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推し、燃ゆ の商品レビュー

3.3

1908件のお客様レビュー

  1. 5つ

    220

  2. 4つ

    554

  3. 3つ

    692

  4. 2つ

    249

  5. 1つ

    71

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2021/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

推しに良くも悪くも狂わされる現代のオタク女子をリアルに描いた作品。もういい歳した大人のオタクですが主人公と推し方が似ているので共感の嵐でした。色んなオタクが出てきますがどれも実際に見たことがある人たちで、それらを賞賛するでも批判するでもなく淡々と描いているところがよかったです。改めて自分にとって推しの存在や推し活の意義を考えさせられました…現在進行形で推しがいる方は勿論、かつて推しがいた方も是非読んで頂きたい一冊。

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2021/01/27

芥川賞受賞作とのことで読んでみたけど、自分自身にアイドルの推しがいないせいかピンとくるものがなかった。 内容は今どきであったし、読みやすさはある。すらすらと読めてしまう。同時に、深く心に刺さるようなものもなかったかなという印象。でも、家族の関係だったり雰囲気やあかり自身のこと。言...

芥川賞受賞作とのことで読んでみたけど、自分自身にアイドルの推しがいないせいかピンとくるものがなかった。 内容は今どきであったし、読みやすさはある。すらすらと読めてしまう。同時に、深く心に刺さるようなものもなかったかなという印象。でも、家族の関係だったり雰囲気やあかり自身のこと。言わないだけでこんな家庭はあるだろうというリアルさは常にあって、推しのことや、そうやって救われない感じが受けたのかなぁ…。とにかく自分は「はぁ〜こんな世界もあるんだなぁ」くらいの感想しか持てなかった。

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2021/01/27

僕にとっての芥川賞は村上龍の『限りなく透明に近いブルー』だった。その影響からか好きな色はブルーがなのだが、絶対にそんな事は口にしない。僕の推しのイメージカラーが赤だからだ。僕もあかりと同じで病めるときも健やかなるときも推しを推しているオタクだ。あかりの推しに対する思いの切実さが、...

僕にとっての芥川賞は村上龍の『限りなく透明に近いブルー』だった。その影響からか好きな色はブルーがなのだが、絶対にそんな事は口にしない。僕の推しのイメージカラーが赤だからだ。僕もあかりと同じで病めるときも健やかなるときも推しを推しているオタクだ。あかりの推しに対する思いの切実さが、胸を抉る。拳を振り上げコールを叫び飛び跳ねていると、推しのおぼれるような息の音があたしの喉ヘ響いてくるしくなる。『限りなく透明に近いブルー』の黒い鳥を感じるリュウよりも切実な痛みを伴う。『推し、燃ゆ』は僕の中の芥川賞を変えた。

Posted byブクログ

2021/01/27

生活の全てをかけて推している人がいる身としては、フィクションとは思えなかった。 どこかの女の子の生活を切り取ったようだった。 自分の推しもいつかは死ぬし、引退する可能性もある。炎上する可能性も。 その時何が残るのだろうと考えさせられた。

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2021/01/27

終始苦しかった。 息をつかせず一気読み。 最近、推しができたばかりなので、すごくすごくよくわかるところがたくさん。 一方で、ここまではのめり込んでないな、とか、まだまだだな自分、とか、ここまでなったらどーしよーとか。自制しないとおんなじだぞ、とか。いろいろ思うところありました...

終始苦しかった。 息をつかせず一気読み。 最近、推しができたばかりなので、すごくすごくよくわかるところがたくさん。 一方で、ここまではのめり込んでないな、とか、まだまだだな自分、とか、ここまでなったらどーしよーとか。自制しないとおんなじだぞ、とか。いろいろ思うところありました。 推す気持ち、共感する人が多いと思う。 終盤は物語が動き出しそうな気配がしてドキドキ。 日本が美しく、表現力が素晴らしい! 今、を書いているのに、どこか古典のような表現もあり、アイドルとそのファン、の話なのに、とても落ち着いた雰囲気も。 若さと息苦しさと少しの希望が混在した秀作。 このタイミングで、読めてよかった。

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2021/01/27

以下、長文をお許しください。 本書は、人気アイドル上野真幸を「推す」女子高生あかりの内面の成長と決意を描く物語、と言ったら大げさだろうか。 文字通り人生を懸けて真幸を信奉する少女。そうした「一方的な」想いに理解を示さない大人たち。 いくらCDやグッズを買ったって、推しが人...

