海をあげる の商品レビュー
タイトル「海をあげる」って,そう言うことか!と,ラストで膝を打つと共に,グサリ来た. 共感するとは,信じるとは,こう言うことなのだな,と思った. ただ一つ,この作品は上間さんの他の作品を読んだ後に読むべきだったと.多分作品に感じる厚みや重みがグッと変わる気がする. 順番は逆になる...
タイトル「海をあげる」って,そう言うことか!と,ラストで膝を打つと共に,グサリ来た. 共感するとは,信じるとは,こう言うことなのだな,と思った. ただ一つ,この作品は上間さんの他の作品を読んだ後に読むべきだったと.多分作品に感じる厚みや重みがグッと変わる気がする. 順番は逆になるけど,他の作品もこれから読み進めたい.
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「沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄の関係を表していると私は彼に言うべきだった。」(234頁)沖縄の若い世代の調査や、幼い娘の成長が進むことで、沖縄の日常を知ることになります。軍機の爆音が響く中、琉球大学、沖縄国際大学では、共通テス...
「沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄の関係を表していると私は彼に言うべきだった。」(234頁)沖縄の若い世代の調査や、幼い娘の成長が進むことで、沖縄の日常を知ることになります。軍機の爆音が響く中、琉球大学、沖縄国際大学では、共通テストが実施されている。あとがきで読者に絶望を託し、残ったのは青い海とあって、この差別を重く受け止めました。
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P9 ひょいと娘を抱き上げながら、食べることが好きな子でよかったとつくづく思う。そして、娘にご飯を作ることができるようになれば、どんなに悲しいことがあった時でも、なんとかそれを乗り越えられる。 最初の「美味しいごはん」のような、ご飯×人生のような本だと思って読んだ。 てびち・ジーミー・ムーチービーサー・「やー。フラーやー。」の懐かしい方言等々沖縄を身近に感じる。 沖縄に住む人の、住んでいる人だからこその、切実なる思いがジワジワ伝わってきた。 小さいころ、おばあに 「この夜景綺麗だね。」と坂の上から見える家々の明かりにそんな感想をつぶやいたら 「どこがよ!」と怒られた。 大きくなってから、良く晴れた天気に、海の青さがいつもより煌びやかに輝いていたので父に 「今日の海は、いつも以上に綺麗だね。」と言った時 「昔はもっときれいだったさ。こんなんとは比べ物にならないくらいに。」って寂しそうに言っていた。 あぁそういえば私も 内地に転校してきた時に、「沖縄人」って言われて「なんでよ!同じ日本人だよ!」って思ったのを覚えている。 沖縄の歴史に触れるたび、基地の問題に触れるたび、そこで暮らしてきた先祖や今も沖縄に住み続ける親戚や基地で生計を立てている親戚を思い出す。 語らないからっといってないわけではない。沖縄で暮らしてきている人は、いつも静かに心の奥底で言葉にできない感情がうごめいているのを、ふとした瞬間に感じる。私は、もう沖縄の地では暮らしていないから、上間さんと同じ気持ちでいられていないことが、残念に思う。 でも、こうして奥底でうごめく感情を「海をあげる」を書くことで、沖縄の実態を知らない人や知っている人や色々な人に本を通して伝える上間さんって、ものすごいことをしたんだと思う。 そして、 この本を読み終わって しっかり海をもらった。 さて私にできることは何だろう。
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海をあげる 上間陽子 筑魔書房 海をもらいたいなと思って手にしたが 感情豊かというのだろうか こうした人情論に迷い込んだ個人的な話を 公にして何を得ようとしているのか その根拠がわからない ともかく読んでは見たが 優しく哀れな宗教的善悪感にはまり込んだ 上から目線の話に 甘...
海をあげる 上間陽子 筑魔書房 海をもらいたいなと思って手にしたが 感情豊かというのだろうか こうした人情論に迷い込んだ個人的な話を 公にして何を得ようとしているのか その根拠がわからない ともかく読んでは見たが 優しく哀れな宗教的善悪感にはまり込んだ 上から目線の話に 甘えるのも良い加減にしろと ウンザリするしかなかった
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沖縄の歴史 短篇12篇とあとがき 性も含めて多くの考えさせることがあった あとがきで作者の思いが強く伝わった
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エッセイ的だけど語られる内容は重たい。 語りを聞く側にもケアが必要と言われたという後書きは様々なことに通じる気がする。 考え続けなければ。
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某評価ランキングが異様に高い。こういう本に共感できる自分であることをアピールしたい層、から支持されそうな内容だった。自分はというといまいち没入できずDNF
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ノンフィクションを久しぶりに読みましたが、最初は物語を読んでいるようでした。 本州に住んでいるほとんどの人は沖縄のいいところしか見ていない。もちろん私も。沖縄の本当の姿を知るべきだと思いました。納得のノンフィクション大賞です。
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2022年8冊目。 「わたしは沖縄戦や基地問題に深い関心があるよ」と思っていました。 曲がりなりにも教える側ではあるので、それなりの基礎知識と、問題意識は持っていると。 でもそれは、著者のいうところの、他人事としての関心なのだと思い知らされました。 著者の綴る出来事や思いを通して、ほんの少しでも、自分事として捉えることができたと考えて良いのかな… 沖縄戦についてだけでなく、基地問題について、もっと知りたいし、考えていきたいと思いました。 数字だけで教えるのはやめ、沖縄の声を、もっと取り上げていきたいです。 あと、コロナ禍の休校措置の件の文章が、胸に迫りました。2年前を思い出しました。 p152 子どもの日々を知らず、教師の仕事を知らない誰かの決定によって、ひととひととが重ねる時間が奪われる。4月からの1年間、関係を編み上げた子どもと教師がお互いのことを慈しみあう、そういう3月が奪われる。いままでの苦労のすべてが果報に変わるこの時期に、子どものいない学校に教師は通う。
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最後にこの本のタイトルの意味がわかって、この不意なプレゼントに言葉を失った。きれい事の言葉なんて意味がないし、言ったところで何もない。それほどの絶望。 その絶望を私たちはしっかり譲り受けたのだ。好むと好まざるとにかかわらず。
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