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海をあげる の商品レビュー

4.2

256件のお客様レビュー

  1. 5つ

    106

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    6

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2022/02/20

この人はとにかく怒っている。静かな怒りがどんどんどんどん押し寄せて、読むのも辛かったけど読み切った。目を逸らしてはいけない気がして。 なんの提案でも解決でもない単なる事実をひたすらに突きつけられてとても苦しい。タイトルの「海をあげる」の意味にも途中で気づいた。そして最後にしっかり...

この人はとにかく怒っている。静かな怒りがどんどんどんどん押し寄せて、読むのも辛かったけど読み切った。目を逸らしてはいけない気がして。 なんの提案でも解決でもない単なる事実をひたすらに突きつけられてとても苦しい。タイトルの「海をあげる」の意味にも途中で気づいた。そして最後にしっかり投げつけられた。

Posted byブクログ

2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沖縄での戦争から現在にいたる「沖縄」を書いている。そこに大人として親として、沖縄県民として何もしないでいいのか?人ごとではなくそれは身近であるんだぞ。と訴えかけられる本。 そして綺麗な青い海を子どもにあげたいと心から思えた本。

Posted byブクログ

2022/02/17

絶望は沖縄に住む人のものじゃない 私たちが背負って行かないといけなくて、それは祈りなんて生やさしいものじゃなく、行動として起こさないといけない

Posted byブクログ

2022/02/17

沖縄の海が好きだ。 「だったら、海をあげる」と言われて、 受け取ってみたら、あまりにも重かった。 本土に住む者にとってみれば、そんな本だ。 上間陽子さんの、美しく正しい言葉で綴られたエッセイ集。 同じ国のはずなのに、物理的な距離以上に精神的に歴然とした距離がある沖縄。その距離...

沖縄の海が好きだ。 「だったら、海をあげる」と言われて、 受け取ってみたら、あまりにも重かった。 本土に住む者にとってみれば、そんな本だ。 上間陽子さんの、美しく正しい言葉で綴られたエッセイ集。 同じ国のはずなのに、物理的な距離以上に精神的に歴然とした距離がある沖縄。その距離の正体は一体何なのか、戦後日本に生きる者たちは、この本を読んで考えるべきなんだろう。 でも生半可な本じゃない。 簡単にヒントはくれない。 だから、じっくりと、行間まで読んで、ひたすら考え続ける必要がある。 それは苦しいこと。 しかし、豊かな未来のためには必須の苦しみなのだと思う。

Posted byブクログ

2022/02/14

テーマごとにパラグラフが分かれており、とても読みやすかった。 沖縄が抱える深刻な問題が当事者の視点からリアルに描かれていてて衝撃的な内容も多くあった。また沖縄には何度か訪れたことがあるが、その時には全く感じられなかった現地の人の想いを知ることができ、とても貴重なない内容だった。...

テーマごとにパラグラフが分かれており、とても読みやすかった。 沖縄が抱える深刻な問題が当事者の視点からリアルに描かれていてて衝撃的な内容も多くあった。また沖縄には何度か訪れたことがあるが、その時には全く感じられなかった現地の人の想いを知ることができ、とても貴重なない内容だった。いつか自分自身でこういった問題をを感じてみたい。 ストーリーの要所要所で、筆者の子供の女の子が出てきて可愛らしかった。彼女のような小さい子にはなんの罪もないのに…

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2022/02/13

ふんわりした語り口やけど、言葉の端々に力があった。 読み始めは物語っぽいなと思いながら読んでたけど途中からは完全にノンフィクションで、でも文章がサラッとしてるからスルスル読めた。 完全に理解するには私に沖縄についての知識が足りなすぎるなぁ。

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2022/02/13

エッセイのような語り口で、事実日常のことも多いのだけど、沖縄普天間での暮らしや若年女性へのインタビューを通じた切実なノンフィクション。 痛みがわかってしまう分、身も心も切ってインタビューをされているのではと心配になってしまったけど、そのぶんしっかりと絶望を受け取った。

Posted byブクログ

2022/02/13

【日常に織り込まれた悲しみと叫び】 基地移設、若年女性の貧困……沖縄に深く根をおろす問題について書かれた本書。 沖縄に暮らす筆者の、日記をつづるような、友人に語りかけるような文章が印象的。 数年前に始めて沖縄に旅行し、ひめゆり平和祈念資料館を訪れた際、自分が漠然と想像していた...

【日常に織り込まれた悲しみと叫び】 基地移設、若年女性の貧困……沖縄に深く根をおろす問題について書かれた本書。 沖縄に暮らす筆者の、日記をつづるような、友人に語りかけるような文章が印象的。 数年前に始めて沖縄に旅行し、ひめゆり平和祈念資料館を訪れた際、自分が漠然と想像していた沖縄戦のイメージがあまりにも薄っぺらくて、実態を伴っていないものだったかを知って、愕然としたことがあります。 私は女性で、それはいまの日本社会では「弱者」にカテゴライズされるけれど、本土に生まれ育っているという点においては、圧倒的に「強者」の立場にいるし、もっと言ってしまうと生まれながらに加害者なのだと思います。 ページをめくりながら、何度も目頭にわいてくる涙を抑えるために手をとめなくてはならず、その度に、これはなんの涙であるのか、考えることを迫られました。 登場する人物への感情移入なのか、問題解決の糸口すら見えないことへの苛立ちなのか……。 でも、安易にその涙に名前をつけることは許されないし、ずっと考え続けていく必要があることを、本書は伝えていると思います。

Posted byブクログ

2022/02/12

初めてこの手のノンフィクション本を読みました。軽い気持ちで読み始めましたが、重くのしかかってくる内容でした。沖縄の現実をちゃんと見ていない自分や無力な自分に落ち込み、色々ととても考えさせられました。

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2022/02/09

本屋大賞2021年ノンフィクション本大賞受賞ということで手に取った。著者は、若年出産した女性や、風俗業界で働く女性、性虐待にあった女性などの調査をしている琉球大学の教授だが、ノンフィクションというより、筆致はエッセイのよう。家族のこと、保育園に通う娘の微笑ましい話があるかと思えば...

本屋大賞2021年ノンフィクション本大賞受賞ということで手に取った。著者は、若年出産した女性や、風俗業界で働く女性、性虐待にあった女性などの調査をしている琉球大学の教授だが、ノンフィクションというより、筆致はエッセイのよう。家族のこと、保育園に通う娘の微笑ましい話があるかと思えば、父親から性暴力を受けていた女性の話や、沖縄のアメリカ基地の話、辺野古の問題などが語られる。女性の問題は、大学教授として学術的に書いたものではなく、一般向けに読みやすい文章で書いてあるからこそ、却って生々しく、胸に迫るものがある。

Posted byブクログ