品とかを読んでみたいですね。文句だらけでも良いので…笑

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2021/11/30

一生懸命に生きた男の物語。謎の女性たちは全て地下鉄の中でつながる。それがわかった時、涙が溢れ出てしまった。

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2022/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【あらすじ】 棄児という辛い過去や幼い息子を亡くした悲しみを内に秘めながらも、エリートとして生きてきた竹脇正一。彼は定年退職の日に地下鉄で倒れ、生死の境を彷徨うこととなる。病床に横たわりながらも、竹脇の意識は3人の魅力的な女性たちと幸福に満ちたひとときを過ごす。そして自らの出自に触れる。地下鉄を中心として、竹脇、そして彼をとりまく人々の想いが交錯する。 【感想】 流れるようなストーリー展開で、スーッと読めた。最後は泣けた。竹脇が女性たちやカッちゃんと過ごす描写が、現実と非現実の間を気持ちよく揺られされているような気分になった。最後にこのストーリーが地下鉄を中心として展開されていることに気がついた。人生は、幸不幸に二分されるものではないなと感じた。

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2021/11/25

孤児ながらも努力を重ねてエリート商社マンとなり、定年退職した主人公が、送別会の帰りにメトロで倒れてしまう。 主人公は入院先では生死を彷徨う中で、それまでの人生を振り返る、夢か現実か分からないような不思議な体験を、メトロに乗りながら過ごします。 最初は主人公の悲哀ばかりが目立ち辛い...

孤児ながらも努力を重ねてエリート商社マンとなり、定年退職した主人公が、送別会の帰りにメトロで倒れてしまう。 主人公は入院先では生死を彷徨う中で、それまでの人生を振り返る、夢か現実か分からないような不思議な体験を、メトロに乗りながら過ごします。 最初は主人公の悲哀ばかりが目立ち辛いですが、まさかの結末もあり、最後にはホッコリとした気持ちになりました。

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2021/11/12

少し自分にとっては難しい内容ではあったが、1人の60年間の生き様を読みながら覗くことができて面白かった。 特に最後の部分は一気に伏線回収ができてずっと物語全体を理解することができた。

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2021/11/09

3.8 人の営みは、命を繋ぐこと。過去を封印して来た男の出世の秘密が明らかになっていく。伏線は、結末に向けて回収されて行きます。浅田次郎は、女性の一生を描くのが上手いね。

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2021/10/13

これは誰にでも起こりうる事なのだろうか?それとも正一だけに起こったクリスマスの奇跡なのか?(゜゜;)どちらにしても、真っ当な人生を送った人にしか起こらないんだろうな(^^;)中江有里さんの外切が嬉しい♪

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2021/10/10

ぐっとくる物語 浅田ワールド全開のファンタジーストーリ これまた、地下鉄がキーワードになっています。 ストーリとしては、 エリート会社員の竹脇は定年の送別会の帰り、地下鉄で倒れて意識不明の状態に。病院には家族、友達が見舞いに訪れますが、そこで徐々に明かされる竹脇の人間関係、生涯...

ぐっとくる物語 浅田ワールド全開のファンタジーストーリ これまた、地下鉄がキーワードになっています。 ストーリとしては、 エリート会社員の竹脇は定年の送別会の帰り、地下鉄で倒れて意識不明の状態に。病院には家族、友達が見舞いに訪れますが、そこで徐々に明かされる竹脇の人間関係、生涯。 さらに、竹脇の心は幽体離脱のように、この世と幻想?の世界を彷徨います。 その世界で出会った様々な人たち。交わされる会話から、自身の幼少期から人生を振り返ることになります。 そして、語られる最終章はずるい! 今までの伏線がすべて回収され、エンディングに向けて昇華されます。 熱いものがこみ上げます。 これまた、切ないながらも暖かい! とってもお勧め!

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