とわの庭 の商品レビュー
本当に想像力だけでこの本のみ世界を書くことが出来るだろうか?!と思う。私にも目が見えない友人がいたが、本の内容があまりにもリアルだった。聞こえるものや匂い、触った質感、歩いた足の裏の感触、変わる空気感…すべてを組み合わせて「視て」いるのだ。そして、それぞれに幸せや苦しみなどの感情...
本当に想像力だけでこの本のみ世界を書くことが出来るだろうか?!と思う。私にも目が見えない友人がいたが、本の内容があまりにもリアルだった。聞こえるものや匂い、触った質感、歩いた足の裏の感触、変わる空気感…すべてを組み合わせて「視て」いるのだ。そして、それぞれに幸せや苦しみなどの感情が結びついている。 「幸せ」って何だろう? 私たちが苦しみを訴えるこの世界の知覚は、本当に見えているだけがすべてなんだろうか? もちろん創作の世界ではあるのだけれど、それを問い直さずに居られなかった。今の自分の環境や生活に不満を抱くのは簡単だけれど、それは本当に「不幸」なのか? とわは、あまりに素直でまっさらで、そして何があっても生きていく幸せを噛み締めていこうとしている。 今は、今しかない。たった今辛くても、明日は?来週は?来月は?来年は?誰にも分からない。自分が作り出していけるのだから。 私もとわのように、今を生きていきたい。 今は辛くても。そう思った。 小川糸さん、すごい。 一見逆境で最悪な人生に見えるところに、光明を見出していける、自然に。それはまるで本当に起きた人生の日記を垣間見るようだった。 こんな小説見たことない、確かに!
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こんなにすごいお話は、未だかつて読んだことがありません。前半の怖くて暗いお話が、これからどうなるかと不安に思えてなりません。盲目の主人公「とわ」は母親がいてくれたおかげで生きている。「母さんはわたしの太陽だ。文字通り大地をあたたかく照らす太陽だ。」その家にある庭を「とわの庭」と名...
こんなにすごいお話は、未だかつて読んだことがありません。前半の怖くて暗いお話が、これからどうなるかと不安に思えてなりません。盲目の主人公「とわ」は母親がいてくれたおかげで生きている。「母さんはわたしの太陽だ。文字通り大地をあたたかく照らす太陽だ。」その家にある庭を「とわの庭」と名づけ、この庭がとわのことを元気づけてくれる永遠の庭ですね。とわにとってのオットさんの存在がきわだって見えました。後半の飢えとの戦い、そして光明が見えて助けられた時のうれしさ、そして盲導犬「ジョイ」との幸せな生活。ああなんと言う光ある生活。ラストこれからの希望ある生活が楽しみだなぁとつくづく感じました。最初はどうなるかと思いましたが、とても良い気分で読み終えました。読んであなたも興奮して下さい。涙して下さい。感動して下さい。
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