とわの庭 の商品レビュー
著者らしい言い回しが、主人公の目が見えないという特徴により更に色濃く表れているように感じます。目には見えなくても感じ取ることのできる触覚や嗅覚、想像上の色から連想される印象等から主人公を取り巻く状況を、時に鋭く突き刺すように示し、時に心がほんのり温まるように見せてくれました。
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お願い、生き延びて。お願い、誰かこの子を救い出して。母と過ごした家から一歩を踏み出すまで、読み進めるのが本当につらかったです。 職業柄、福祉の力で彼女の道筋をほんの少しでも照らせたなら良かったと思います。デイジー図書ももっと広まらないかな… ワンピースは何色だったのかしら。
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盲目の少女とわは母失踪で闇に取残される。外の世界では出生届のない透明人間。盲導犬がきっかけで人生が動き出す。写真館が人生の証人となるのは,不思議な巡り合せ。光を感じる読後感。
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表紙のイメージから予想する内容とは全く違って、ドロドロした場面やドッキリする場面があった,意外な物語だけど 身近に溢れているような話に吸い込まれた。 やっぱり小川糸はいい
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幼い子どもからの質問に素敵な表現で答える母親の様子に、穏やかで温かな物語の始まりを感じつつも、少しずつ生じる違和感。次第に読むのをやめてしまいたくなるほどの痛々しく苦しい展開。後半になるにつれ光を感じることができたけれど、前半の流れがあるからこそ、最後、光を感じたとて、単純に“よ...
幼い子どもからの質問に素敵な表現で答える母親の様子に、穏やかで温かな物語の始まりを感じつつも、少しずつ生じる違和感。次第に読むのをやめてしまいたくなるほどの痛々しく苦しい展開。後半になるにつれ光を感じることができたけれど、前半の流れがあるからこそ、最後、光を感じたとて、単純に“よかった”にはならないと感じた。それぞれがそれぞれに複雑。心に強く残る物語。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、装丁が好み! 読む前は緩くて柔らかい花や動物たちのデザインが好きだなぁ、とおもったけれど、読了後は、この猫はあの子かな?とか、この鳥は黒歌鳥歌唱団をイメージしているのかな?とか考えて、物語の要素がたくさん詰まっていて、連想が楽しい。 序章が壮絶な始まりすぎて、想像すると気持ちが悪くなってくるような状況だが、後半になるにつれて主人公が盲目だからこその繊細な描写が美しく、色鮮やかに表現されている。だからこそ、花粉症になって洟が詰まるくだりは、主人公の絶望感に共感してしまう。 あんなにも辛い過去があったのに、一つ一つの幸せを大切にして生きている主人公には心根が良すぎるんじゃないか、と穿って見てしまうところもある。 だが、リヒトくんとの一夏の恋とか、母親が亡くなった日のマリさんの言動とか、リアルさもあって、人間の色々な側面を感じられた。
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目の 見えないとわ 母親との一軒家での暮らしが全てだったとわ 母娘のほのぼのした物語 と思って読んでいたら 前半のストーリー展開が衝撃的 読むのも嫌になるほどのひどさで 驚きつつの読書となった だから とわが、自分の状況を把握できてからの後半に救われた。 盲導犬ジョイとの出会...
目の 見えないとわ 母親との一軒家での暮らしが全てだったとわ 母娘のほのぼのした物語 と思って読んでいたら 前半のストーリー展開が衝撃的 読むのも嫌になるほどのひどさで 驚きつつの読書となった だから とわが、自分の状況を把握できてからの後半に救われた。 盲導犬ジョイとの出会い 手を差し伸べてくれる人との出会い とわも徐々に 狭く閉じ込められた世界から解放されていく とわの庭がいつもそばにいてくれた。 見えない世界のもの 研ぎ澄まされた五感 その描写が素晴らしい 母がいつも聞かせてくれた 「いずみ」 という詩が、とわによって完成され 未来への夢を語るラスト 爽やかな読後感だった。
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作者の表現力が素晴らしく、とわの世界にぐんぐん引き込まれた。目が見えないだけに、匂いや香り、感覚、音、母が読んでくれた本から成長していくとわ。 目が見えない事を補うかのように研ぎ澄まされた感覚で綴られるからこそ一層とわの心情が詠むがわに伝わってくる。 とわとお母さんだけの物語か...
作者の表現力が素晴らしく、とわの世界にぐんぐん引き込まれた。目が見えないだけに、匂いや香り、感覚、音、母が読んでくれた本から成長していくとわ。 目が見えない事を補うかのように研ぎ澄まされた感覚で綴られるからこそ一層とわの心情が詠むがわに伝わってくる。 とわとお母さんだけの物語かと思いきや、とわが外の世界へ飛び出して30才までの長い長い人生の物語。
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いい本なんだと思うけど、、前半を読んでいるうちにスゲー嫌な気持ちになって読むのが嫌になったりした。 なんとか前半を読み切らないと。。。って感じです。
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母にひっそりと育てられた盲目の少女、とわ。 母が消え、暗闇の中で必死に生きようとあがいた。見つけ出してくれた人達の愛情に守られて、とわは世界の美しさを見出していく。 何があっても、ただひたすら生きるとわ。苦しい過去もありのまま受け入れて、向き合っていく様は強さを感じた。
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