海をあげる の商品レビュー
沖縄に生まれていない、沖縄に住んでいない私は、沖縄に基地を押しつけている側なんだよなーーーということや、介護や貧困や暴力や子育てなどの色々なことが押し寄せてきて、ずどーーーんとなった。
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優しい言葉で綴られた「エッセイ集」であるが、底を流れる熱いマグマのような物を感じる、「エッセイ」の枠にはおさまらない。差別と語られないトラウマを抱える街で、いつもと変わらない日常がある反面、弱い部分に歪みが現れている。その人たちの語りを聞き続けている人だからこそ、伝えられる事実が...
優しい言葉で綴られた「エッセイ集」であるが、底を流れる熱いマグマのような物を感じる、「エッセイ」の枠にはおさまらない。差別と語られないトラウマを抱える街で、いつもと変わらない日常がある反面、弱い部分に歪みが現れている。その人たちの語りを聞き続けている人だからこそ、伝えられる事実があるが、抑えた筆致で伝えられる分だけ、拳を振り上げられるより伝わる衝撃は大きい。
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「空を駆ける」 「……でも私は、触りたくない」 というお母さん。 わかります。 私も、触りたくない。 「海をあげる」と言われても、 ドウシマショウ。 ウーン。 私に何ができる? 慣れてはいけない、と思います。 沖縄・震災・コロナ・ウクライナ・ 今、自分の目の前の大変をど...
「空を駆ける」 「……でも私は、触りたくない」 というお母さん。 わかります。 私も、触りたくない。 「海をあげる」と言われても、 ドウシマショウ。 ウーン。 私に何ができる? 慣れてはいけない、と思います。 沖縄・震災・コロナ・ウクライナ・ 今、自分の目の前の大変をどう乗り越えるか?で頭がいっぱいだけれども、 託されてしまったし。 とにかく、忘れない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルからだけでは分からないが、沖縄出身の著者が沖縄における問題を取り上げたエッセイ。著者の専門である貧困に苦しむ未成年少女や米軍基地問題を扱っている。 今年は沖縄の日本返還50年目ということでNHKを始めメディアでも取り上げられているが、真実を知るにはメディア(本も同様)だけでなく、直接これらの問題に自分の五感で触れて感じ取らなければ、どこか他人事になってしまうと痛感させられた。 本書では度々、著者の幼女が登場するのだが、そのおかげで重たい空気感が和らぐとともに、彼女たちの世代にまで問題を先送りしてしまっている我々世代の情けなさも考えさせられる。 作品の中でも特に耳に痛く印象に残った言葉をピックアップしました。 ・講演とか調査とか、執筆することの意義は分かります。でも、もっと広げて、もっと直接社会に訴えるような活動をすることも必要だと思います(元山氏の発言) →自分もブクログに登録している読書を通して、気候変動などの問題を知り市民活動への想いは強くしたものの、未だに行動が伴っておらず情けない気持ちになりました。 ・秋田のひとの反対でイージス・アショアの計画は止まり、東京の人たちは秋田の人に頭を下げた。ここから辺野古に基地を移すと東京にいる人たちは話している。沖縄の人たちが何度やめてと頼んでも、青い海に今日も土砂がいれられる。これが差別でなくてなんだろう?差別をやめる責任は、差別をやめる側ではなく差別する側の方にある。 →本土の人たちにとって心のどこかで米軍基地は沖縄の問題であり、本土に持ち込まず沖縄で解決してくれという考えが見え隠れしている。 ・これまでもずっと若い女性の調査をしてきました。でも、近親者からの性暴力について語られているのはこの調査からです。そのことが意味しているのは、聞く耳を持つ者の前でしか言葉は紡がれないということなのだと思います。 →何を聞き出せるかは聞く側のスキルや意識に依存してしまうということを考えさせられた。
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知っていたようで知らなかった沖縄。 見ようとしなかった沖縄が書いてあります… 著者の上間さんの、 他者への共感性がすばらしいです。 すごく優しい読みやすい文章で綴られてるのに、 静かな怒りがひしひしと伝わる。 沖縄の美しい海は誰のものでもないのに 日本のだれかが、 だれかのものに...
知っていたようで知らなかった沖縄。 見ようとしなかった沖縄が書いてあります… 著者の上間さんの、 他者への共感性がすばらしいです。 すごく優しい読みやすい文章で綴られてるのに、 静かな怒りがひしひしと伝わる。 沖縄の美しい海は誰のものでもないのに 日本のだれかが、 だれかのものにしようとしてくる それに向けた叫びが痛い。 読みたかった話。 探してた話、ノンフィクションです。 次の50年を、どう生きるか、託すか、向き合うのか、 海をもらった私が、決めないといけないこと。
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内容の重みにも圧倒されるけれど、上間陽子さんの姿勢や眼差し、他者に対する共感性に心打たれる。 抑圧され差別され殺され踏みにじられてきた沖縄のずっと続いてきた歴史のいちばん間近にある辺野古の問題をわがこととして捉えられないわたしたち内地の者に向かって、上間さんは「湘南の海を大量の赤...
