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彼女の名前は の商品レビュー

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2021/05/03

「82年生まれ、キム・ジヨン」の作者による実話に基づく(女性の実体験に基づく)短編集。 自分に続く後輩や下の世代のためにも声を上げ、少しでも生きやすいように変革しようと戦う女性たちが強くて格好いいのだが、彼女たちの生活には不安も苦しみも悩みも葛藤もあって、そのリアルな姿が重くて辛...

「82年生まれ、キム・ジヨン」の作者による実話に基づく(女性の実体験に基づく)短編集。 自分に続く後輩や下の世代のためにも声を上げ、少しでも生きやすいように変革しようと戦う女性たちが強くて格好いいのだが、彼女たちの生活には不安も苦しみも悩みも葛藤もあって、そのリアルな姿が重くて辛い。それでもなんとか立ち向おうとする彼女たちのことを、本書を読みながら共感を伴って想う女性たちがいることを、彼女たちにも知ってもらえたらいいのにと思った。 ちょうど今朝の新聞に、コロナ禍で非正規雇用の仕事を失って貧困に陥り生活に行き詰ってしまった女性たちについての記事が掲載されていた。本書でも生理用ナプキンが買えないほど困窮した家庭に育つ女子中学生の物語があったが、日本でも同様のことが起きていると聞く。理不尽なことには声を上げて是正を望む権利は日本の女性にもある。

Posted byブクログ

2021/06/11

“私だってそうだったんだよ。あたしたちの頃はもっとひどかったんだから。そんなことを言う先輩にはなるまいと、心に誓った。でもそれだけでは足りない。言ってはいけないことを言わない人で終わらず、言うべきことを言える人にならなければ。”(p.25) “娘であることが一体なんの関係があ...

“私だってそうだったんだよ。あたしたちの頃はもっとひどかったんだから。そんなことを言う先輩にはなるまいと、心に誓った。でもそれだけでは足りない。言ってはいけないことを言わない人で終わらず、言うべきことを言える人にならなければ。”(p.25) “娘であることが一体なんの関係があるのかと訊きたかった。でも訊かなかった。思いを晴らすべくとうとうと語り、切々と事情を打ち明け、私の許しを乞うチャンスを母に与えたくなかった。私は娘だ。だから、なんなのか。”(p.54) “「私は家事してないとでも思ってるの? あんたのすることになんか文句言った? 私がするのが当たり前で、あんたがすると何かすごい思いやりになるわけ?」”(p.67) “「空気を読まないでいられるのだって権力だよ」”(p.75) “もともと少ないおこづかいなのに、節約して節約してナプキンを買うたんびに、子宮なんか引っこ抜いてしまいたくなります。”(p.200)

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2021/04/11

友人からお借りしました。 ありがとう!   82年生まれキムジオン からの流れで。 実際の声を聴く。

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2021/03/26

世代も立場も違う女性たちの、ごく短く綴られた物語たち。彼女たちの日常を、つぶやきを、思いをそっと掬い上げるような。一人一人の物語なのに、読み進むうち、韓国に限らない、女性の置かれている場所を俯瞰してみているような思いになる。そして、うねるような、韓国の姿が見える気がする。

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2021/03/18

女性たちの日常。でもその中に確実に女性ならではの困難、悩み、不満がある。男性にはなかなか分かってもらえないだろうなあ〜、この本の訴えていること。

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2021/03/17

https://www.lib.kyutech.ac.jp/opac/search?q=9784480832153

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2021/02/25

韓国の女性一人当たりの出産数が0.8人でOECD諸国で最低値だと報道されていた。新聞では主な要因は教育熱の高まりから子育てにお金がかかることだと書いていたけれど、最近立て続けに韓国の本を読んだせいか、背景にはフェミニズム運動の高まりがあるのではないかと私には感じられた。そういう数...

韓国の女性一人当たりの出産数が0.8人でOECD諸国で最低値だと報道されていた。新聞では主な要因は教育熱の高まりから子育てにお金がかかることだと書いていたけれど、最近立て続けに韓国の本を読んだせいか、背景にはフェミニズム運動の高まりがあるのではないかと私には感じられた。そういう数値出るよなあと、小説の世界と実際の韓国がピッタリ一致したニュースだった。 この本は「82年生まれキムジオン」の作者が、その後に出した本。同作でジオン氏は声を上げず内に内にとストレスを溜め込んでしまうが、こちらに出てくる女性はもっと強くてたくましい。 正直、ボロボロになりながら戦い続ける女性たちの姿は痛々しくて、面白いのだけど気が重くなる本でもある。戦う相手も、男尊女卑を強いる親世代や配偶者だけではない。セクハラを隠蔽しようとする会社や、掃除人や給食のおばさん、鉄道の乗務員といった非正規の女性社員の立場を軽視する会社であったり、さらには当時の朴政権であったりする。その中で、高校生、大学生から社会人までそれぞれがそれぞれの想いを抱いてデモやストライキに参加する姿に、韓国社会の中のうねりの波を感じる。 2016年に出された「キムジオン」を読んだ時は、男尊女卑文化、儒教文化がなんだか凄まじく、「日本も、ここまで口や態度に出さないけどこういう文化残ってるなあ」という感じだったのだが、それから少し進んだこの本の中の韓国社会は、社会運動のうねりという点であっという間に日本を追い越している。そして日本よりも出生数が少ないことが韓国人女性たちの強い抵抗と主張に感じられ、納得するのである。

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2021/02/23

辛いな、と思いながら読んだ。多くの人が経験したであろう短編集。でも他人事では無い。あとがきにn番部屋事件へのコメントがあり感動した。

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2021/02/12

インタビューをもとに再構成された女性一人称の小説。様々な年代の韓国女性の人生の一部分がオムニバス形式で染みてくる。『82年生まれ キム・ジヨン』と同様、フェミニズムの視点から、日本と状況が似ているなという部分が多いが、違うなと感じる部分も。具体的には婚姻時の親戚関係の密度の高さと...

インタビューをもとに再構成された女性一人称の小説。様々な年代の韓国女性の人生の一部分がオムニバス形式で染みてくる。『82年生まれ キム・ジヨン』と同様、フェミニズムの視点から、日本と状況が似ているなという部分が多いが、違うなと感じる部分も。具体的には婚姻時の親戚関係の密度の高さと、ストライキによって労働環境が改善した例が出てくるところだ。

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2021/02/07

韓国と日本は、似ていないようで似ているし、似ているようで似ていない。 キム・ジョンさんもそうだったが、この本で語りを披露しているたくさんの韓国の女性たちと日本の自分との絶妙な距離感が心地よい。そして日本と微妙に違う環境で立ち上がる彼女たちに勇気をもらう。女性なら読んで損はない。

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