fishy の商品レビュー
特別な肌感はあるのだが私とは少し合わなかった。それでも最後まで一気に読み切った。腕力がある。 利己的な自身を強く肯定する登場人物ばかりで、彼女たちは強く自分の我を主張する。その思考性は興味深く、楽しむポイントなのだが、言いっぷりが乱暴、言葉が強くて、私は引いてしまう。 私はハ...
特別な肌感はあるのだが私とは少し合わなかった。それでも最後まで一気に読み切った。腕力がある。 利己的な自身を強く肯定する登場人物ばかりで、彼女たちは強く自分の我を主張する。その思考性は興味深く、楽しむポイントなのだが、言いっぷりが乱暴、言葉が強くて、私は引いてしまう。 私はハードロックは聴くバントは聴くけど、ヘビメタは聴かない。これは嗜好のはなし。 本作は私にとって、あまり聴かない方のハードロックでした。 ユリさんと弓子さんがこんがらがった。
Posted by
毎回 #金原ひとみ の文章にはブッ飛ばされる。 女性のドロドロとした真っ黒な深淵を描くと 唯一無二な世界観。 万人に好まれる本とは対極。 #fishy 以下引用⇨ 「指を突っ込んで開いたギザギザの封筒の切り口の雑さが、すでに私が喪失した冷静さを表していた。」 「私を傷つける...
毎回 #金原ひとみ の文章にはブッ飛ばされる。 女性のドロドロとした真っ黒な深淵を描くと 唯一無二な世界観。 万人に好まれる本とは対極。 #fishy 以下引用⇨ 「指を突っ込んで開いたギザギザの封筒の切り口の雑さが、すでに私が喪失した冷静さを表していた。」 「私を傷つけるのはいつも私だ」
Posted by
友達にオススメされて読んだ本。 女同士の嫉妬とかそういう話かと思ってたら現実と想像が入り乱れたり、いろんな感情になった。初めて読んだ時はそれぞれのエピソードとして読んじゃったけど、次読む時は三人の話として構えて読みたいな。おすすめしてくれてありがとう!
Posted by
これは私の勝手な持論でしかないのだけれど、何年か前からずっと「友達3人論」というものを唱えている。言葉の通り、「友達は3人がいい」というもの。2人だと相手の全てに自分がリアクションしなくてはいけないのは、友達という関係においては厳しいものがあるのでは?と私が怠惰な性格だからか、い...
これは私の勝手な持論でしかないのだけれど、何年か前からずっと「友達3人論」というものを唱えている。言葉の通り、「友達は3人がいい」というもの。2人だと相手の全てに自分がリアクションしなくてはいけないのは、友達という関係においては厳しいものがあるのでは?と私が怠惰な性格だからか、いやそれもあるけれど2人だと特に女は本音と建前でいうところの建前、同情と解決策でいうところの同情しか言ってはいけない、みたいな雰囲気があって、多分これは長期的に仲良くするのに弊害になると個人的には思ってるし、周りの女の子たちを見ていても思う。4人だと2:2になりがちでそれは4人組友達として成立していないし、どこかのペアは上辺の関係であることが鉄板な気がする。で、最もちょうどいいのが3人で、実際に私が長続きしているのは「3人組の友達」だという実績もある。この小説はまさに3人の女性らが、恋愛、仕事、お金らの価値観の違いで衝突し合う姿が描かれているけれど、こんなにぶつかり合える関係って、とても数奇だと、眩しく思う。私の「友達3人論」はさらに確信を増した。 読んでいてもうひとつ新たな仮説、「結婚は恋愛云々よりも安心や信頼、はたまたお金」というものが自分の中に生まれてきた。早速友達に話したが「それもある。が、負け惜しみならやめとけ」と言った答えが返ってきた。できるなら誰だって恋愛結婚がいいに決まってる。ちなみに人生の先輩、社内の既婚上司らに聞くところだと「愛より金」とのこと。人間の数分答えがあるなとつくづく思う。さて、自分の答えはどんなものになるだろうか。この先の人生で一つ出すことになるその答えが楽しみ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
金原ひとみさんの作品は 何も起きず、何も始まらずに、 そのまま終わるような本もいくつかあるが、 珍しくいろんなことが起こるタイプの物語で面白かった!! 金原さんの本はいつも魅力的な男子が出てくるけど 最近の作品はいいところのない男たちが出てきて、 「ハァ〜マジで現実の男ってみんなこうだよね」 って感じが詰まっててそれはそれで面白い。 それにしても不倫ネタは今までもたくさんあったけど、 ついに慰謝料請求されたり、 夫が家からいなくなったり、 弁護士つけて揉める話まで出てくるようになった。 金原さんの物語には実体験がかなり反映されるから、 なんとなく年々ひどくなっている気がして心配になった。 それにしてもこれは恋の話ではなく、 出てくる女3人の友情物語で、 表面上は仲良くしていても一皮剥けば本心はわからないという女のドロドロが本来はメインの作品なんだろうと思う。 