海をあげる の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実際に見えているもの全てではない。昔行った時のあのキラキラの沖縄は幻想だったのかなと思うくらい沖縄の現実を知ることになった。 自分は問題があっても無視しているのではないか、海を貰ったからには私も誰かにこの本を紹介しなければならないと感じた。
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読後、タイトルはそういう意味だったのかと気づき、言葉が出なかった。 筆者の怒りがひしひしと伝わってくる。
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沖縄に生まれ、現在は若年出産女性や沖縄での性暴力被害についての聞き取り調査を行っている社会学者の著者。幼い娘とのやり取り、過去の話、調査で出会った若者とのやり取り、祖父や祖母との思い出とその死、そして沖縄の基地問題。静かな言葉で淡々と書かれているが、そこには慈しみや悲しみが溢れて...
沖縄に生まれ、現在は若年出産女性や沖縄での性暴力被害についての聞き取り調査を行っている社会学者の著者。幼い娘とのやり取り、過去の話、調査で出会った若者とのやり取り、祖父や祖母との思い出とその死、そして沖縄の基地問題。静かな言葉で淡々と書かれているが、そこには慈しみや悲しみが溢れている。暴力や虐待を受けている若者達の言葉、幼い娘の純粋な言葉、沖縄の基地問題について語る著者の言葉、どれも何気ない言葉なのに、その背景にあるものの大きさや過酷さを考えてしまう。 表題作「海をあげる」、このタイトルに著者が込めた思いを知るとき、これは沖縄という遠く離れた地に住む他人の話ではないということを突きつけられる。 「切実な話題は、切実すぎて言葉にできなくなる」これは特別なことではなく、どこにでも起きていること。そこに耳を傾ける著者の姿勢を知り、他の著作も手に取ってみたいと思った。
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今の沖縄の現状を、静かで優しい文章で描く傑作。数々の賞を受賞しているが、この作品はウチナンチュだけでなく、ヤマトンチュウが心して、ただただ読むべき本です。
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初めの章が、夫が親友と4年間も付き合っていたという自身の経験。沖縄の話とばかり思って読み始めたので、面食らうが、その身を切るような経験が、作者の他者への眼差しの基礎となっていることに読んでいるうちに気づく。 自分を裏切っていた夫と決着をつけた後、親友との関係から逃げずに向き合い、...
初めの章が、夫が親友と4年間も付き合っていたという自身の経験。沖縄の話とばかり思って読み始めたので、面食らうが、その身を切るような経験が、作者の他者への眼差しの基礎となっていることに読んでいるうちに気づく。 自分を裏切っていた夫と決着をつけた後、親友との関係から逃げずに向き合い、二人で話し合う場面は迫力もあり、打算的でない作者の魅力に溢れている。 自分を傷つけた相手なのに、「捨て身で泣いている女の人に弱い」んだよな私は、と分析するところ、あるよなーと共感。それを言語化したところは「やるなぁ」と思った。 憎しみの向こう側に、ある種の共感が生まれるところは、人間の存在の寂しさに対する、作者の懐の深さを感じた。これが彼女のさまざまな社会的な活動の基なのだろうな。 また、彼女を支える多くのシスターフッドのありようが、魅力的だった。 米兵3人に小学生が強姦され八万五千人の抗議集会があった時、当時通っていた東京の大学の指導教官から「すごいね、沖縄。抗議集会に行けばよかった」と言われた時、その時言うべき言葉は「ならば、あなたの暮らす東京で抗議集会をやれ」「沖縄に基地を押し付けているのは誰なのか、三人の米兵に強姦された女の子に詫びなくてはならない加害者のひとりは誰なのか」だったのだと気づくくだり。よかったな。 作者の真っ当な存在の仕方が清々しい。 いい本を読んだ。
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ひりつくような感覚。著者が表現しようとしているのは声にならない声、言葉にすることができない「どうしようもない」感情だろう。
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絶望を差し出すとあるのだけどそんな感じ。差し出されたよ。とりあえず多くの人が読んで絶望をみんなで受取るのかな。
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2022年1月 沖縄の貧困、基地問題。沖縄について、無知だったので、読めてよかった。 個人に関する丹念な調査・研究から個人の悲劇の要因が社会の中に見えてくる。 娘の風花ちゃん生命の眩しさは著者が調査対象としている人たちの絶望と対称的である。 「切実な問題は、切実すぎて口にすること...
2022年1月 沖縄の貧困、基地問題。沖縄について、無知だったので、読めてよかった。 個人に関する丹念な調査・研究から個人の悲劇の要因が社会の中に見えてくる。 娘の風花ちゃん生命の眩しさは著者が調査対象としている人たちの絶望と対称的である。 「切実な問題は、切実すぎて口にすることができなくなる。」
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初めてノンフィクションのドキュメント的な本を読んだ。 胸にズカズカ刺さる。 沖縄のキラキラしたいい部分しか見えてないな僕たちは。そんなことを痛切に感じさせられる。 でもじゃあ何が自分たちにできるんだろうか。 すごい考えさせられる。 沖縄のリアル、現実を切り取った作品
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「だからあなたに、海をあげる。」 最後の一文を読み終えた時思わず、怖っと思ってしまった。 読んだ以上受け取らなくてはいけない。 1945年から続く沖縄の苦しみ。 加害者かもしれないということ。 でも何もできなくても、その絶望を共有することだけはできるじゃないか。 この絶望感と無...
「だからあなたに、海をあげる。」 最後の一文を読み終えた時思わず、怖っと思ってしまった。 読んだ以上受け取らなくてはいけない。 1945年から続く沖縄の苦しみ。 加害者かもしれないということ。 でも何もできなくても、その絶望を共有することだけはできるじゃないか。 この絶望感と無力感は絶対に忘れない。 できること、このエッセイを周りにすすめること。
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