内容の重みにも圧倒されるけれど、上間陽子さんの姿勢や眼差し、他者に対する共感性に心打たれる。 抑圧され差別され殺され踏みにじられてきた沖縄のずっと続いてきた歴史のいちばん間近にある辺野古の問題をわがこととして捉えられないわたしたち内地の者に向かって、上間さんは「湘南の海を大量の赤土で埋め立てるとしたらどうだろう」と問いかける。 『海をあげる』という美しいタイトルは、じつは、もうこの重荷に耐えられない、この海あげるからどうぞ考えて、という沖縄の人のわたしたちに対する声に他ならないのではないか。 それにしても、沖縄で無抵抗の一般の人たちを大勢虐殺したアメリカが、戦後日本に(沖縄に)謝罪をしていないということにも驚くが、日本もまたアメリカに謝罪要求をしていないことにもあらためて絶望に近い気持ちを抱かずにいられない。それどころか、さらにどうぞどうぞと沖縄の土地や海を自虐的に差し出してさえいるのだ。地位協定と言う法律もだ。これは沖縄の土地や海や人のことだから出来ることで、本土のことだったら、ここまでのことはあからさまに出来ないだろう。だから、これは沖縄に対する日本が行っている差別だし、支配なんだろう。そして無関心でいることは、それに加担していることと同じだ。沖縄がアメリカから日本に返還されることによって、沖縄は自由になったどころか、アメリカと日本の両国から支配されるようになったように思える。敗戦国か戦勝国かは関係なく、どの国も、いちどこれまでの自分たちの行いを振り返り、総括したその後で、ロシアによるウクライナ侵攻や市街地への無差別爆撃を非難したらどうか、と思う。ちょうど今日、ロシア人のこんな発言をネットで見た。「ロシアの場合、みんなが政治とか選挙に興味を持たなかった結果が今だと思う。選挙が操作されるっていうのはもちろんあるけど、みんなが政治に興味を持っていて投票率が高ければ、簡単にはいかなかったと思うんだ。だから、投票には必ず行け。それも1人じゃなくて周りの人も誘って行け。誰に入れるとかはもちろん自分で決めていいから、とにかく投票には行ってくれ。でないとロシアみたいになるぞ」。 この本を読んで「なんとかしたい」という思いはあるけれど、出来ることは少ない。でも、ゼロではない。関心を持ち続け、ウォッチし、政治に携わる力ある人たちが沖縄に対してどういう態度を取っているのか見極めて、選挙できちんと投票することは、わたしたちにでも出来る最低限のこと。その最低限をちゃんとやろう。
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「裸足で逃げる」の上間陽子さんが日常をしたためたエッセイ集。基地の近くで子どもを育てる。それだけで日常のエッセイは基地問題への静かな抵抗のメッセージを放つ。“ナイチャー”であるぼくらは、沖縄を“穏やかで温かい観光地”というラベリングの中におしこめ、そこからはみでるものには蓋をして...
「裸足で逃げる」の上間陽子さんが日常をしたためたエッセイ集。基地の近くで子どもを育てる。それだけで日常のエッセイは基地問題への静かな抵抗のメッセージを放つ。“ナイチャー”であるぼくらは、沖縄を“穏やかで温かい観光地”というラベリングの中におしこめ、そこからはみでるものには蓋をしてしまっていないか。辺野古に赤土が流される。沖縄戦の犠牲になった方の骨は埋まる場所をコンクリートで固めて基地を建てる。それをぼくらはあまりにも無責任な“他人ごと”にしてしまっていないか。復帰50年、50年かわらず基地問題に向き合う沖縄。ぼくらは赤土が富士五湖に、湘南の海に流し込まれる今日を想像しなくてはならない。上間さんの文章は、そんなことを強く促す文章ではない。あくまで娘さんとのある1日をしたためているにすぎない。だけどなぜだろう、胸をうたれるし、泣きそうになる。内地のぼくらは“観光地”でない、なんでもない沖縄のとある1日を思いの限り想像する必要がある。
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なんだか、沖縄に帰りたくなった。 沖縄にいるおとーさんおかーさん、おじさん、おばさんに会いたくなる、 基地問題にちゃんと私もむきあわなければ、 うちなーんちゅとして と思えた一冊。 内容としては上間さんの内地生活(離婚)、子育て、現在の執筆のお仕事、 どれも、心に染みる内...
なんだか、沖縄に帰りたくなった。 沖縄にいるおとーさんおかーさん、おじさん、おばさんに会いたくなる、 基地問題にちゃんと私もむきあわなければ、 うちなーんちゅとして と思えた一冊。 内容としては上間さんの内地生活(離婚)、子育て、現在の執筆のお仕事、 どれも、心に染みる内容だった。
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読み終えた晩に、家族が散り散りになる夢を見てギョッとした。 内容が、自分の中のかなり深部に突き刺さったのだと思う。もらった海をどうしたらいいのかな
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一話目で泣きました。なんか、人は食べることで、なんとか辛い事も乗り越えていけるってとこは腑に落ちて、言葉の選び方、文章など、すごくしっくりきて読み進める期待値が上がりましたが… 二話目以降、なんか、全く入ってこなくなって、うーん…。
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