多分男が読んでもわからない本だろうな。 ここ最近の金原作品の中で1番面白かったかも! 〆 気に入った文章 「憧れながら蔑み、嫌いながら好み、褒めながら貶し、拒絶しながら求める。」 fishy p82 「一瞬、腹が立った。次の瞬間呆れた。そしてまた次の瞬間永遠に離婚はしないと心に決めた。最後の瞬間まで、自分が離婚するのかしないのか分からなかった。どっちに転ぶのか分からなかった。こんなコイントスの裏表のように、あやふやな気持ちのまま人は離婚するしないを決めてしまうのか。いやしかし私が決めたわけではない。コインの裏が出た。ただそれだけだった。」 fishy p132 「こうして来る日も来る日も浅いおじさんたちの相手をしている内に、私の思考回路も完全に真っ当になってしまった。毎日のようにガールズバーに勤務していて知ったことは、客に異様にナショナリストと差別主義者が多いということだった。でも考えてみれば、キャバ嬢や高級スナックの女は落ちにくいし高いからという理由で安価なガールズバーに来るワンチャン狙いの男にリベラリストがいないのは当然だった。本番NGな風俗嬢と本番をしたという経験を武勇伝のように、あるいは俺のグレイトなテクニックがどうこうというニュアンスを込めて語る男や、下ネタやエロ話でこっちの反応を楽しむノータッチ痴漢男や、時代遅れのマッチョイズムをひけらかして若い子を批判する男、そういう奴らとは一線を画していると、先進的な自分を演出したいがために知的アピールしようとして無知を晒す男、Twitterなどを見ていると、ひどい差別や抑圧の体験ツイートが毎日バズっていて、こんな人間がどこにいるんだろうフィクションなんじゃないの?と思っていたがとうとう謎が解けた。そういう人間はガールズバーにいた。」 fishy p158 「泣かせるために作られたフィクションは、勃起させるために作られたポルノと同じだ。一時的な快楽を得ることはできても、そこから本質的な問いや力を得ることはできない。射精はできても、射精した瞬間どんな内容だったかすら思い出せなくなる。」 fishy p168 若い子に下ネタ言って反応を見てニヤニヤする男を ノータッチ痴漢男って表現するのいいですねw 相変わらずキレッキレで好きです!!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
美玖、弓子、ユリ。時々集まって飲むと、毎回どこか不穏な空気になる。友達と一言で言い表すのも難しい不思議な関係性。でもそれぞれの考え方や生き方についてこうやって正直に話せる相手って貴重だよなぁ。
Posted by
なにもかも… ってな事で、金原ひとみの『fishy』 これまたオモロい 美玖、弓子、ユリそれぞれの性格、生活、生き方って言うんかな お互いに苦味合ってるのに3人揃えばバランスがええと言うのか、グーチョキパーな関係と言うんか 読みながら美玖は...
なにもかも… ってな事で、金原ひとみの『fishy』 これまたオモロい 美玖、弓子、ユリそれぞれの性格、生活、生き方って言うんかな お互いに苦味合ってるのに3人揃えばバランスがええと言うのか、グーチョキパーな関係と言うんか 読みながら美玖はケイゾーぽいかなぁ、弓子はともやんかな、ユリは我ちゃんかなと勝手に想像しながら読んだり(そこは男なんかいっ) わしはソジンじゃなっと 女性の内面と言う訳じゃなくて、人間の内面をエグって表現してる感じかな。 金原ひとみさんにしては、ライトな感じで読みやすかったね 2022年53冊目
Posted by
美玖が幸せになってよかった。 弓子もそこまで幸せそうに見えないにしろ、旦那さんが戻ってきてよかった。
Posted by
面白い。。金原ひとみはずっとすごいな。若い時はとげとげしい印象だったけど、年を重ねて、自然に息をするように文章が出てきてる感じ。そしてたぶんすごい取材してて、違和感を持たせない。
Posted by
初の金原ひとみさん。刺激的すぎるイメージがあって中々読むのを躊躇していたけど、実際読んでみたら好きなフレーズがたくさんあって一気読みでした。3人の人物にはなにひとつ共感できないはずなのに、なぜかユリの台詞にはグサグサくるものがあってこんな生き方ができたら…って思いながらも、そんな...
初の金原ひとみさん。刺激的すぎるイメージがあって中々読むのを躊躇していたけど、実際読んでみたら好きなフレーズがたくさんあって一気読みでした。3人の人物にはなにひとつ共感できないはずなのに、なぜかユリの台詞にはグサグサくるものがあってこんな生き方ができたら…って思いながらも、そんな風に思うことすら許されない発言が出てきてさらにドキッとした。 個人的にはもう少し幼かったらきっとよくわからなくて読むの諦めたかもしれない。でもこれを読んでハッとさせられるものは確かにあって大人になったのかもと思ったりした。
Posted by