非色 の商品レビュー
NHKニュースで見て気になって買いました。 普段ならあまり手に取らないテーマでしたが、有吉さんの作品は久しぶり。しっかり、主人公目線で描かれていました。やはりニューヨーク体験があったからこその臨場感なのでしょうね。 改めて、自分の中にある偏見、当たり前と思っている差別意識を見つ...
NHKニュースで見て気になって買いました。 普段ならあまり手に取らないテーマでしたが、有吉さんの作品は久しぶり。しっかり、主人公目線で描かれていました。やはりニューヨーク体験があったからこその臨場感なのでしょうね。 改めて、自分の中にある偏見、当たり前と思っている差別意識を見つめ、考える事ができたかなと思います。
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とても50年以上前の作品とは思えない。文章自体が読みやすく、あっという間に読み終えることができたということだけではない。 ほぼ単一民族国家である日本においては、とても思いもよらない差別がまかり通っていた、そんな人種差別について改めて考えさせられた。考えさせられたということは、現に...
とても50年以上前の作品とは思えない。文章自体が読みやすく、あっという間に読み終えることができたということだけではない。 ほぼ単一民族国家である日本においては、とても思いもよらない差別がまかり通っていた、そんな人種差別について改めて考えさせられた。考えさせられたということは、現に人種だけでなく、差別に関する問題が世界中に蔓延しているからである。 競争は成長を生み出すはずだが、ある人よりも自分はすぐれている、そんな優越感が差別を生み出すという二面性があることに大きな難しさを感じる。 著者が当時感じて著したものが、彼女がもういないこの世の中でも、いまだ我々に問題提起している。
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NHKの朝のニュースで取り上げられていて、すぐにAmazonで買って読みました。 有吉佐和子さん(1931-1984)の著作は、初めて読みました。 1964年作者が33歳の時に書かれたそうですが、今(2022年)読んでも、たいへん難しい戦争花嫁、人種差別、国際結婚などの問題が取り...
NHKの朝のニュースで取り上げられていて、すぐにAmazonで買って読みました。 有吉佐和子さん(1931-1984)の著作は、初めて読みました。 1964年作者が33歳の時に書かれたそうですが、今(2022年)読んでも、たいへん難しい戦争花嫁、人種差別、国際結婚などの問題が取り上げられており、色々なことを考えさせられる素晴らしい内容でした。 読後感が良かった...です。
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テーマは重いが、コミカルで読みやすい。 当時の人種差別の情景などが鮮やかに目に浮かび、勇気のある1人の女性があらゆる逆境、葛藤の中子育てをしていく、明るく元気をもらえる作品。
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色にあらず。 差別の構造は色ではない。 社会は優越感と劣等感に渦巻いている。その中で人は生活をし、他者を区別(差別)する。色での判断は表層的な噴出物に過ぎない。人権闘争は突き詰めれば、階級闘争である。 人間は誰でもなんらかの形で以下の物のを設定し、それによって自分をより優れて...
色にあらず。 差別の構造は色ではない。 社会は優越感と劣等感に渦巻いている。その中で人は生活をし、他者を区別(差別)する。色での判断は表層的な噴出物に過ぎない。人権闘争は突き詰めれば、階級闘争である。 人間は誰でもなんらかの形で以下の物のを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。それでなければ落ち着かない、それでなければ生きていけないのではないか。 人種差別の闘争というより階級闘争に近いのではないか。だからいつまでも変わらない。 人々には誇りが意識の中で強く平等を拒んでいる。だから生まれが違う、育ちが違うと。それであればアメリカ固有の問題ではない。 だからこそ、出版から半世紀以上経った今でも刺さる作品。
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パラサイトが描いたことと通じている 60年前の作品だなんて信じられないしかなり切ない。。 最後、元気づけられる一方で、やはり生き抜くためには世界の分断を積極的に受容し、そこで上を向いていく必要があるのかと思う。。
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久しぶりに、寝る時間も惜しんで読みたいと思えた本でした。 これが60年も前に書かれたとは思えない、今の現状…
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#英語 "Not Because of Color" by Sawako Ariyoshi “Without Color” という訳もみつけました。 一気に読みました。 米国の人種差別を扱ったすばらしい小説が、日本の作家によって1964年に書かれていたとは…...
#英語 "Not Because of Color" by Sawako Ariyoshi “Without Color” という訳もみつけました。 一気に読みました。 米国の人種差別を扱ったすばらしい小説が、日本の作家によって1964年に書かれていたとは… 有吉佐和子さんの視点が素晴らしい "金持は貧乏人を軽んじ、頭のいいものは悪い人間を馬鹿にし…インテリは学歴のないものを軽蔑する。人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。それでなければ落着かない…生きて行けないのではないか" 『非色』有吉佐和子 自信ないけど私訳してみた。"The rich despise the poor, the smart make fun of the bad...the intellectuals scorn the uneducated. I think we all want to set ourselves up by putting others down, and thereby think of ourselves as superior. If not, we cannot settle or we cannot live."
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黒人が生まれた瞬間から直面する人種差別や偏見を真っ向から書いていて、陰惨なだけの話になってしまってもおかしくないのに、ぐいぐい読ませるのはさすが有吉佐和子さん。主人公の笑子を貫く闘争心が、全編にエネルギーを与えている。 「人間は誰でも自分よりなんらかの形で以下のものを設定し、それによって自分をより優れていると思いたいのではないか。それでなければ落ち着かない、それでなけば生きていけないのではないか。」と笑子がたどり着く一つの結論は、いくら平等が謳われる世界になったところで、厳然とした事実のように思われる。 その上でどうするか、というのがこれからの社会の課題なのかもしれない。
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1番驚くのはこの本が1960年代に書かれたということ。今読んでもまったく色褪せないのは、本質が何も変わっていないから。ここ数年、読むのがこんなにつらかった本はなかった。多くの人に読んで欲しいと思う。
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