以下、長文をお許しください。 本書は、人気アイドル上野真幸を「推す」女子高生あかりの内面の成長と決意を描く物語、と言ったら大げさだろうか。 文字通り人生を懸けて真幸を信奉する少女。そうした「一方的な」想いに理解を示さない大人たち。 いくらCDやグッズを買ったって、推しが人気投票で上位に行くことはあるかもしれないが、そのアイドルと晴れて結ばれることはきっとない。握手くらいはできるけど、それは所詮その程度で、見返りなんて得られない。そんなことに、莫大な時間とお金をかけるなんて馬鹿げてる。 人は、いや大人は、心の奥底で見返りを求める動物だ。 金を払ったら、時間をかけたら、情けをかけたら、それに見合う対価を得ようとする。 いくら勉強を教えてもできない。母や姉が嘆息する。 いつまでも養えると思うな。父が諭す。 現実の男を見なきゃ。居酒屋の常連が深く考えずに言ってくる。 (主人公に向けられたものではないが)あなたにどれだけ貢いだと思ってんの。アンチになった元ファンの否定的発言。 どれも動機や感情の矛先は違えど、通底するものはどれも同じ。 けれど、主人公が心の中を吐露するように、一方的な関係だってあっていいのではないか。 私事になるが、JリーグのFC東京が好きだ。好きな選手のユニフォームはシーズンごとに買い替えていて、中でも元日本代表CB森重真人選手のレプリカは全部で5、6枚持っている。また観戦はホーム・アウェー問わずほぼ全部行っていた時期もあり、国際試合の応援でベトナムまで行ったこともある。 FC東京は、僕の中ではいわば「推し」だ。 直接に選手と友達になれるわけではないが、練習場で選手とハイタッチや握手をしたり、色紙や買ったレプリカユニフォームにサインを貰ったりする。その程度の触れ合いでも、ものすごく嬉しい。 スタジアムや練習場に行くと、文字通り老若男女のファンやサポーターに出会う。それぞれ名前も年齢も職業も分からないけど、みんな同じチームを応援している点で繋がり、なんとも言えない嬉しさがある。 何かを心から応援したくなるのは「若さ」であり「青春」だと思う。ジャンルは違えど、あかりの姿と、自分自身の姿がシンクロする部分もあるなあと、読みながら感じていた。 この気づきを得たのは、偏見を持たれがちなヲタクや推しの心理描写がリアルに書かれているが故とも言えるかもしれない。また、ネタバレになるので詳述しないが、ラストのプラスチックケース入り綿棒の使い方にセンスを感じるとともに、あかりの今後を見てみたいという読後感を得た。 120ページほどの作品で軽く読めてしまったため、正直少し物足りなさを感じた点は否めない。が、(伏線とも言える)冒頭とラストの対比、各登場人物の感情起伏の描写、効果的なワードチョイスなど、20歳そこそこの大学生が書いたとは思えない非凡な技量が随所に見られた。著者にはぜひ長編も書いてもらいたいし、今後大いに期待したいと思う。

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2021/01/27

芥川賞受賞のニュースで初めて著者の事を知りこの本を手に取りました。 〝推し”が燃えている。いわゆる炎上しているという状態。 正に侵食を忘れるほど”推し”にのめり込んでいる主人公の生活感と日々の上手くいかなさがこれでもかというように畳みかけられて感情がヒリヒリする。 前作の「かか」...

芥川賞受賞のニュースで初めて著者の事を知りこの本を手に取りました。 〝推し”が燃えている。いわゆる炎上しているという状態。 正に侵食を忘れるほど”推し”にのめり込んでいる主人公の生活感と日々の上手くいかなさがこれでもかというように畳みかけられて感情がヒリヒリする。 前作の「かか」も気になるので次はそちらを読んでみようと思う。

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2021/01/26

ここまでひと筋に推せるものがあるって羨ましいと思った。中身も現代的。同世代の方が書かれたものだからかとても身近に感じる読みやすい作品でした。

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2021/01/27

芥川賞受賞の作品。 21才の若手作家(でさらに可愛い気がした笑)とのことで気になり購入、読了。 前作は三島由紀夫賞を最年少で受賞されているそう。 いやー、コレは面白いですねーーー( ̄∇ ̄) めちゃ良い作品…天才の予感がする作家さんですね。 上手く言い表せないんですが、文章に魔...

