海をあげる の商品レビュー
2022年1月 沖縄の貧困、基地問題。沖縄について、無知だったので、読めてよかった。 個人に関する丹念な調査・研究から個人の悲劇の要因が社会の中に見えてくる。 娘の風花ちゃん生命の眩しさは著者が調査対象としている人たちの絶望と対称的である。 「切実な問題は、切実すぎて口にすること...
2022年1月 沖縄の貧困、基地問題。沖縄について、無知だったので、読めてよかった。 個人に関する丹念な調査・研究から個人の悲劇の要因が社会の中に見えてくる。 娘の風花ちゃん生命の眩しさは著者が調査対象としている人たちの絶望と対称的である。 「切実な問題は、切実すぎて口にすることができなくなる。」
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初めてノンフィクションのドキュメント的な本を読んだ。 胸にズカズカ刺さる。 沖縄のキラキラしたいい部分しか見えてないな僕たちは。そんなことを痛切に感じさせられる。 でもじゃあ何が自分たちにできるんだろうか。 すごい考えさせられる。 沖縄のリアル、現実を切り取った作品
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「だからあなたに、海をあげる。」 最後の一文を読み終えた時思わず、怖っと思ってしまった。 読んだ以上受け取らなくてはいけない。 1945年から続く沖縄の苦しみ。 加害者かもしれないということ。 でも何もできなくても、その絶望を共有することだけはできるじゃないか。 この絶望感と無...
「だからあなたに、海をあげる。」 最後の一文を読み終えた時思わず、怖っと思ってしまった。 読んだ以上受け取らなくてはいけない。 1945年から続く沖縄の苦しみ。 加害者かもしれないということ。 でも何もできなくても、その絶望を共有することだけはできるじゃないか。 この絶望感と無力感は絶対に忘れない。 できること、このエッセイを周りにすすめること。
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すごく大くて深刻な問題をずっと扱っているのにとても読みやすくて一気に最後まで読んでしまった。 でも、本文中にもあったけど自分は沖縄の人ではないから実感がわかないし、よく分からない。 よく分からないじゃなくて勉強しなよって話なんだろうけど、そういうんじゃなくて、これは沖縄で育っ...
すごく大くて深刻な問題をずっと扱っているのにとても読みやすくて一気に最後まで読んでしまった。 でも、本文中にもあったけど自分は沖縄の人ではないから実感がわかないし、よく分からない。 よく分からないじゃなくて勉強しなよって話なんだろうけど、そういうんじゃなくて、これは沖縄で育って、そこに住んだ人じゃないと本当の意味では一生分からないと思う。 難しすぎた
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本屋大賞2021ノンフィクション本大賞作で、琉球大学教授の上間陽子さんによる沖縄を舞台にしたエッセイ集。著者は沖縄で夜の街を生きる女性達を取材しており、少女たちへの性暴力やDVなどを通して、その裏側にある沖縄の米軍基地問題が語られる。作中で、沖縄以外の人々の沖縄への無関心さが描か...
本屋大賞2021ノンフィクション本大賞作で、琉球大学教授の上間陽子さんによる沖縄を舞台にしたエッセイ集。著者は沖縄で夜の街を生きる女性達を取材しており、少女たちへの性暴力やDVなどを通して、その裏側にある沖縄の米軍基地問題が語られる。作中で、沖縄以外の人々の沖縄への無関心さが描かれていたのが印象に残った、私たちは沖縄の「見えていない部分」ももっと知らなければいけないと思う。タイトルの「海をあげる」の意味が分かったとき切なくなる。
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多岐に渡る問題提起があり、私自身の認識不足や勉強不足を突きつけられる。特に基地問題は分かりにくく、語りにくい。読み進めながら風花ちゃんの食欲や優しさに何度も救われた。
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2021年最後の読了本は心に染み込む一冊でした。 「裸足で逃げる」の著者が、目の前の日々を描いたエッセイ。 自分の話と、沖縄の話と、未来の話。 自分の目の前で起きている問題や出来事って、少なからずどこかで世界と繋がっていて(考えてみれば当たり前なんだけれど)、それって考えることで...
