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非色 の商品レビュー

4.5

118件のお客様レビュー

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    68

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  3. 3つ

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2022/04/02

ひと口にアメリカ人と言ってもさまざまな人種が いて差別という重いテーマではあったが興味深く 一気に読めた。

Posted byブクログ

2022/03/25

シンプルに話がめちゃくちゃ面白かった。格差の原因は生活のせいか、人種の序列のせいか、文化のせいか、と状況が変わるごとに順応しないといけなくて、それは差別する/差別される立場の自分としての立ち位置も含む。 それなりのluckにも恵まれつつサバイブしていく力強さがあるからこそ、自分の...

シンプルに話がめちゃくちゃ面白かった。格差の原因は生活のせいか、人種の序列のせいか、文化のせいか、と状況が変わるごとに順応しないといけなくて、それは差別する/差別される立場の自分としての立ち位置も含む。 それなりのluckにも恵まれつつサバイブしていく力強さがあるからこそ、自分の努力でどうにかならないことが浮き彫りになっていくという話であり、悲観的すぎもせず淡々としていて読みやすい

Posted byブクログ

2022/03/24

すごく重いテーマではあるけど、読み易い文調だった。 今だからこそ、本当に考えさせられるように感じる一方で、 この作品が1967年に初版が発行されたことを思うと、作者がその時代にこのテーマで執筆されたことに驚き、また差別に関して根底となる問題は昔も今も変わらない部分があることをひし...

すごく重いテーマではあるけど、読み易い文調だった。 今だからこそ、本当に考えさせられるように感じる一方で、 この作品が1967年に初版が発行されたことを思うと、作者がその時代にこのテーマで執筆されたことに驚き、また差別に関して根底となる問題は昔も今も変わらない部分があることをひしひしと感じた。

Posted byブクログ

2022/03/14

戦後間もない日本、アメリカの占領下、占領軍の彼らと結婚し、渡米した戦争花嫁がいた。黒人と結婚した主人公。日本にいたときは逞しく溌剌としていた夫は、アメリカでは差別され貧しい暮らしをし、無気力になっていた。移民社会で複雑な差別構造があるアメリカ社会。アングロサクソン系白人を頂点とし...

戦後間もない日本、アメリカの占領下、占領軍の彼らと結婚し、渡米した戦争花嫁がいた。黒人と結婚した主人公。日本にいたときは逞しく溌剌としていた夫は、アメリカでは差別され貧しい暮らしをし、無気力になっていた。移民社会で複雑な差別構造があるアメリカ社会。アングロサクソン系白人を頂点とし、イタリア系はその下、黒人がいて、プエルトリコ人は更にその下、、と、差別が差別を呼ぶ構造。果たして肌の色とは?人種とは? 淡々と物語は進むが作者の熱い想いが行間から伝わる。現在なら一発アウトの表現のまま、書かれた時代背景そのままに、復刻してくれた出版社にも感謝。

Posted byブクログ

2022/03/08

日本人にはあまり縁の無い話と思いながら、読み進めたが、人間の本質に潜む優越感や劣等感からくる差別はまさに身近にある事に気づいた。

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2022/03/06

人種差別について詳しく知らなかったが、色だけじゃない人間の根底の概念だったり生まれた環境だったりに影響される差別に深く考えさせられた

Posted byブクログ

2022/03/04

笑子がとても魅力的。差別や偏見をまっすぐ捉えていて、読んでいてスッキリする。50年以上も前に書かれたものなのに、するする入ってくる。 問題は肌の色じゃない。そもそも私たちは、他者を差別して自らの優位性を感じとる生き物なんだ、という事例がこれでもかっていうくらい出てくる。色んな経験...

笑子がとても魅力的。差別や偏見をまっすぐ捉えていて、読んでいてスッキリする。50年以上も前に書かれたものなのに、するする入ってくる。 問題は肌の色じゃない。そもそも私たちは、他者を差別して自らの優位性を感じとる生き物なんだ、という事例がこれでもかっていうくらい出てくる。色んな経験をして、深く考えることで真理に近づいていくよう。最後は、人種差別から吹っ切れたかに見える。決して単純な問題ではないけれど、人類が乗り越えるべき課題であることは間違いない。

Posted byブクログ

2022/03/03

一気に読みました。 笑子のたくましさが読んでいて心地よく、共感できた。 自分の中にもある差別意識や偏見、自分よりも劣る者を探してる事を意識されられた。 色に非ず。 人間は誰でも自分より以下のものを設定し、それによって自分が優れていると思いたいのではないか、それでなければ生きていけ...

一気に読みました。 笑子のたくましさが読んでいて心地よく、共感できた。 自分の中にもある差別意識や偏見、自分よりも劣る者を探してる事を意識されられた。 色に非ず。 人間は誰でも自分より以下のものを設定し、それによって自分が優れていると思いたいのではないか、それでなければ生きていけないのではないか。

Posted byブクログ

2022/02/22

人種差別しなければ人は生きていけないのか。自分を肯定するために人を差別するのか。差別される側にも差別があり、複雑な問題ではある。簡単にはいかないが、自分の文化に誇りを持ち、相手の文化を尊重する姿勢から始めることが、人種差別をなくす最初のステップだと感じました。

Posted byブクログ

2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すっかり忘れていた。 ラストのエンパイア・ステイト・ビルに思いを馳せる場面も、ストーリーの詳細も。 高校生のときは、主人公、笑子の逞しさ、強かさから「生命力」を分けてもらっていた。 今の僕に、いちばん訴えかけてくるのは、 「(肌の)色のためではない」 という言葉。 高校時代、繰り返し読んでも伝わってこなかった『非色』という題名の真意が、やっと胸にストンと落ちた気がする。 「差別」は自分の置かれた環境や相手との関係性によって変化するし、労わりや優しさの言葉の裏側に隠れていることもある。 他者を差別することで、自分の存在価値を見出していることもある。 人種差別というのを小説の中心に据えながら、有吉佐和子さんが伝えたかったことは、その奥に内在している「意識」であるような気がしてならない。 改めて、今の僕も、「この小説は本当に好きだなぁ」と実感するが、それは、 笑子と言う1人の人間の内面の変化、家族や周りの人の言動・反応を通して、笑子自身の初めての気づかされたこと。 その心理描写が実に率直で自然であり、僕自身にも当てはまる、と自覚できること。 この小説を今、読み返すことが出来て、本当に良かったと思っている。

Posted byブクログ