芥川賞受賞の作品。 21才の若手作家(でさらに可愛い気がした笑)とのことで気になり購入、読了。 前作は三島由紀夫賞を最年少で受賞されているそう。 いやー、コレは面白いですねーーー( ̄∇ ̄) めちゃ良い作品…天才の予感がする作家さんですね。 上手く言い表せないんですが、文章に魔力めいたものを感じるというか…(笑) 読み手をぐっと惹きつける、のめり込ませる不思議な魅力があるように思いました。 「アイドルを『推す』」という最近(ちょっと前からかもしれませんが…)特有の文化。 現実世界で埋められない心の穴を、そこで代替してしまうほどにのめり込む。 まさに「今」を切り取った文学だなと。 朝井リョウさんの帯の一文、「未来の考古学者に見つけてほしい時代を見事に活写した傑作」がまさに言い得て妙だと思いました。 本作は、他に類を見ないほど「リアリティ」、「臨場感」が突出しているのでは無いかと思います。 すぐそこにある事実のように、明確にイメージできるレベルですっと入ってくる感覚があります。 「アイドルを推す」という自分にとっては未知の領域も、その心情が巧みに表現されています。 推しエピソードの手数も多く、それが圧倒的な「熱量」を伝える要素として効いているのでは無いかと。 上手くいかない家族との関係性も、辛辣なほどリアルに描かれています。 母、父、姉、あかり、誰かが一方的に悪いというわけではない…でも、どこか歯車が噛み合わない。 幸せになれない。 こういう家庭って実際にあるんだろうなと。 読んでいて、ずっともやもやもした行き場のない感情があったのはそこなのかなと。 解決の糸口が見えない、その閉塞感が影響していたような気がしました。 ラストは様々な解釈があるように思います。 個人的には希望のある終わり方なのかなと。 あかりは自分を受け入れ、自らの力で歩いて行く決断をした。 そんな風に解釈しましたが… 自分もあまり器用な方では無いですが、自分なりに逃げない、ズルしない、自分に恥じない、そんな生き方をしたいなと。 漠然とですが、そんなことを思いました。 二足歩行は向いてなかったみたいだし、体は重い。 でも、やるしかない。 <印象に残った言葉> ・触れ合えない地上より触れ合える地下(P5、成美) ・推しは命にかかわるからね(P6、あかり) ・やらなくていい、頑張らなくてもいいから、頑張ってるなんて言わないで。否定しないで(P57、姉) ・携帯やテレビ画面には、あるいはステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない、一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくれるということがあるように思う。(P62、あかり) ・二足歩行は向いてなかったみたいだし、当分はこれで生きようと思った。体は重かった。綿棒をひろった。(P125、あかり) <内容(「Amazon」より)> 【第164回芥川賞受賞作】 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」 朝日、読売、毎日、共同通信、週刊文春、 ダ・ヴィンチ「プラチナ本」他、各紙誌激賞! ! 三島由紀夫賞最年少受賞の21歳、第二作にして 第164回芥川賞受賞作 ◎未来の考古学者に見つけてほしい 時代を見事に活写した傑作 ――朝井リョウ ◎すごかった。ほんとに。 ――高橋源一郎 ◎一番新しくて古典的な、青春の物語 ――尾崎真理子 ◎ドストエフスキーが20代半ばで書いた 初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。 ――亀山郁夫 ◎今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語 ――町田康 ◎すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。 ――豊崎由美 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。

Posted byブクログ

2021/01/26

とても読みやすかった。 主人公の行動も気持ちも大袈裟ではなくて 「推し」という存在をそれぞれに置き換えれば 誰もが共感できるストレートな表現。 「推し」を通して自分とその他が繋がっていた主人公が そのフィルターを失った時に身一つで現実を生きていく序章のように感じた。 自分の...

とても読みやすかった。 主人公の行動も気持ちも大袈裟ではなくて 「推し」という存在をそれぞれに置き換えれば 誰もが共感できるストレートな表現。 「推し」を通して自分とその他が繋がっていた主人公が そのフィルターを失った時に身一つで現実を生きていく序章のように感じた。 自分の行動理由を自分のため じゃなくて外に置いてしまうと その指標がなくなった時に迷子になってしまう反面 やっと自分を生きれる気もする。 この作品の「推し」は たぶんずーっと誰かの目に映る自分として生きてきて それが自分だって言い聞かせていたけど 思い込むことで自分が塗り固められていることに 気づいちゃったのかな。

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