一橋桐子(76)の犯罪日記 の商品レビュー

原田ひ香(著者)

2023/02/28

親の介護問題、老人の仕事問題、孤独死、生活問題・・・
読んでいて、けっして他人事ではない！

テレビドラマを見た後だが、
原作本のほうが、しっくりする。

やはり、桐子さんの人柄が、すべての鍵。

2023/02/16

万引、偽札、闇金、詐欺、誘拐、殺人、目次に物騒なタイトルが並ぶ。

一橋桐子76歳、家族もおらず唯一の親友、トモは病気で亡くなり天涯孤独の身の上に。
刑務所で暮す事のメリットに気付いた桐子は、少しでも長く刑務所にいられる犯罪を模索し始める。

なんとも奇想天外な物語だが背景には高齢者の抱える孤独や金銭的、身体的不安があり笑うに笑えない。

桐子の慎ましく丁寧な暮らし方と真面目で優しい性格に触れるたびに、刑務所なんかじゃなく高齢者が心安らげる居場所がないものかと思う。

「情けは人のためならず」
桐子の結末にこのことわざが過る。

2023/02/11

最近、映像化された作品
ムショ活扱いのコメディ調なドラマよりも、小説の方が切実な感じがします
筋書きも、だいぶ違いました

切羽詰まってもどこからか救いの手が差し伸べられる、そんな社会であって欲しいですね
「人を不安にしておくのが一番罪なことではないのか」、そんなことが考えられる人ばかりならばいいのに・・・

2023/02/05

原田ひ香さんの作品は、本当に面白い❣️NHKでドラマ化されて、原作をぜひ読みたいと思ってました。テレビとは、少し違ってましたが、主人公、桐子さんの可愛らしさがいたるところに散りばめられてました。テレビでは主人公、桐子さんを松坂慶子さんが演じてましたが、これもピッタリはまっていてよかったです。女子高生の雪菜ちゃんとの友情や、清掃のパート先のビルで顔見知りになった久遠、パチンコ屋さんの闇金のお客さん、そして、その兄貴分、不動産屋の相田、大家の門田どれも個性的で魅力的な人物ばかり。俳句の会で親友のトモと憧れた三笠隆。同居していた親友のトモが亡くなり、一人ぼっち、76才の桐子は、老後が心配になり、刑務所で老後を送りたいと願い、あれこれやってみるが…
真面目に毎日過ごしていたら、ひとりぼっちだと思っていたのにいつのまにか、いろいろな人と繋がって、これも桐子ちゃんの人柄が可愛いからなんだろーな。こんなふうに可愛いお年寄りになりたいなぁー。

2023/01/17

もちろん社会的にしてはいけないことをすれば犯罪となります。
そこに辿り着かなければならない高齢化社会という問題…まだ自分には先のことと思いながらも、目を背けてはいけないなぁーと思っていたので、他人事とは思えない感覚になりました。
が、それをうまく乗り切りながら生きる桐子さんの可愛らしさも、真っ直ぐさも元気さもちょっと憧れてしまう感じ…
なぜか最後はホッとして優しい自分になれたような気持ちになりました。

2023/01/10

桐子さんの周りはいい人だらけだ。
それは桐子さんの人柄なんでしょう。

一緒に住んでた親友のトモさんも凄い人だ。
手紙でのやり取りをちゃんと覚えててね～

刑務所に入りたいから罪を犯すって話も聞きますよね。
桐子さんは独り身で身寄りもないし、きっと本当にこういうお年寄りは多いのかもしれませんね。

2023/01/03

桐子さんに共感した。自分は桐子さんにとってのトモのように素敵な親友もいないし誠実でも素直でもないが、自分の老後もこうかもなあと思いながら読んだ。年をとっても不安だらけの日々だと、気力が物凄いスピードでなくなっていきそうだ。だって確実に身体は昔より衰えていく訳だから。

軽く読めるのだけど、老い、犯罪、結婚…地味に色々と考えてしまうお話でした。
気づけばこの世に生まれていたのに、死ぬのはこんなにも大変で面倒。

最後は予想通りに周囲の助けがあるが、桐子さんの他人への壁のなさ(誰にでも何でもかんでも話しすぎだろと最初は思った)が引き寄せたんだろうなあ。年をとってからこそ愛嬌が大切だ。そして、桐子さんは今の境遇を誰のせいにもしない。
ただ、新しいパートナーができた訳でも、貯金が増えた訳でもない。働かないといけないし、アパートには嫌な住人もいるし、絶対的な安心などなくて、桐子さんが収まった場所で現実が続いていくだけ。だけど、周りの人間や行政に助けてくれる存在はある。
「殺してあげますよ」という台詞は、彼女の本心なのかは分からない。

2022/12/25

ずっと気になってましたが
ドラマ化を機に手に取りました

ドラマは見ていません。

主演が誰なのかだけは知ってたので
当てはめながら読んでました
そのおかげかイメージしやすく
あっという間に読めました

それにしても、世知辛い世の中ですね…

生きていくのってホントに大変で
これからどうなっていくのか
ずっと不安はつきまとって
そして気を抜くとあっという間に転げ落ちる

桐子さんはあんなに働き者なのに
こんなに不安を抱えながら生きなきゃいけない
なかなかいい方向に進まないので
ヤキモキしながら読みました

歳をとって1人で生きていくって
怖いですね…

それにしても普段気にしたことなかったですが
刑罰って結構軽い気がしました
罪を犯しても、結構すぐ出られるんだなと

この本を読んでると
犯罪を犯してただ刑務所に
入るだけっていう感じがしますが
そうじゃなくて
罪を犯すと社会からの
信用も失うってことなんですよね

刑罰がどうこうよりも
そもそも罪を犯すのと犯さないのでは
一気に全てが変わってしまう。

一歩そっちにいってしまうと
なかなか新たに社会的な信用を得るのが
難しいことがよくわかりました

ラストは桐子さんの人柄のおかげで
たくさんの人の助けを得られたので
ホッとしましたが…

でもこの大変さが今の世の中のリアルなのかな
という気がしました

2022/11/23

ひとごとじゃないよ、人生何が起きるかわからないから。大切なものを失い、容赦なくうばわれ、頼れるものがなくたった一人になったとき、桐子さんのように自分を保てるだろうか。

2022/11/06

人のあったかさがかんじられる本でした。
人との出会いで悪いことも良い方に向かうのだなと。そんな出会いがあったら良いし、していきたいと思いました。