2021年最後の読了本は心に染み込む一冊でした。 「裸足で逃げる」の著者が、目の前の日々を描いたエッセイ。 自分の話と、沖縄の話と、未来の話。 自分の目の前で起きている問題や出来事って、少なからずどこかで世界と繋がっていて(考えてみれば当たり前なんだけれど)、それって考えることで繋がっていくし、考えようで世界は広げられるというか、世界と繋がっていけるな、という、これまた抽象的な感想…。上間さんはそんな分かった風なようなことを読み取ってほしいなんて思ってないと思うけど(というか本当に僕の分かった風)、なんだか、もっと感受性を持って、世界と、沖縄と向き合っていくべきだと思った。沖縄で生まれ育った僕らだからこそ。 表題作の「海をあげる」の切実さと、「美味しいごはん」のあたたかさが好きでした。
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自分はこの著者から沖縄の海をもらった。 誰しも生まれ育った場所を持っている。少し前なら、当然のように次代に受け継ぐべき故郷を誰しも持っていたはずなのに、もはやそんなものなかったかのように知らん顔をしている人ばかり。 今は分かりやすい脅威にさらされていなくても、目に見える形で大...
自分はこの著者から沖縄の海をもらった。 誰しも生まれ育った場所を持っている。少し前なら、当然のように次代に受け継ぐべき故郷を誰しも持っていたはずなのに、もはやそんなものなかったかのように知らん顔をしている人ばかり。 今は分かりやすい脅威にさらされていなくても、目に見える形で大きな力に捻り潰されようとしているわけではなくても、いつ何時どこでそうしたものが降りかかるか分からない。本当に分からないのだ。 もうすぐ長男が生まれる自分は、次代へそんな危機感を、生きることの切実さをちゃんと引き継いでいけるだろうか。 優しい筆致の中に、鋭利な刃を突きつけられているような厳しさを感じる本だった。
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小さくても弱くても、そこにたしかにあるものをないことにしない。「聞く耳をもつものの前でしか言葉は紡がれないのだと思います。」
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2021ノンフィクション本大賞受賞スピーチを聴いた。 そこに華やかさはない。 優しげな抑えた口調。 なのに、わたしにはどこか女戦士のような凛とした上間陽子さんが見えた。 興味を覚え、お試しで「美味しいごはん」と「アリエルの王国」を読んだ。 不覚にも大号泣。 辛い出来事の点と...
2021ノンフィクション本大賞受賞スピーチを聴いた。 そこに華やかさはない。 優しげな抑えた口調。 なのに、わたしにはどこか女戦士のような凛とした上間陽子さんが見えた。 興味を覚え、お試しで「美味しいごはん」と「アリエルの王国」を読んだ。 不覚にも大号泣。 辛い出来事の点と点がつながると、線となり、意味を成す。 美味しいご飯と友情がある。 そこに、使命のようなものが見えて震えた。 わたしが出来るエールは、と考えた。 まずは、本を買おう。(それもちいさなエール) そして、読んで知らない事を知ろう。 と、意気込み、一気に読んだ。 ハードな内容だった。 が、生き生きとした風花ちゃん(上間さんのお嬢さん)の姿に救われる。 風花ちゃんを愛する上間陽子さんの愛が、痛む心を癒してくれる。 そして、風花ちゃんのパパのおおらかな愛に心が和む。 風花ちゃんが迷子になったことをきっかけに、誘拐の怖さを教えようとする上間さん。しかし、「おせんべいがもらえるから、風花は誘拐される」と風花ちゃんに言われ、ぐったりする。 そこで、夫は、「それよりおせんべいを食べさせたら」と笑う。 このシーン、大好きです。パパさん、大好き。 さあ、読み終えたわたしはどう生きよう。
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