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海をあげる の商品レビュー

4.2

256件のお客様レビュー

  1. 5つ

    106

  2. 4つ

    76

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    6

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2022/04/04

感性の強い女性が書いた柔らかい、繊細な読了感の残るドキュメント。 男性が書くゴリゴリのドキュメントとは違ったタッチは新鮮だった。 上間氏の本はこれからも何冊か読んでみたい。

Posted byブクログ

2022/03/25

骨太のしかも、何ものにも阿る事ないエッセイ。 今一度、立ち止まって自分が居る場所を見据えたいと思った。

Posted byブクログ

2022/04/14

 大好きな作家さんがいるのだけれど、その方が紹介したり絶賛したりした作品を同じような熱量をもって良いと思えなかったり、逆にわたしが素敵だなあと思った人をあまり好いていないらしいことを示唆するような内容のツイートを見てしまったりということがここしばらく続いて、少し読書に対する気分が...

 大好きな作家さんがいるのだけれど、その方が紹介したり絶賛したりした作品を同じような熱量をもって良いと思えなかったり、逆にわたしが素敵だなあと思った人をあまり好いていないらしいことを示唆するような内容のツイートを見てしまったりということがここしばらく続いて、少し読書に対する気分が落ち込んでいる。憧れや好意を持った相手と全てを共有する必要はないしきっとそんなことは不可能だけど、それでもできるならなるべく多くを共有したいと願ってしまうから、同じ強さで同じ方向を見据えることができないことがすごくもどかしいし、悔しい。  この本は、途中まで純粋に無責任にすごくいいなあと思いながら読んでいた。わたしもこんな文章を書けるようになりたいなあと。今にも溢れそうな怒り、苦しみ、悲しみがありながら、感情のままにわあっと綴るのではなくつとめて冷静に淡々と語られる文章が素敵だなあと。  でも後半に至るにつれて徐々に感じ方が変わっていった。子育ての方針。他人との関わり方。なんて言えばいいかわからないけど自分以外の人間を精神的に受け容れる度合い。わたしとはあまりにも違って、へええ、そういう考え方をする人もいるんだなあ、、、と少し遠くに自分を置いて他人事のように眺める感覚にまた陥ってしまった。最近こういうことがよく起こる。自分と違うな、と思うとスッと引いて遠くから眺めてしまう。よくないと思う。「他者の合理性」というワードを思い出す。筆者には筆者の、そのときそうせざるを得なかった理由が必ずある。ムキになりすぎじゃない?と思うようなことがあっても、ムキにならざるを得ない今を作り出したその人の過去がある。わたしはすぐに、ああ近くには寄れないと見切りをつけてしまう。頁を閉じようとしてしまう。でもそれじゃあ人と話したり本を読んだりする意味がない。一生近所の友達とだけ井戸端会議でもしてろって話になっちゃう。いろんなことが知りたくて本を読む。実際には見に行けないものを少しでも見たくて、自分の感覚が全てじゃないことを思い知りたくて。だからきっと共感できなかったからってすぐにうわ、とか言ってる場合じゃない。難しい。  終わり方はほとんどホラーだった。恐怖を感じた。いつに間にか有無を言わさず筆者の絶望の一部を請け負うことになっていた。請け負えないよわたしには、無理だよと思う。思ってしまった。思うべきではないけど。  沖縄にずっと多くの問題を押し付け続けているという大前提。基地。騒音。オスプレイ。性犯罪。東京の人間としてわたしは今この瞬間も沖縄の人々にいろんなことを押し付けている。夏が近づいてふとああ沖縄に行きたいなと呟くとき、いいところだけを味わおうとしている。苦しいところには焦点を合わさないまま。自分のその立場を思う。気付く。でもどうしろと?何ができると?今までも頭の片隅でそういうことを感じていたけれど何もしてこなかった。それはきっと正しくない。絶対に正しくないし恥ずべきことだけど他にもやらなきゃいけないことが目の前にたくさんあってそもそもわたしは今までも正しい生き方なんかしてきてなくて、、、  また逃げ道を探している。苦しくなる。

Posted byブクログ

2022/03/21

東京に暮らしていると、沖縄で暮らしてみたいと安易に考えてしまうこともあるが、沖縄の人達が戦争を経て今もなお米軍を押し付けられ、犯罪や騒音に悩まされていることを改めて考えさせらせた。辺野古の綺麗な海を「絶望」の思いで「あげる」現実は、切実なんだと思う。

Posted byブクログ

2022/03/20

自分なりに沖縄のことを考えてはいたつもりだけど 私の想像を超えて離れていて読んでいてきつかった。 また再度考えさせられた。

Posted byブクログ

2022/03/19

沖縄で生きる人々の現実 その中でも、若い女性の感じる痛みと苦しみ。 それを押し付ける、男達や米軍や政治家たちに少しでも読ませたいエッセイ。

Posted byブクログ

2022/03/16

あとがきに「聞く耳を持つものの前でしか言葉は紡がれない」との言葉がありました。 これまで私に聞く耳を持ってくれた人達への感謝と、聞く耳を持ってもらえなかった時の孤独に想いを馳せたと共に、可能な限り聞く耳を持つものでありたいと思いました。

Posted byブクログ

2022/03/16

SL 2022.3.15-2022.3.16 「裸足で逃げる」に比べると個人的な感情が前面に出ていてちょっと戸惑った。 基地の問題、実際本土に暮らすわたしたちにはあまりにも日常とかけ離れている。その罪深さをもっと知らないといけない。託されたのは絶望なんだよ。なかなかに重い。深い。

Posted byブクログ

2022/03/14

沖縄と聞くと、真っ青な海を思い浮かべる。 そこはどうしても観光客目線でしかなくて、沖縄で暮らす人々の息遣いや、轟音が日常の生活、米軍による犯罪、基地問題、家族のように海を大事に想う心、怒りまで思いを馳せることはない。 うつくしい海を想像する分だけ、この本の悲しみが深く感じられ、呼...

沖縄と聞くと、真っ青な海を思い浮かべる。 そこはどうしても観光客目線でしかなくて、沖縄で暮らす人々の息遣いや、轟音が日常の生活、米軍による犯罪、基地問題、家族のように海を大事に想う心、怒りまで思いを馳せることはない。 うつくしい海を想像する分だけ、この本の悲しみが深く感じられ、呼吸が浅くなる。 いつまでも「沖縄の問題」ではなく、「日本の問題」「私たちの仲間が直面している問題」に意識を変えないといけない。 何の力もお金も持たない自分が悔しいけど、文中にあったように、話を聞く人の前にしか声は届かない。 詳しくないからとか難しいとか、知るのが辛いからなどと言い訳せずに、本を読んだり調べたりして、まずは賛否問わず自分の意見を持とうと思う。 そうでないと、いつまでも無関心な加害者だ。

Posted byブクログ

2022/03/13

タイトル「海をあげる」って,そう言うことか!と,ラストで膝を打つと共に,グサリ来た. 共感するとは,信じるとは,こう言うことなのだな,と思った. ただ一つ,この作品は上間さんの他の作品を読んだ後に読むべきだったと.多分作品に感じる厚みや重みがグッと変わる気がする. 順番は逆になる...

タイトル「海をあげる」って,そう言うことか!と,ラストで膝を打つと共に,グサリ来た. 共感するとは,信じるとは,こう言うことなのだな,と思った. ただ一つ,この作品は上間さんの他の作品を読んだ後に読むべきだったと.多分作品に感じる厚みや重みがグッと変わる気がする. 順番は逆になるけど,他の作品もこれから読み進めたい.

Posted byブクログ